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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

新喜劇王

2020-08-13 17:25:29 | アジア映画
チャウ・シンチーが、1999年に自身の監督・主演作である「喜劇王」をリブートした作品
っていうのも主演をエ・ジンウェンが演じるモンという、なんとスタニスラフスキーの『俳優論』を読んでスターを夢見ながら、エキストラに毛が生えたような、画面に顔も映らなけりゃ死体の役ばかり。
そんな彼女の俳優業を反対しながらも影で夢を支えてくれる両親、
実は実家が金持ちだが、趣味でエキストラをしているエキストラ仲間や
彼氏がいるおかげで、役を選ばずモンは、エキストラを続けられているわけで

ある日、整形に行って失敗した顔がスタッフに注目され、かつてのスター俳優マーの主演作「白雪姫 血のチャイナタウン」に出演することになり、
モンは現状から脱出しようと意気込んでいたけど、なんとお顔は姫のお母さんで7人の小人にメッタメッタ打ちされる時だけの役
それ以外は普通に女優さんが演じているんですね
マーは、もう過去の人であり、性格は悪い最低な人間だった
恐怖に震えるシーンで、監督がなかなか満足出来る演技が出来ないマーに苛立ち、
 
モンに映画にはない設定を教えてマーを脅かす幽霊の役を演らせ
マーは、オシッコ漏らすほど恐怖に震える演技が出来たのだが
監督の仕込みであることを知ったマーは、怒って現場を去ってしまう
モンは、お弁当の配達のアルバイトをしながらエキストラを続けていた
同じ境遇にいた友人は、その美貌から街でスカウトされて今や超売れっ子女優
そんな彼女のところに弁当を届けにきたモンを明かに面倒くさく排除してしまう売れっ子女優
 
さらに彼氏が、結婚詐欺師であることを知り、尊敬する監督から“お前にはチャンスが来ない”と言われたことがきっかけで、
モンは俳優を諦め食堂で働き始める
オシッコ漏らしのマーの映像がネットに流れ、スターに返り咲きしたマーが、モンの家を訪れ“キミの演技で僕は有名になれた、著名な監督の新作のオーディションが、北京で行われるから、オーディションを受けたら?”とマーは、伝える
モンは、ラストチャンスと北京でオーディションを受けるものの・・・

そうなんでスタニスラフスキーを完読して、役柄になり切るメソッド演技にこだわるあまり、死体でもその役作りにこだわりを見せたりとモンはかなりうるさ過ぎて
監督やスタッフにから敬遠されてばかり、でもめげないモンの前向きでひたむきな姿はいい
主演のエ・ジンウェンが、綺麗に見えたり、見えなかったりと
前半の売れないエキストラとラストに綺麗なエ・ジンウェンを見せるという手法は王道の作りでしたが
 
オーディションのシーンで、恋人が詐欺師とわかった時のやりとりを演じて見せて
オーディションに受かってしまうんですが
このシーンは完全にスタニスラフスキーシステムの具現化でしたねぇ
映画のオープニングでモンが『俳優論』を持っていて
その理論を具現化させるとこがちゃんとした映画のヤマにしていたんですね
チャウ・シンチーの細かい演出が光っていましたねぇ
 
まぁ基本コメディですから、実家のパーティーに頭にナタが刺さったまんまのメイクでやってくるとかのシーンもあって
楽しい作品になってましたがな
 
2019年製作、中国映画(日本公開作品)
チャウ・シンチー脚本・監督作品
出演:ワン・バオチャン、エ・ジンウェン、チャン・チュエンダン、デイビット・トロック

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2 コメント

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こんばんは! (ヒロ之)
2020-08-31 21:31:39
コメントありがとうございました。
シンチー監督、何時の間にこんな作品を!?て事で久しぶりにシンチー色に染まった作品を楽しもうかなと鑑賞していましたが、ラストでのお父さんの号泣にやられました。
本人には「出ていけ!」と厳しく当たっていたけど、本当は裏でも支えていて、そして娘の晴れ姿に涙する。
こういう父の愛情を強く見せつけられると胸にグッとくるものがあります。
丁寧なストーリー構成も好感が持てました。
機会が有ればオリジナルも観てみたいて思いましたねえ。
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ヒロ之さん、こんばんは (morkohsonimap )
2020-08-31 23:47:38
コメントありがとうございました。
シンチー監督も、セルフリメイクでしたから
それなりに力入れたんですかねぇ
ヒロイン2とっかえたのは正解だったかな
めげずに明るいヒロインの姿に好感が持てましたよね
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