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レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

怨歌情死考 傷だらけの花弁

2018-01-25 17:09:58 | 邦画
いつだか忘れたけど、昨年末だか、今年の初めだったのか
CS衛星劇場の深夜枠でOAされた日活ロマンポルノ作品のRー15(っても40年以上前の作品ですので殆ど再審でまんまRー15で通ってるようですが・・・)
小川節子さんにしては稀有な現代劇、この人時代劇が多いんですよね
女優さんとしては面長なんで時代劇がおおいのかな


田舎から夢を抱いて上京してきた男と女の夢破れ挫折していく映画でしたね
モノトーンで夏祭りのやぐらで自慢ののどを披露する節子が
地元の若者三人にレイプされる・・・
その示談金を持って歌手になろうとギターひとつ持って家出た節子
東京に向かう夜行列車で知り合ったイラストレーター志望の茂ると将来の成功を語り合い
茂は節子のギターにイラストと、詩を書いて別れる

昭和40年代ってことは日本も経済成長期の頂点に達した頃ですが
時代的にはGNP二位に日本が上昇した時期なんですか
若者が夢と希望と憧れを持って上京してきた時代
しかし、その多くは苦難と挫折を味わい道を断念していった時代でもあったんですが・・・

節子は都会の荒波と歌謡界の裏の汚なさに押し潰され、今ではクラブのホステスをしている先輩の家に転がり込むが
彼女のマンションはパトロンから送られたものだったし
そこを出た節子は美容院に住み込みで働きながら歌謡学院へ通うことになったが、
ママさんの男にもてあそばれ行き場をなくす
歌謡学院で知り合った純子の付き人として生きていた節子のギターに書かれた詩を純子のマネージャーが見つけて
"怨歌情死考"として純子のヒット曲に・・・

その頃、茂はイラストでは食えず今はスケコマシで生活していた
そんな茂と節子は偶然出会い
お互いに都会に潰され夢に破れたことを知った二人は互いの傷口をなめ合いながら
体を重ね合わせるのだったが・・・

ふとしたことで人を刺した茂と二人で執拗な警察から逃避行が始まる。

昭和っていう時代を背景に都会の荒波から弾き出され
夢と希望を失い、その傷口を嘗め合うように生きていくしかない若者の生きざま死に様を
描いた悲劇と言うか、非情な人生を一本の青春映画にしていたような
若者の生きざまがひたむきなだけに、その悲劇と言うか、転落していく人生の先には
死あるのみと言う結末に救いはないんだけど

その救いのなさにこの作品のすべてが昇華されてるんですね
小川節子さん薄幸の美女が似合いすぎ

1973年製作、日活作品(日活ロマンポルノ)
小原宏裕脚本・監督作品、ひかわ・みよし共同脚本
キャスト
出演:小川節子、潤ますみ、続圭子、叶今日子、橘田良江、大山節子、影山英俊、織田俊彦、中平哲仟、小泉郁之助

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