ガタゴトぷすぷす~外道教育学研究日誌

川口幸宏の鶴猫荘日記第2版改題

戦前生活綴方教育が生んだ珠玉の名作との再会

2018年03月11日 | 研究余話

 かつて教育運動史研究会という民間教育研究団体の事務局員として活動していた(大学院博士課程時代から10年ほど)。
 ある年の夏季全国集会で、戦前生活綴方人による発表(「証言」)をお願いした。そのお一人に、北海道北見管区で実践し、組織運動に取り組んでおられた小鮒寛先生がおられた。
 ご報告の中で紹介された高等科2年(現在の中学2年)宍戸秀男「熊取の土地」(1936年11月作)に強い衝撃を受けた。当時盛んに話題にされていた主体的リアリズムでここまで子どもが綴れるのか、という衝撃であった。私の戦前生活綴方運動史研究に大きな弾みをもらった作品であった。

 その時から40年近く経った。もう目にすることはないだろうと思っていたくだんの作品と相まみえることができた。小鮒寛氏のご遺族からご提供いただいたのだ。
 再び、あの心のときめき、轟を覚えながら、机に向かっている今朝。日本の教育が生み出した珠玉の作品。いいなあ。

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