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「むくろじ」の実

2010-05-08 00:01:01 | 千里山花物語り

 千里山まちづくり協議会で親しくして貰っているNさんが、自転車で図書館に本を返却しに行くところに出会いました。
 ふと何気なく自転車の前カゴを覗くと、見たことのない植物の実のようなものが幾つか入っていました。「むくろじ」の実ということで、千里山に近接する緑地公園内の木々から秋に地面に落ちたものを拾われたそうです。実は既に乾燥が進んでいるようで、耳元で振るとカタカタと軽やかな音を立てて鳴りました。珍しいので僕も2.3個貰いました。
 Nさんの説明によりますと、「むくろじ」は昔は正月遊びの羽子板の羽を作るときに、付け根の重りの黒玉として利用されたということです。そう言えば幼少の頃姉達に混じって羽子板で遊んでいた時に、カチッと堅い音を立てて突かれる羽に付いていた黒い玉を想い出しました。金属か何かと想っていたものが、実は植物の実だったとは初めて知りました。
 木の桶が金バケツに、そしてプラスチックに置き換わる前の時代には、このような自然物が上手く生活用具や遊び道具に活かされていたのでしょう。
里山の秋:ムクロジの実
黄葉したムクロジの喬木の下、この実を拾って果皮を剥くと、真っ黒な硬い種子が顔を見せた。この黒い種子は羽子板遊びの羽の玉にする。東京オリンピックの前までは、子どもたちの正月の遊びは、男の子なら独楽、凧揚げ。女の子なら羽根つき、手毬。これらが今も新年の特別の遊びという感覚があるのは何故だろう。揚がる、跳ねる、回るという生命力があらたまを寿(ことほ)ぐ遊びとしてピッタリだからではないだろうか。
さて、ムクロジ属の属名はSapindusで、"インド産の石鹸"。果皮にはサポニンを多く含んでいるから昔は石鹸の代用に使われた。ムクロジ科の植物は、熱帯に多く、インドでもこの仲間が石鹸として使われていたことからの命名なのだと思う。【生きものエッセイ:虫めづる

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