まにあっく懐パチ・懐スロ

古いパチンコ・パチスロ、思い出のパチンコ店を懐古する
(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

消防車2(マルホン、ハネモノ)

2017-06-25 15:05:51 | ハネモノ



1992年(平成4年)にマルホンから登場した
新要件ハネモノ「消防車2」

★賞球…6&10
★最高15R継続
★平均出玉…約700個


縁起の良し悪しは別として、火事、火災絡みの台と言うのは、
過去にチョイチョイ出ていた。京楽の旧要件ハネモノ「め組」
シリーズ(まさむら版は「火消し」シリーズ)、西陣の新要件
ハネモノ「火の玉ボーイ」、SANKYOの新要件変則3回権利
「レスキューキャッチャー」などが、真っ先に思い当たる。


まぁ、まさむらのマイナー台はともかく、め組一番、火の玉
ボーイ、レスキューキャッチャー辺りは、ファンの認知度も
割と高かった。とりわけ、91年に登場した火の玉ボーイは、
「火災モノ」の代表格として、今でも多くのレトロファンの
記憶に刺さる存在。危険なビル火災現場で、逃げ遅れた人を
果敢に救出する姿は、「正義の味方」「ヒーロー」を彷彿と
させた。してみれば「火災」自体、パチのテーマとして十分
適していたともいえる。上下に動くゴンドラ式のVゾーンや、
複数の貯留玉を磁力でいっぺんに釣り上げるギミックなどは、
インパクトも十分。当時、斬新で特徴的な挙動に魅了された
ファンは多いハズだ。


そんな著名なレトロ台が存在する一方、1990年代前半に
マルホンが「消防車」をモチーフにした新要件ハネモノを
世に送り出した事は、意外と知られていない。ネットにも
ほとんど台情報がないが、マイナー機種好きな当ブログが
扱うには、ある意味うってつけの存在と言える。


ヤクモノは上下二段構造で、小さめのハネに拾われた玉は、
上段ステージから下段へと落ちる。上段中央には消防車の
「ハシゴ」を模した白いレール状の役物が配されており、
玉が下段に落ちる際は、必ずこのハシゴを通る。ハシゴは
正面を向いているが、通常時、玉が奥に転がるよう傾斜が
付いていた。ハシゴのレールを伝って上段奥へと転がった
玉が、下段奥に落ちる仕組み。


その下段ステージには、キャラメルの「おまけ」を彷彿と
させる(平和ラリーダッシュ、大一スーパーウィリー系統)、
少々チープな感じの消防車ヤクモノがデンと身構える。通常、
この消防車は、一定周期で前後に動いている。ハシゴを通り
下段奥に落ちた玉は、前後動する消防車の屋根や前方などに
当たって、手前に戻る。その玉が、角度良く手前中央にある
Vに向かえば、大当りのチャンスだ。但し、玉が落ちる際の
消防車の位置(前、後)や玉の勢いで、下段での玉の動きも
千差万別である。消防車にぶつかり、ランダムに跳ねた玉の
多くは、V左右にそれてハズれてしまう。なお、V入賞率は、
台のクセやネカセよっても変わってくる。


大当りするとVゾーンの「フタ」が閉まり、再入賞できない
状態に。ヤクモノに入った玉が、ハシゴを経由して下段奥に
落ちる流れは変わらないが、Vにフタがあるので、ラウンド
前半でのV入賞⇒継続は無い。


Vのフタが再び開放するのは、ヤクモノ8カウント時。この時、
上段のハシゴが下降を開始する。さらに、ハシゴの傾き方が、
従前の「奥に向って傾斜」から、「手前側に傾斜」に変わる。
つまり、通常と違って、上段のハシゴを通った玉が、奥では
なく手前に転がって、正面Vに直接アプローチする格好に。


その為、V継続のチャンスは8、9、10個目にヤクモノ入賞した
玉のみにあるが、ハシゴの先から手前に落ちた玉は、そのまま
正面のVをとらえ易くなっていたから、継続率は良好だった。
但し、ハシゴから落ちる玉の勢いが強すぎたり、台のクセが
悪かったりすると、あっさりVを外すケースも…。この弱点を
補うべく、8カウントの直前から弱め打ちに切り替えて、玉が
ヤクモノに飛び込む際の勢いを殺して、V継続率を上昇させる
「小技」も存在。


賞球6&10でヤクモノ10個戻しの為、ワンチャンスの大量出玉
こそ狙えない本機。だが、8カウント以上でV継続のゲーム性が
幸いして、完走の連続で一気に出玉が増えるケースも。



なお、本機と同時期に「消防車」という兄弟機も登場している。
ヤクモノは本機と共通だが、賞球7&15とやや多め。コチラは、
デジタルによる振り分け抽選付きで、大当り時、ヤクモノ上の
2桁デジタルに「10」~「15」の数字が出現。停止した数字が、
最高継続ラウンド数となる(振り分け率は1/6)。但し、最終
ラウンドまで届かず、パンクするケースも多い。


さらに翌1993年には、元祖「消防車」を焼き直した連チャン
ハネモノ、「ファイアーマン」も登場。京楽「タヌ吉くん2」
よろしく、「V」出現で15R。しかも連チャン性が高かった。
当時、マルホンの連チャンハネモノは「お笑い道場」などが
人気を博したが、ファイアーマンの爆裂も相当のものだった。
ヤクモノやデジタル等は先行機の「流用」でも、中身は全く
別物。当時の爆裂ハネモノブームに乗じて出た事は明らかだ。


消防車2、消防車、ファイアーマン…90年代「火災ハネモノ」を
振り返る際には、これらマルホン台も思い出してやって欲しい。
それと、当たり前だが、火災にはくれぐれも気をつけましょう。



(マルホン「消防車2」の項、了)