Sekky's FLOG

福井県立恐竜博物館で研究職員をしている関谷と申します。
仕事の内容はあまり書けませんが、コメントを頂けると嬉しいです。

黒龍江省伊春シンポジウム&野外巡検

2011-09-10 16:33:56 | 地科ネタ
自貢に戻ってきました。急に涼しくなったらしく、最高でも27℃くらいで過ごしやすくなっていました。湿度は相変わらず高い。

次の月曜は中秋節だそうで、休日になることを突然知らされた。

土日と合わせて3連休!急な休みほど嬉しいものはなかなかない。

つっても家で仕事の続きなのですが。それでも朝、目覚ましで起きる必要がないのはかなり気が楽だ。


ご機嫌になったので黒龍江省の写真を載せます。

伊春地质古生物国际学术研讨会

8月19日
成都からハルピンへ。午後の飛行機だったせいか2時間ほど遅れ、着いたのは18時。

それから車で伊春へ向かい、国道が改修中で4時間くらいかかった。


8月20日
午前:開幕式

午後:口頭発表

8月21日
一日中、口頭発表を聞く。半分くらいは眠い。

興味がないわけではないはずなのだが、なぜか話を聞いてるだけというのは眠くなる。

Xu Xingの恐竜の話だけは全部起きてた(笑)

ロシアのなんとかさん曰く、嘉荫のK-Pg境界にイリジウム濃集層はないけど、Fern spikeはあるそうです。

8月22日
小兴安岭恐龙博物馆
なぜここにマメンチを置くんだろう…。時代が全然違うじゃん。


しかも頭はDiplodocusっぽいし。

いい加減な仕事をしてはいかんな~と自分にも言い聞かせる。
 

上甘岭“红山植物群”(Late Permian:約2.5億年前)


トクサ、ソテツなどの植物化石が採れる。


五星镇.西钢石灰石矿

炭素の年代測定ではカンブリア後期なのだが、石炭纪のコノドントが1個見つかったのが謎らしい。


8月23日:
嘉荫恐龙博物馆
デフォルメされた世界各地の恐竜の石像が点在する散歩コース
 

岩山型展望台
 

展望台内部には化石の産状を再現したそうな。


アンキロの肩まで5mくらいあるんだが、拡大しすぎではなかろうか。


展示館。実物化石のスペースはたいして広くないです。
  

著名な(?)研究者の銅像がいくつもある。人選は、シンポジウムの招待講演者と重複している模様。


龙骨山剖面:1902年に中国で初めて恐竜の化石が発掘された場所。
 


周りの地層からは、まだ化石骨のかけらが見つかります。


永安村露頭
 
白亜紀後期の植物化石が見つかります。



8月24日
乌云白山头:新しいドリリングコア採取地点。地下のK/Pg境界まで20mくらいらしい。


掘ったコアが並べられてて、深さ20数メートルのプレートが付いてた。

おぉう、この中にK/Pg境界が…!


乌云煤矿


メタセコイアがいっぱい採れます。



嘉荫K-Pg境界碑除幕式
 
これからICSに申請するって言ってたけど、先にこんなん作っちゃっていいんだろうか。



8月25日
ハルピンへ移動

楚雄のラジオ局

2011-09-05 06:41:05 | 地科ネタ
まだ雲南禄豊県にいます。

となりに楚雄市という少し大きめな田舎町のがあり、そこのラジオ局の記者とやらがドン先生の取材に来ました。

その人に、以下の原稿を日本語で読まされました。

「昨年、日本の若者を対象に、最も好きな有名人は誰かとアンケート調査したところ、ドン先生は2位でした」


たぶんだけど、そんな調査してないよね。

してたとしても、ドン先生が2位になるとは到底思えない。

いやまあ、そうだったらいいなとは思うけど、「最も好きな恐竜研究者」という括りならまだしも、知名度自体そこまで高くないでしょう。

てか、そんな括りだったら、ドン先生に限らず、誰かの名前が挙がるのは1万人に1人くらいかもしれません。


僕が日本人で、吉林大学に留学してたことなども聞かれたので、僕の発言として紹介されるのかもしれません。

いろいろ突っ込みたかったのですが、「いいからともかく声に出して読んでくれ」とマイクを向けられました。

田舎町のラジオ局なので、日本人の耳に入るとは思えませんが、万が一、中国人づてにでもそんな話を聞いたら、以上のような経緯です。

中国の報道って、こんな取材がまかり通ってるのかね。

珍妙なメール

2011-08-27 22:18:07 | 地科ネタ
黒龍江省のシンポジウム&野外巡検は無事に終わって、雲南省に来ました。

写真は落ち着いたらそのうち載せます。



それはそうと、panphagia@××なるアドレスから、珍妙なメールが届いた。

すべて中国語で、「古生物の資料を頂けませんか?PDFがあれば一番いいのですが、なければ図書館でスキャンして頂けませんか?」

本名も所属もなし。僕のアドレスは多分、どこかに投稿した論文でも見たのでしょう。

無礼とか厚かましいを通り越して、なんか気味が悪い。

古生物の資料って言われても、広すぎて対処のしようがない。@以前から察するに、基盤的竜脚形類に興味があるのだろうか。

無視していいよね?

中国産古生物化石に基づく新種記載について

2011-07-21 22:59:07 | 地科ネタ
今年初頭くらいに、不穏な噂を耳にした。

「中国産古生物化石をタイプ標本として新種を命名・記載する場合、その著作物の筆頭著者は中国人でなければならない」

もしこれが本当なら、僕としてはかなり痛い。

いま扱っている化石のうち、いくつかは新種として記載することになるかと考えているのだが、他の中国人に筆頭を譲らねばならなくなる。


2011年の元日から施行された『古生物化石保护条例』なるものが根拠らしいのだが、原典を当たっても明確な記述は見当たらない。
http://www.gov.cn/zwgk/2010-09/10/content_1699800.htm(中文)

怪しいとすれば第四条の「国家は古生物化石に対して分類と管理、重点的な保護、科学研究の優先、合理的な利用の原則を実行する」という文面だろうか。(注:私訳)

「国家が優先的に科学的研究を行う」と読み替えれば、噂のような拡大解釈も可能かもしれない。

でもこれだと漠然としていて、より具体的な事例に即した規定が別に出されていそうな気がする。


北京界隈から聞こえてくる噂なのだが、真偽はいまだ不明。

うちの研究部主任と浙江省の知人は知らないと言っていた。


著者の順位は研究論文への貢献度で決めるべきであり、法で縛るようなものではないと思う。

恥ずかしながら

2011-06-21 17:45:38 | 地科ネタ
自貢恐竜博物館で働く姿を日本のテレビ局に取材して頂きました。

TBSテレビの「Dream UP!」という2分ほどの番組で、6月26日(日曜)、22時54分放送です。
http://www.tbs.co.jp/dream-up/

夢を追って海外で挑戦する日本人のドキュメンタリーだそうです。


もっとシビアな条件で頑張っている人もたくさんいるはずなのに、たいして論文も出せていない自分がテレビなどと、おこがましい限りです。

カメラの前で喋るのはほとんど初めてで、お見苦しいとは思いますが、ディレクターさんやカメラマンさんには丁寧に取材して頂き、素敵な番組に仕上がっていることと信じます。

私が面白いと思って取り組んでいるものに、いろんな人が興味を持ってもらえたら嬉しいので、ぜひご覧になってください。


でも実は、かーなーり、こっぱずかしいのです。

が、少しでも反響があることで、私のような若造を取り上げて頂いたご恩に報いることができれば幸いです。


取材中、あらためて実感したのは、中国で好きな恐竜の研究に没頭できている自分が幸せ者だということ。

「やりたいことが見つからない」とか「夢ばかり追っているわけにはいかない現実がある」と諦観を漂わす若者たちが、思い切って一歩踏み出すきっかけになれたら嬉しいです。

もしくは、踏み出してみたらこんな感じになった、という一例として参考にして頂ければ幸いです。


最後になりましたが、今回の番組取材は成都日本人商工クラブを通じてご紹介頂いたお話でして、同会にはこの場を借りて感謝申し上げます。

遼寧古生物博物館 続報

2011-05-31 21:16:29 | 地科ネタ
さほど詳しく書くつもりはなかったので、たいした写真を撮っていないのですが、いくつかご紹介させて頂ければと思います。


中央は吹き抜けで、Huanghetitanが置かれています。
壁にはちゃんとArchaefructusが描かれています。かなり拡大されて。


1階入り口の奥に置かれていたヴェロキラプトル類。
体長は1m以上あり、見たことのない大きさでした。
下の方に比較用にペンを置いてみましたが、見えますでしょうか。


燕遼生物群。
時代はジュラ紀中頃~後期の初めだそうで、雲南や自貢とかぶるので、個人的に興味があり、撮ってみました。


リコプテラの屏風。
魚ゾーンにて。かなり圧巻でした。
2、3匹描き足してたりは、しないよね~。そうですよねー。


開館式典。
2階の小学生たちはかなり飽きてたけど、騒ぎ出したりしないのはよく躾けられてるなと思った。


1階裏口に置かれていたPsittacosaurus。
「架空の」とタイトルが付けられているのだが、何をしている場面なのかはご想像にお任せします、という意味だろうか?

遼寧古生物博物館

2011-05-25 22:22:43 | 地科ネタ
昨夜、無事に自貢へ戻りました。

長春と瀋陽では、留学中の懐かしい人々に会えて嬉しかった。

長春に寄ったのは、留学中、長春の銀行に預けてあった日本円を引き出すため。

卒業後、引き出さずに自貢へ来てしまったのですが、省外でおろすとものすごく手数料がかかるのです。


瀋陽師範大には孫革先生の心血を注いだ古生物博物館がオープンしました。
  

僕としてはLiaoningotitan(投稿中だそうな)が見られたので満足です。


計測したわけではありませんが、首が長い、上顎歯が大きい(幅が広い)、大腿骨に比べて前肢と脛骨が短い、上腕骨の近位端が幅広い、第1中手骨が第2~4に比べて短い、というような特徴が気になりました。

正確には、いずれ公表される論文を読んでみないとわかりませんが。

他には、マメンチに関わるちょっとした話を聞けたのが収穫でした。

突然のプレゼント

2011-03-23 18:28:06 | 地科ネタ
研究棟の、いつもは閉まってる空き部屋に電気がついてたので、ふとのぞいてみたら、マメンチサウルスの標本が並べられていた。

主任によると、来週、標本管理担当者が出張から戻り次第、観察を始めていいとのこと。

おほほ~ 半分あきらめかけていたのだが、言ってみるもんだね~。


小さいころ、自分への誕生日プレゼントが用意されてるのを発見した時のような、何とも言えず嬉しい気分になった。

思わずにやけてしまうね。

期待にこたえられるよう、心して観察にあたらねば。

明日、急遽プレゼン

2011-03-10 20:05:12 | 地科ネタ
なんかいきなり、明日の午前中に、以前提出した研究計画のプレゼンをすることになった。

う~む、マメンチサウルスからは離れようかと画策していたところだったのだが…

あのパワポは、マメンチの標本観察させてくれという要求を前面に押し出した作りなのです。


研究部主任は、科研費のテーマは古竜脚類でもいいと言ってたけど、明日までにはパワポを作りきれない。

明日のプレゼンの内容がそのまま科研費のテーマになるわけではないらしいので、マメンチで行ってみようと思います。

もしかしたら観察OKになるかもしれんし。

諸城いってきました

2010-12-06 21:23:26 | 地科ネタ
【往路】
まずは成都空港へ高速バスで向かう。朝から濃霧のため高速が閉鎖され、料金所の手前で2時間半ほど立ち往生。

成都に着いたのは午後2時。飛行機は3時半発だったのでセーフでした。

この時期は霧が本当に濃いので、午前中の便は念のため前泊するそうな。


青島空港から諸城へは高速で1時間半ほどです。

空港周辺は再開発中で、しょっちゅう道が変わるそうな。

迎えに来てくれた運転手さんも途中で道を間違えていた。


【野外考察】
こんな化石密度の露頭が200mくらい続いている。
 
驚異的です。

道の下にもだいぶ埋まってるんじゃなかろうか。もったいない。

乾燥した風が吹き付けていた。はやく屋根を作らないと、どんどん風化していくよ。



遠目には天文台かと思いきや屋根だけで、中にはバラバラの骨が散らばっている。


光の加減で見づらい写真ですみません。滞在時間が10分しかなく、下に降りる余裕はありませんでした。

ティラノサウルス類が多く含まれてるんだそうな。

いつも思うが、この手のバラバラ露頭は同一固体を探すのが大変そうだ。


足跡化石露頭


竜脚類のも2匹分あった。
 

白亜紀の中国ならTitanosauriformesかね。ガニまた歩行が特徴だっけか。そんなに広くなさそうにみえるけど、こんなもんなんだろうか。

Lockleyに聞いてみたら、保存が悪くて判定できないそうな。

中国の白亜系としては初の、亀の足跡が残ってるそうな。僕は見つけられませんでした。
(Lockleyの発表より)

化石クリーニング・レプリカ製作工房
 
やっぱりこういう施設が必要になるよね。

大腿骨がいっぱい並んでる。個体差の統計に使えないかな。


ここら一帯を恐竜公園にする計画だそうな。


以前ドン先生が、「山東省にも禄豊みたいな恐竜公園を作るんだ」と言ってたけど、ここのことだったのだろうか。

諸城はIVPPの徐星・周忠和が主になってるみたいで、禄豊のようにドン先生が顧問をするわけではなさそうだ。

世代交代ですな。


【シンポジウム】

招待講演は以下の各位。敬称略、順不同
Martin Lockley
Liu Yongqing
Phillip Manning
Paul Sereno
Paul Barrett
Mark Norell
David Eberth
Xu Xing

私の発表は、時間の都合と、テーマが合わないとのことでキャンセルされてしまいました。

Liu先生のお弟子さん(修士2年)も発表するつもりだったけど、キャンセルされたそうな。そのぶん招待講演が10分ずつ長くなったそうな。

だったら冬の日本古生物学会に応募しておけばよかった。


最後は「円卓会議」

恐竜公園建設と、諸城恐竜動物群の重要性について、欧米の各位から忌憚ない意見が出されました。

僕も一応発言を考えてはいたのですが、タイミングを逃してしまいました。

悔しいのう。。

諸城市の市長さんも先頭に立って、「全面的にバックアップしていく」と熱弁していました。

いいな~。予算つき放題ですな。



【復路】
シンポジウム終了後、青島までPaul Barrettさんと一緒の車でした。

お疲れなのかなと思ってあんまり話さなかったけど、いま思うと聞きたいことはたくさんあったし、ご高名な先生を独り占めできるチャンスだったのに、惜しいことをした。

もっとおしゃべりになりたい。



成都から自貢へ戻る高速バスの中で、抗日戦争の半コメディ映画が上映されていて、生きた心地がしなかった。

となりの席のお嬢さんがミカンを分けてくれて、「どこから来たの?」とか聞かれたけど、東北地方ってことにして、あとは4時間ひたすら寝たふり。

惜しいことをした。

なんだかいろいろ、悔いが残ってしまう旅行でした。



バスに乗るとき厚着するのを忘れてて、風邪ひいた。

熱はないけど鼻水が止まらなくて、口呼吸で寝たらのどが痛い。


【おまけ】
チンタオ空港の味千ラーメン+チーズつくね+チンタオビール


つくねがジューシーで美味しかった。上に乗ってるのはチーズというよりはマヨネーズではなかろうか。

久しぶりに日本っぽい味のとんこつラーメンだった。

メニューにはアサヒビールも書いてあったけど、注文しようとしたら「無い」と言われた。

市内の食堂では5元のチンタオビールが、空港では20元になります。

諸城学術会議

2010-11-18 21:09:11 | 地科ネタ
昼食後に館長から、「口頭発表できるネタはあるか?」と唐突に聞かれた。

2週間後、山東省诸城で国際シンポジウムがあるから、発表できるなら連れてってやるぞ、とのことでした。

诸城といえば恐竜博物館。ぜひ行きたい!
http://baike.baidu.com/view/2565759.htm

D論から抜粋して、マメンチサウルス類の系統分析でいいとのことでした。

標本観察のためのプレゼンとほぼ同じ内容でいけそうだ。うっしっし

ドイツより来客あり(動画つき)

2010-11-11 21:41:40 | 地科ネタ
恐竜公園の偉いさんで、ロボットを注文したいそうな。

当館付属のレプリカ製作工房へご案内する。


僕も行くのは初めてでしたが。

こんくらいの大きさで4万元(≒50万円)


外装はスポンジに電熱コテで皮膚を刻んでいく。
  

さらにストッキングを重ね貼りして、塗装するそうな。

中身はこんな感じ。


モーターが少ないので動きは単調です。


ご注文は当ブログにても請け賜ります。お気軽にメールください。

就職/中国大使館/恐竜展

2010-08-19 16:33:12 | 地科ネタ
どこかで公表したかもしれませんが、今後は四川省の自貢恐竜博物館で研究員をさせて頂けることになりました。

とりあえず期間は3年で、その後のことは、またそのとき相談しましょう、とのことでした。


今は就労ビザ取得の準備を進めています。

一番楽なのは、日本で旅行ビザを取って中国に行き、現地の外事処で就労ビザに切り替える方法だったのですが、先方の博物館曰くこれができないらしい。

なので日本で就労ビザの申請をしなければならないのですが、その際、帰国前に中国で受けた健康診断が使えるかどうか、港区麻布の中国大使館に行って聞いてきました。

これが使えないとなると、日本の病院でまた受けなければならず、その費用が約2万6千円。痛い。保健がきかないからだそうな。

大使館のサイトに載ってたアドレスにメールで質問しても返事がなく、何度電話しても出ないので、仕方なく窓口へ直接出向いたわけです。


領事部の受付のお姉さん曰く、中国の検診でたぶん大丈夫だろうとのことでした。実際の判断は審査官によるから、申請してみないとわからないらしい。

後日、申請に必要な書類が中国から届き次第、申請してみます。幸運を祈る。


個人で申請した先輩から、書類に不備があると困るから旅行代理店に依頼するよう窓口で文句を言われたと聞いていたのですが、別に個人で申請してもいいみたいです。

代理店に頼むと、また手数料が数万円かかったりして、もったいない。

そんなに複雑な書類でもなさそうだったから、個人で申請してみようと思います。


帰りに、六本木の恐竜展を見てきました。大使館から歩いて10分程度。意外と近かった。

展示品はアルゼンチンの三畳系に的をしぼり、恐竜以外の脊椎動物にもスポットを当てていて、面白かった。

あんまり広げすぎても、どこにでもある恐竜博になっちゃうだろうから。

音声解説機というものを初めてレンタルしてみたが、展示標本のどこに注目すべきかが簡潔にまとめられていて、テンポよく回ることができた。


ただ、ずっと三畳紀の展示が続いてたのに、最後はいきなり白亜紀末の隕石衝突で締めくくられていて、なんだか唐突すぎる感じがした。

恐竜展のラストとしては欠かせないのかもしれないし、ドラマチックに盛り上げやすいのだろうが、ありきたりな結末で興醒めだった。

あえて絶滅は語らず、恐竜が多様化し繁栄していく礎がアルゼンチンにあった点を強調して締めても、個性的で面白いかもしれない。


自分ならどんな恐竜展を企画するだろうか。古竜脚類がテーマでも、お客さんがたくさん入るような展示って、どんなんだろう。

夏旅

2010-08-18 13:06:58 | 地科ネタ
だいぶ前のことになりますが、7月31日から8月5日まで、大阪・熊本・兵庫を巡ってきましたので、その旅程を書こうかなと思います。

7月31日
朝、福井から特急で大阪へ。(前日まで勝山の発掘に調査員として参加させて頂いていました。)

昼食にタコ焼きを食べ、大阪市立自然史博物館へ。
 

ちょうどT先生がメタセコイア見学会を開いておられたので、参加させて頂く。今年は三木博士がメタセコイアを発見してから70周年だそうな。


メタセコイアは他のスギと異なり、葉が対性(向かい合う)で、球果の鱗片も十字に並ぶそうな。
  
メタセコイア  ナンヨウスギ

夜はお好み焼き。やっとありつけた。


夜行バスで熊本へ。


8月1日
市バスで御船町恐竜博物館へ。

竜脚類は見つかってないらしい。なんでかな~?


夜はI先生に熊本の郷土料理とおいしい焼酎をご馳走になる。

右から、馬刺し・カラシ蓮根・一文字なんとか
料理はこの他にもいろいろ食べさせてもらいましたよ~。

小学生と博物館に泊まる「パレオキャンプ」の直後だったそうで、疲労困憊の所にお邪魔してしまった。

熊本市内のホテル泊。焼酎飲みすぎて寝坊して、温泉に入りそびれた。

8月2日
電車とフェリーを乗り継いで御所浦島の白亜紀資料館へ。

港町って久しぶりかも。大連でちょっと歩いたくらい。

海のない所で暮らしてたからか、水平線を眺めてると意識が遠のいてボーッとしてしまう。


昼飯は近所の和食屋で「刺身・アラ煮定食」(1,500円)アラ煮はよく味がしみてて柔らかくて美味しかったが、骨が多くて食べにくい。


午後はU先生のご配慮で化石試料をじっくり観察させて頂いた。

やっぱり気になるのは竜脚類。歯とスネの骨が出てるらしい。後者は鳥盤類かもしれないとか。骨端が損なわれてて、よくわからなかった。

部分的な骨からもわかるようにならなきゃいけないんだろうけどな~。

夜はアルバイトに来てる学生さんの宿舎に間借りさせてもらった(無料)。

イノシシの焼き肉。獲ってから30分以内にさばかないと身が臭くなってしまうらしい。脂がうまいが肉はちょっと固い。


8月3日
ちょうどその学生さん(八木君)がガイドしてくれる、島一周クルージングの日だったので参加させてもらう。


有名な大露頭は採石会社が作業中で、船の上から眺めるのみ。それでもかなりの迫力だった。まだまだ化石が眠ってるんだろうか。


午後の船で熊本へ戻り、夜行バスで兵庫県三宮へ。


8月4日
電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、兵庫県立人と自然の博物館にたどり着きました。

神戸電鉄に乗ってる時は、どんだけ山奥に博物館作ったのかとハラハラしてましたが、ひと山越えたってことだった。

10時にS先生とお会いするお約束を頂いていたので、クリーニング済みの標本を見学させて頂く。

なかなか変わった竜脚類でおもしろかった。少なくとも中国では見たことない。新種の記載が待たれますな。

出張前日のお忙しい時分に押し掛けてしまったにもかかわらず、分類の基準や研究手法について、ほぼ一日中お話を聞かせて頂けた。

夜行バスで東京へ。

8月5日
新宿でバスを降り、無事に実家へ帰り着きました。

関西方面はほとんど行ったことがなく、いろんな博物館の先生方にもお会いすることができて、各地で美味いものも食べて、有意義な旅でしたとさ。

文献サイトからのお知らせ

2010-01-28 18:22:11 | 地科ネタ
電子文献サイトから、「あなたの登録してた“古竜脚類”というキーワードにあてはまる論文がありましたよ」とメールが来た。

うむ、ご苦労。

さっそく見てみると、「雲南省からルーフェンゴサウルスの幼体…」って見覚えのあるタイトルが。

自分のじゃん!


おかげ様で、無事に出版されたようです。

ていうかActa Geologica SinicaってWileyから出してたのね。

恥ずかしながら、知りませんでした。

お手数ですが、ご参照頂ければ幸いです。
http://www3.interscience.wiley.com/cgi-bin/abstract/123264184/ABSTRACT