Sekky's FLOG

福井県立恐竜博物館で研究職員をしている関谷と申します。
仕事の内容はあまり書けませんが、コメントを頂けると嬉しいです。

福井、落ちました

2009-11-13 22:48:41 | 地科ネタ
まいったなー

初めて自分のほっぺ、つねったよ

夢ではないらしい。


少しでも勉強するか、と中国語の文献を手に取って見た瞬間、「俺、何のために中国まで来たんだろう」と虚しさと脱力感で放り投げてしまった。

そんな心境になる自分に驚きだ。

中国にも失礼だ。何も悪くないのに。


なんか論文も手につかなくて、今日はずっと篤姫(大河ドラマ)見てました。

演技として随一は家定だね~。引き込まれる。
堺雅人って人なのか。受賞暦すごいな。

長塚京三の父親役も良かった。


と、現実逃避はひと段落して、気持ちの整理がつきました。

先のことを考えねば。

ひとまずは学位をちゃんと取ることですね。4月就職がなくなったとなると、前倒し卒業にこだわる必要もないのか。


また就職活動始めなきゃな~。日本はツテ無いし、北京かな。

ちゃんとした職に就いて、親を安心させてやりたかったんだけどな~。

修行が足りなかったようです。


***

2012年5月13日 ちょっと加筆

帰国/南京/SVP

2009-10-10 10:44:14 | 地科ネタ
明日から18日まで、某博物館の面接のため帰国します。

SPIって何それ?おいしいの?

(S)最期は (P)パンツで (I)イチゴ狩り?
(S)証拠に (P)ピンクな (I)イチゴ狩り?
(S)すっかり (P)プリンを (I)イチゴ狩り?
(S)セバスチャン (P)ペナルティで (I)イチゴ狩り?



他の院生は同日程で南京の中国古生物学会80周年記念大会に行くらしい。

連れて行ってもらえることを昨夜突然SG先生から告知され、列車の切符手配に四苦八苦している。

出発の3日前って…。連れて行く気があるなら、もう少し早く伝えてあげればいいのに。忙し過ぎてそこまで頭が回らないということだろうか。

いいな~。いいな~。南京、行ったことない。

中国の研究者といっぺんにお知り合いになれるじゃん。

でもまあ、どっちを取るかと言われれば面接だわな。



SVPとドイツの写真をMixiのフォトアルバムに入れてみました。

こっちのブログにも導入する方法がないか検討中。

コメントつけてたら旅行記みたいになったから、もう日記に書かなくてもいいかな~と思ったり思わなかったり。

SVPいってきました

2009-10-05 22:41:21 | 地科ネタ

なんかもう、初めてのことばかりで何から話したらいいものやら。

ともかくいろんな人に会って、化石に触れて、いろんな刺激を受けてきました。


とりあえず、今日の午後、無事に吉林大学へ帰り着きましたというご報告まで。

なんだろう、北京空港に着いた時の、このホーム感。


頭がまとまったら、そのうち日記に書きます。

朝陽シンポ終了

2009-09-15 18:49:50 | 地科ネタ
朝陽のシンポジウムが終わり、長春へ戻りました。

なんともドタバタなシンポだった。

見切り発車どころか、見切れてもいないのに無理やり走り出してしまった感じだろうか。

朝陽のスタッフも、こんな数百人規模の国際シンポジウムに慣れていなかったんだろうなー。

結局瀋陽師範大の事務方が現場を仕切らされて、「私達の仕事じゃないのに…」と辟易していた。たしかにプログラムを見ると共催にすら入ってない。

中国人って他人の仕事を手伝わされることをすごく嫌がるように見える。そしてその仕事の出来も雑になる。

吉林大学の院生は事務局を手伝うことになったのですが、大雑把な日程表を渡されただけで具体的な打ち合わせもなく、必要に応じてその都度指示が飛ぶという行き当たりばったりさでした。


出席者も突然プレゼンを割愛されたり、直前になってオーラルからポスターに変更させられた先生方もおられた。

開会から3週間前のオファーってのがそもそも無茶なんだよ。

SG先生も今後はあまり差し迫ったスケジュールでお受けにならない方が良いのではないかと思われる。

招待される先生方に多大なご不便がかかるし、事務局は疲弊するし、学生は振り回されて不満タラタラ。

いいことないもん。

朝陽に対してだって、あまりいい印象は残らないんじゃないかな


とまあ、こんなことはSG先生に直接言えるわけはないので、こんなところで愚痴をこぼさせて頂いてるわけです。

僕としては恩師にお目にかかれた他、いろんな国のご高名な先生方と知り合えたので、得るものは大きかったわけですが。

手伝いに走り回っていてまともに講演を聴けなかったのが残念でした。


気がかりなのは、外国からの来賓の中に、帰りのEチケットのコピーをお返ししてない人達がいること。

僕が何度か「空港でコピーの提示を求められることがある」と進言しても、中国人の事務方は「パスポートを見せれば乗れる」の一点張りだったけど、大丈夫なのだろうか。

僕たち吉大の院生はSG先生の指示で先に長春へ帰らされたので、空港まで送るのは師範大の仕事になりました。

空港で不都合が生じても事務局がなんとかするしかないのでしょう。

今度会ったら、どうなったか聞いてみようと思います。

シンポジウム準備

2009-09-10 08:11:46 | 地科ネタ
お久しぶりです。SG先生のシンポジウムの手伝いで、遼寧省瀋陽に来ています。

日本の先生方も出席されるから、空港への出迎え要員兼通訳です。


D論、書けてないのに。SVPのポスター出来てないのに。

あぁ~…


でもSG先生には散々お世話になったから、このくらいは役に立って恩返しせねば。

ノートパソコン持ってきて、空き時間にホテルの部屋で論文書いてます。


22時半に瀋陽到着の方がいて、会場の朝陽市までお連れすると日付が変わる。

院生仲間から、「今回一番大変なのはおまえだな」と同情されました。


でもお世話になってるから、このくらいは役に立って恩返しせねば。

参加者が首にかけるネームプレートも、1個1個手作りしました。

プレゼン終わりました

2009-05-26 23:01:30 | 地科ネタ

プレゼンは合格だそうです。

疲れた~。発表中の緊張と高揚感が残ったまま、無事に終えられたという安堵がこみ上げてきて、変なテンションです。


僕の言わんとしている事は伝わったものの、専門が違うのでコメントしづらいと言われてしまった。

これといって致命的な欠陥は指摘されなかったのですが、我ながらまだまだ突っ込み所は満載だと思うのですが。

それでもいくつか痛い点を指摘されたので、引き続き調べて解決しなければなりません。

恐竜の専門家に見せたら、また色々直さなければならないのでしょう。


質疑応答では、発表の内容よりも、僕が中国に来てからの振舞いで話が盛り上がってました。

あ、別に問題行動という意味ではなくて、単身で異文化の中に飛び込んで、よく頑張ってると。

そう言ってもらえると、いろいろ苦労してきたこともいい経験だったのかなと思えます。

いちいち憶えてないけどな!


パワポの直しから発表中の言葉遣いまで、院生さん達とSG先生には大変お世話になったので、何とか恩返しをしたいものです。

院生に「お礼にメシでもご馳走したいんだけど」と言ったのですが、「そんな気を使わんでいい。当然のことをしたまでだ」と遠慮されてしまいました。

それでも強引に奢るのが中国式なんだろうか。

無理強いしても迷惑かなと手を引いてしまう辺り、まだ完全には溶け込めていないのかなと感じます。


話は変わりますが、上の妹が今日誕生日。

おめでと~

研究計画プレゼン

2009-05-24 14:11:12 | 地科ネタ

火曜日に博士論文の研究計画をプレゼンすることになりました。

中国人の先生方を前に、30分くらい中国語で話すことになります。あと質疑応答が30分くらい。

留学ビザの期限はあと1年なので、このプレゼンはなるべく早く済ませておきたいと思ってたけど、いきなり3日後って、そんな、急な。心の準備が。

目前に迫ると、ちょっと足がすくむ感じです。


多少失敗しても落とされるわけではないのですが、やるからにはドン先生とSG先生に恥をかかせるわけにはいかない。

パワーポイントと配布資料はほぼ出来上がって、発表の練習などしております。

発表中に、僕の言いたいことが伝わってるのか確認しながら話せれば、だいぶやりやすいのだけど。

僕が興味があって研究してることが、皆様にも面白いと思ってもらえれば幸いです。


頑張った自分へのご褒美には、妹が持たせてくれたスパゲッティ・カルボナーラを。



あと、話は変わりますが、高校時代の卓球部の同期が今日挙式だそうです。
おめでとー末永くお幸せに~

この場を借りて。

タイ発掘

2008-11-17 21:48:08 | 地科ネタ


ご無沙汰をいたしております。

遅れていた梅雨も上がり、日中は30℃くらいまで上がって、かなり日に焼けました。

例年より湿度が高く、汗ばむような陽気です。


紅い礫岩層を割って、化石を探す日々です。

だいたい発掘のパターンが出来あがったので、僕の気持ちは緩み気味です。

あと約1ヶ月、怪我しないようにやれればと思っております。


写真は昼飯のえびチャーハン(25バーツ≒75円)。アングル工夫してみましたがどうでしょう?

びっくりドンキー

2008-08-03 22:54:25 | 地科ネタ
今朝、朝飯を食べに食堂に降りてみたら、見覚えのある大柄なお爺さんが山盛りのバイキング料理に臨んでいました。

ドン老師ーーー!!

な、な、なんであなたがここに!?

以前「夏に雲南へ行くと思う」と言っておきながら行けなくなったにも関わらず、連絡してなかった不義理が悔やまれる。

何はともあれご挨拶すると、開口一番で「いつ雲南へ来るんだ?」と返されました。

言うと思った!絶対言うと思った!

すいませェん、8月は行けなくなりましたァ。


中国古生物学会・古植物学分会の開幕式では壇上にこそ座らなかったものの、来賓紹介の取りで特別ゲストっぽく紹介されてました。

やっぱ依然として偉い人なんだな~と、こういう時はしみじみ思う。

普段はそれを感じさせないお人柄なのです。


専門と違う学会発表はさすがに居辛くなったと見えて、午後は遼寧産の恐竜化石を見に行ってしまいました。

晩餐会に戻られてからも始終ご機嫌でした。何か掘り出し物が見付かったのかな?


~追記~

晩餐会のテーブルで隣の席になった、北京大を卒業したばかりの坊やが、ジュースしか飲まないわ、先生方とロクに話もしないわ、始終下を向いて携帯をいじってるわで呆れました。

話しかければ答えてくれますが、そこから話を広げてくれるわけでもない。

酒が飲めないなら仕方ないと思いますが、そういうわけでもないと言うからタチが悪い。

来たくて来たわけではないかもしれないけど、せっかくその場に居合わせたのだから、楽しまなくちゃ損だと思うんですがね。

ご臨席の先生方に「あんた達と飲んでも楽しくない」と言ってるようなものだとしたら、すごく失礼なことだと思うんですがね。

今まで机に向かう勉強しかしてこなかったのかな~?そんなんじゃ出世できないよ?

あるいは親類に突然不幸があったとか?だとしたらお悔やみ申し上げます。

学会@瀋陽

2008-08-03 00:04:51 | 地科ネタ
学会で沈陽に来ております。

どの程度の規模なのかなと思っていたら、ホテルに「熱烈歓迎中国古生物学会・古植物学分会」なる、たいそうな垂れ幕が掲げられていました。

名簿上の参加者は100人弱。これって多いのか?雲南とか南京の人もいるので、一応全国規模のはず。

恐竜がどんな植物を食べてたのかを研究してる人はいないようですが、ジュラ紀の雲南の植物相に詳しそうな人を見つけて聞いてみようかなと思っています。

山西省発掘

2008-05-19 23:20:27 | 地科ネタ


はい、どーも。こんばんわ。

天津を経由して、山西省に来ております。

天津の狗不理包子(ゴウブリ・バオズ)美味かった~。皮はモチモチしてて肉汁が多くて、久しぶりに「もう一度食べたい」と思える料理でした。

たぶん皮を強力粉で作ってるんだと思う。スポンジと言うよりは麺類に近い食感だった。

死んだ入間のおばあちゃんが作る饅頭に似てました。

列車が天津駅に着いたのが朝8時過ぎで、そこから適当に南西に30分ほど歩いて、腹が減った時に近くにあったチェーン店に入ったのですが、店主は気さくな親父さんでトウモロコシ粥をオマケしてくれました。

10個で6元。長春並みの価格。満腹。

酢をつけて食べるのが一般的のようです。

机のわきに、ちょっとバッチイ感じの酢のビンが置いてあったので使ってみたところ、案の定(?)軽く腹を壊しました。


あとは天津自然博物館に行ってみました。

恐竜の展示は中国産のレプリカが10体ほど、その真ん中になぜか新生代のマンモスが据えられていました。

水中トンネルの上をサメと海ガメが泳いでたりして、なかなか面白かった。

あとプールで人懐っこいラッコが泳いでいました。


山西省では北部の白亜紀やジュラ紀の地層を掘っております。

雲南でだいぶ鍛えられたのか、ここの化石が見分けやすいのか、意外とたくさん見付けられて自分でも驚いています。

あと3日ほどは発掘することになりそうなので、できるかぎり貢献できるよう頑張る所存であります。


今日は午後2時28分に中国人研究者と一緒に黙祷を捧げました。

今も瓦礫の下で苦しんでる人がいるんだろうなとか、救援活動を続けてる人たちがいるということに思いを馳せた3分間でした。

自分が健康で好き勝手やってられるのは幸せなことです。

「黙祷しよう」と言われるまでは正直他人事としか感じていなかった自分に気が付きましたとさ。

新疆恐竜足跡化石

2008-04-18 20:40:07 | 地科ネタ

たまには恐竜のことも書かないと。というより吉林大学とドイツの共同発掘の成果なので、宣伝です。

ていうか1週間前に中国国内でもYahooニュースでも流れてたんですね。知らんかったな。お好み焼き作ってる場合じゃなかった。

 

文献は、こちら→Wings, Schellforn, Heinrich et al., 2007. The first dinosaur tracksite from Xinjiang, NW China (Middle Jurassic Sanjianfang Formation, Turpan Basin) -a preliminary report. Global Geology 10 (2); 113-129

吉林大学とドイツの共同研究の中で、新疆ウィグル自治区の中期ジュラ紀の地層から、密集した恐竜の足跡化石が見付かったと。

足跡の露頭が発見されたのは去年の9月頃だそうで、ちょうど新疆でシンポジウムが開かれていた時ですね。僕も一緒に行ってたのに、何も聞かされていなかった。仲間のようで仲間でないとか?怖いなぁ。

筆頭著者はチュービンゲン大学のOliver WINGSさんですね。新疆でお会いした時はいつも砂丘の上に登っておられました。

Global Geoloyというのは、吉林大学古生物与地層学研究中心が出してる学術雑誌(季刊)です。中国語版と英文版があり、今回のはその英文版に発表されました。

 2007年の10月号がなぜ今ごろ出るのか不思議ですが、なんとなく聞かないほうが良さそうな予感がするのでやめておきます。

今日の午前中にSG先生主催のミーティングがあって、嬉しそうに報告されていました。このように、研究所の名前を広く認知してもらえるようにもっと頑張れと。

先生に確認したところ、まだPDF化はされてないそうです。ミーティングの中で、急げと指示しておられました。

 

アブストをざっと見るとこんな感じですかね。

3本指の足跡155個が、ランダムに散らばっている。なかにはpad(肉球?)まで鮮明に残っているものもある。

比較的大きくて肉球の広いもの(ChangpeipusMegalosauripusに似る)と、やや小さくて華奢なもの(GrallatorEubrontesAnchisauriousに似る)の2タイプに大別できる。いずれのタイプも第3指が最も長い。

滑ったような引っかき傷を持つ足跡が1つある。

 

トルファン盆地の中部ジュラ系から産出した初の脊椎動物の証拠であり、新疆から初めて足跡化石を発見したというあたりが重要かなと。

滑った跡についていくつか仮説を巡らせていました。

種の分類までは進んでないそうな。歩行様式なんかもまだ研究中ですかね。


お泊まり/のだめ

2008-01-12 08:41:58 | 地科ネタ


こちらの研究室に、初めて泊まりました。

原則的には夜10時には退出しなければならないようなのですが、仕事がはかどってて中断したくなかったのと、いつも泊まってる先輩がいなかったので、どんな感じなのかためしに泊まってみました。

部屋の隅に汚い布団が一組置いてあります。干してるところを見たことがない。

守衛さんに今日は帰らないことを告げたら、電気がついてると怒られるらしく、卓上ライト以外は消せと言われました。

へー、そうなんだ。できれば明るい方が良かったけど、決まりなら仕方ない。

守衛さんも寝てしまうので(←どうかと思うぞ、それ)、朝5時まで外出はできません。

院生部屋は10×15mくらいの広さで、ふだんは周りの院生がガヤガヤとうるさいのですが、夜は誰もおらず静まり返っています。

やはり静かだと集中できて良い。早稲田にいた頃を思い出しました。


それでも日付が変わる頃になると仕事がひと段落し、集中力が途切れてしまいました。

ネットを見てたら、正月に「のだめカンタービレ」のヨーロッパ編が放送されたそうで。

そういえば引き出しにドラマ版のDVDが眠っている。

気分転換、気分転換。


玉木宏は演技くさくて醒めるけど、上野樹里には見入ってしまう。

身につまされたのは、シュトレーゼマンが協奏曲の直前に千秋に言った言葉。

「大事なこ~とは、君がこの曲とど~れだけ真剣に向き合った~かというこ~とデ~ス」

俺はこの標本とどれだけ真剣に向き合っただろうか。

この論文の意義をどれだけ理解しているだろうか

「半端~は、ワタシ~は許し~ません」

師匠…



汚い布団じゃ気持ちよく寝られないし、生活のリズムも崩れる。

結論;泊まるべきではない。

EndNote/SG lecture

2008-01-07 16:43:57 | 地科ネタ
遅ればせながらEndNoteを入手したので、使い方を勉強しております。

バージョンはX1。入手経路は聞かないでください。

マニュアルを見ながら、PubMedの文献をインポートしたり、Word文書に引用文献を挿入してみたりしています。

文献リストも作成してくれるとは、すっげぇ便利ね。

フィルタの更新も自動でやってくれると、もっといい子なんだけど。

Excelで作ってた今までのリストをうまくインポートできず、四苦八苦しています。



午前中、孫革先生の授業(2回目)がありました。今回は本格的に古植物学にどっぷり漬かったお話。

古植物の分類をおさらいし、古生代から新生代までの進化史を辿って頂きました。

国内外の古植物学の発展史にも触れられていました。

中国古植物学会の歴年集合写真を見せながら、誰が誰の弟子で、どういう方面の研究をして、どこで所長をやってるとか、そういう話。

「この人の弟子がこの人で、その弟子が誰某。そのまた弟子が私だから、キミ達はその私の弟子というわけだ」とかね。

すでに退職されたり亡くなってる先生方も多々おられました。

国際古植物会議の1930年と1980年の写真を上下に並べた写真は圧巻だった。

たぶん植物専攻だったら、知ってる名前が多くてもっと面白いんだろうな。

余談ですが、中国における、恐竜を含む動物群の時代と地理分布を総括してみようかなと思い立ちました。日本と対比できたら面白いかなと。



午後は世界地質の最後の授業に出てきました。前回言われてた日程から変更になって、今日の午後だったのです。

今日だけで合計4時間、中国語での授業に出ている。ヘトヘトです。

30%ほどしか聞き取れてないけど、一人で教科書を読んでるよりは勉強になったと感じるのはなぜでしょう?

先生の機嫌が悪く、お説教から始まりました。

「原稿を読むのではなく、講義をしろ」と。「自分を鍛える貴重な機会をもらったと思え」と。

環太平洋造山帯についての発表中に、日本の地質構造に話が及んだので、「ここはキミに話してもらおうか」と振られたのですが、そこまでの準備していなかったので「無理です」と辞退しました。

う~む、予想できないことではなかった。貴重な機会を逃してしまったな…。

もともとの目的であった、タイ発掘のレポートはすんなり受理してもらえました。

奮発してカラー印刷。白黒の10倍もするんですよ(白黒0.3元、カラー3元)。露頭の写真も載せたので、白黒じゃわかりにくかったのです。



そんなこんなで、なかなか密度の濃い一日でした。

孫革先生の授業

2007-12-28 16:05:22 | 地科ネタ
今日、午前9時から11時半まで、孫革先生の授業がありました。入学して2年3ヶ月たちますが、初めてのことです。

といっても正式に科目登録するような授業ではなく、「年に1,2回はやらなきゃいけないから」という、思い付きに近い形のインフォーマルなものでした。

参加者は研究員、院生、秘書さん、通訳事務方という面々。

通知されたのは2日前で、テーマを聞きそびれたため何も予習せずに臨みました。

『地学事典』の付図付表がコンパクトでお手頃なことに最近気付いたので、一応それとノートと電子辞書は持って行きました。


題目は「地史時期の生命進化 Evolution of organism in geological time」という壮大なものでした。

当然一回で語り終えるつもりはなく、年明けにもあと2,3回行われるそうです。

地球の成り立ちから始まり、先カンブリア時代の生命の起源、古生代の生物の多様化と話が進みました。

古植物学の入門的なことを話したところで「今日はここまで」とお開きになりました。

最後に「何か質問はあるか?」と振られ、カンブリア紀のような大規模な多様化は現在でも起こりうるのか疑問だったけど、孫革先生の専門外かなと躊躇してたらスルーされてしまいました。

今度機会があったら聞いてみよう。


今日の主なテーマはエディアカラとバージェスにおける生命の爆発的多様化と、古植物の分類と諸特徴。

でもそれを話してる時よりも、脱線して「楊鐘建と斯何某は李四光の弟子。斯は南京古生物研究所を引き継ぎ、楊は北京にIVPPを創った」というような昔話をしてる時の方が、生き生きと語られていたような気がする。

それにまつわる歴代の大先生の名前と経歴が立て続けに出て来た時は、生命の起源よりむしろそっちの話を詳しく聞きたいと思ったくらいでした。

「陳何某が雲南省の澄江動物群を提唱したけど、実は化石を見付けたのは学生だった」とか、「李何某は父が趣味で採取した化石で学位を取った」とか。

政治力のある人の所にはいろんな逸話が集まるんだろうな。普段は忙しくされていて話す機会があまりないけど、面白い話をたくさんご存知なのでしょう。

浙江の老酒でも酌み交わしながら聞いてみたいものです。僕の留学期間中にはおそらく無理でしょうが。

『中国古生物学界逸話集』

売れるかな?