たまには恐竜のことも書かないと。というより吉林大学とドイツの共同発掘の成果なので、宣伝です。
ていうか1週間前に中国国内でもYahooニュースでも流れてたんですね。知らんかったな。お好み焼き作ってる場合じゃなかった。
文献は、こちら→Wings, Schellforn, Heinrich et al., 2007. The first dinosaur tracksite from Xinjiang, NW China (Middle Jurassic Sanjianfang Formation, Turpan Basin) -a preliminary report. Global Geology 10 (2); 113-129
吉林大学とドイツの共同研究の中で、新疆ウィグル自治区の中期ジュラ紀の地層から、密集した恐竜の足跡化石が見付かったと。
足跡の露頭が発見されたのは去年の9月頃だそうで、ちょうど新疆でシンポジウムが開かれていた時ですね。僕も一緒に行ってたのに、何も聞かされていなかった。仲間のようで仲間でないとか?怖いなぁ。
筆頭著者はチュービンゲン大学のOliver WINGSさんですね。新疆でお会いした時はいつも砂丘の上に登っておられました。
Global Geoloyというのは、吉林大学古生物与地層学研究中心が出してる学術雑誌(季刊)です。中国語版と英文版があり、今回のはその英文版に発表されました。
2007年の10月号がなぜ今ごろ出るのか不思議ですが、なんとなく聞かないほうが良さそうな予感がするのでやめておきます。
今日の午前中にSG先生主催のミーティングがあって、嬉しそうに報告されていました。このように、研究所の名前を広く認知してもらえるようにもっと頑張れと。
先生に確認したところ、まだPDF化はされてないそうです。ミーティングの中で、急げと指示しておられました。
アブストをざっと見るとこんな感じですかね。
3本指の足跡155個が、ランダムに散らばっている。なかにはpad(肉球?)まで鮮明に残っているものもある。
比較的大きくて肉球の広いもの(Changpeipus、Megalosauripusに似る)と、やや小さくて華奢なもの(Grallator、Eubrontes、Anchisauriousに似る)の2タイプに大別できる。いずれのタイプも第3指が最も長い。
滑ったような引っかき傷を持つ足跡が1つある。
トルファン盆地の中部ジュラ系から産出した初の脊椎動物の証拠であり、新疆から初めて足跡化石を発見したというあたりが重要かなと。
滑った跡についていくつか仮説を巡らせていました。
種の分類までは進んでないそうな。歩行様式なんかもまだ研究中ですかね。