シンガポールといえば、どんなイメージでしょう。アジア有数の金融街、日本から手軽に行ける人気の観光地で、音楽の好きな人ならディック・リー、本の好きな人なら村上 龍の「ラッフルズホテル」を思いだすのかも知れません。観光地としては4日~5日で過不足なく楽しめ、日本からも遠くないことから人気のようです。
リピーターを獲得するために2008年に世界最大の観覧車「シンガポール・フライヤー」、2010年に「ユニバーサル・スタジオ・シンガポール」と巨大カジノリゾート施設「マリーナベイ・サンズ」、2012年に「ガーデンズバイザベイ」、と観光客向けの施設も次々にオープンしています。ロンドン、パリ、バンコクに次いで、世界で4番目に外国人旅行者が多く訪れる都市なのだそうです。
ただ、シンガポールのシンボルとも言える「マーライオン」は、デンマーク・コペンハーゲンの「人魚姫の像」、ベルギー・ブリュッセルの「小便小僧」と共に世界三大がっかり(観光客をがっかりさせる観光名所)に数えられるそうです。まあ、それはそれで一見の価値があるかも知れません。
シンガポールの食事はシンガポール独自のものは無く、中国・東南アジア・インドを中心とした世界の料理が比較リースーナブルに食べられることが魅力なのでしょう。
屋台村の屋外複合施設であるホーカーセンター(ホーカーズ)、中国・東南アジア・インドの料理がリーズナブルな価格で食べられ味もまあまあです。良くガイドブックなどでは海南鶏飯(海南チキンライス)がお勧めとして書いてありますが、これはタイのカオマンカイ(カウマンカイ)と同じものです。東南アジアの華僑が住む国々で広く食べられている料理です。
シンガポール発祥の料理が無いのかと言うと、そんなことはなく、フィッシュヘッドカレーはシンガポールのインド人街が発祥とも言われています。大型の魚の頭部を煮込んで作ったカレーで、そもそも、貧しいインド人が魚の解体後の余り物を活用しカレーにしたものだそうです。
また、シンガポール・スリングはシンガポール発祥のカクテルでラッフルズ・ホテルのロングバーが発祥。スピリッツ(ドライ・ジン、チェリー・ブランデー)とジュース(パイナップルジュース・ライムジュース)をシェイクしソーダ水で割ったものです。1915年にバーテンダーでニャン・トン・ブーンの手によって誕生したのですが、甘すぎてあまり人気が無かったそうです。一時期ロングバーのメニューから消えていたのですが、1970年代に現代人の味覚に合うようにレシピを変更し、今ではホテルの名物カクテルになっています。ロングバーで飲むのも良いのですが、南の国のプールサイドで飲むと納得の味です。
シンガポールは人口5,410,000人、面積2710km2の小国で、1819年、ジョホール王国からの許可を得て、イギリス東インド会社の交易所としてトーマス・ラッフルズにより設立されました。英国植民地、日本の占領を経て、1963年に英国からの独立、マレーシアと結合したのですが、2年後、シンガポールは全会一致の議会制定法により、マレーシアから追放されました。
住民は、華人(中華系)が76.7%、マレー系が14%、インド系(印僑)が7.9%、その他が1.4%、華人、マレー系、インド系からなる複合民族国家です。共生しながらもそれぞれ異なるコミュニティーを形成しています。宗教も多彩で、仏教、道教、キリスト教、ヒンドゥー教の他、イスラム教は、主にマレー系住民により信仰され、全人口の約14%の信者を占めます。多彩な民族、多彩な宗教、軋轢も多々あるようですがそれでもこの海洋小国は微妙なバランスのもと繁栄しています。
初代首相のリー・クワンユーは首相就任以降、長期にわたり権威主義的政治体制、いわゆる「開発独裁」を体現し、独裁政権下ながらシンガポールの経済的繁栄を実現しました。
そのリー・クワンユーがフィリピンを訪問した折、「私にフィリピンを任せてくれたら、フィリピンを10年でシンガポールにして見せる。」と発言し、それに対し、フィリピンのとある国会議員は「私にシンガポールを任せてくれたら、シンガポールを10年でフィリピンにして見せる。」と言ったとか。
誰もが認める成功者であるシンガポール。でも、本当にそれでシンガポールの国民は幸せなのですか、というフィリピンからの問いかけではないでしょうか。シンガポールとフィリピン、それぞれの国にはそれぞれの国に合ったやり方があるのでしょう。
今日の中東の国々の混乱は、それぞれの国に合ったやり方を取れなかったことが一因なのかも知れません。どうすればその国の人々が、その国の子供達が幸せになるのか、方法は様々ではないのでしょうか。
私達は手助けをすることは出来ても、幸せになる方法を決めるのはその国の人々自身なのでしょう。早くその方法が実現し、子供達が幸せになりますように。
このプログの画像はisis_chanプロジェクトに参加されているイラストレーターの方々からお借りしています。isis_chanプロジェクトの目的は、ISが発信する残酷な画像のインターネットでのヒット率を低下させることだそうです。isis_chanプロジェクトにはガイドラインがあり、ムスリムと彼らの信仰の尊重、暴力的・性的表現・政治的主張の禁止等々決められています。私のプログは極力このガイドラインに沿って書いているつもりですが、抵触していると思われたら、それは私の文章力の無さから来るものだと思います。
もしisis_chanプロジェクトに興味を持たれたら、こちらをクリックして見てください。
<公式ホームページ>
<公式ツイッター>
https://twitter.com/isisvipper
<新着コンテンツの紹介>
https://daichkr.hatelabo.jp/antenna/960729927021214413
<英語版コンテンツ>
<DTM(UTAU・MMD)ライブラリー>
<その他(グーグルsearch)>