続いて、長年お世話になっている「レリコジャパン」丸橋さまにご挨拶に上がりました。20年近いお付き合いながら、直接お目にかかるのは初めてです。歌舞伎の役者さんは、衣装が出来上がってくるのが何よりの楽しみだと伺いますが、装束ファンとて同じこと、今般は、以前よりお願いしておりました「かのくつ」が仕上がったということで、丸橋さま自らの御披露という滅多にない機会に恵まれました。
左がもとになったもので、これをもとに新たにおつくり頂きました。何といっても、靴底が皮に漆を塗ったものなので、屋外や堅い地面などで履けばたちどころに傷だらけ、その対策について知恵を授けていただきました。緊張感をもって扱うよう学生諸君に周知いたしました。本学所蔵のレリコさんの表袴は丈が長く、よほど足の長い人用なのかなぁと思っておりましたが、さにあらず、「かのくつの中に入れて(ブーツ・イン)、しかも浮き上がって抜けてしまうことのないような充分な長さ」を前提に作っておられるということであります。こういうことも、直接伺うことで勉強になりまする。最近は「大足」の方も多いので、28センチ対応で作製していただきました。ちなみに、冠をおつくりになる職方の作品とのことであります。
貴重な平緒の現物や、御大礼で用いられた太刀など、宝物がそれこそ山のように!学生にとりまして、何よりの目の保養になったと思います。丸橋さま、ご多忙中のところ本当にありがとうございました。