静岡にて（３）

ここ二日続けて行ってきました。静岡へ
どうして二日も続けてかって・・・ちょっとワケありでして・・・
一日目、ショータイムの終わったあとに早速私のオキニがきてくれた。
ほかにも指名客がいたようで２０分位したら
「チョット失礼シマ～ス」
といって、オキニが席を離れる。
私は、ヘルプの子とたわいもない話しをペラペラと話す。
しかし、私の持っていたこれらの本に興味を示す。
フィリピン語の恋愛バージョンが２冊売れた。やはり人気があるようだ。
「コレ、ドコで買うシタの？」
「ん？ここだよ、ここ」

と私は自作の白地図を渡す。チョット古いから変えなきゃいけないんだけど・・・
こんな調子で本が売れるとオキニが一巡して私のところに帰ってきた。
「タダイマ」チョット寂しそうな顔。
「どうしたの？」
「ア～アコ、トケイナクナッタ」
（私時計なくした）
「どこで？」
「ワカラナイ」
どうやら、接客中に落としてしまったようだ。本人ははずした記憶はないという。
「確か、ショータイムのすぐ後はあったよ。」
「グッチのトケイのシルバー、アコのfavolite・・・」
よほどお気に入りだったようだ。チョット気まずい。あたりを探してみるが見当たらない。
結局、いろいろ努力はしてみたが、見つからなかった。
かける言葉が出てこなかった・・・・・・・・・
次の日、電話をかけてみる。
Ｔｒｒｒｒｒｒｒｒ・・・・
「時計あった？」
「ナ～イ」
風邪をひいている彼女の声が悲しみを持っているかのように聞こえる。
この現実を知ってしまった以上、無視はできない。
「アナタ、今日はドコ遊びスルの？」
「決まってないよ。ノースケジュール」
「とりあえず、元気出してよ」
「あ～ザンネンナ～　フ～ン・・・」
チョット心配になった私は、もう一度静岡に向かうことにした。
格安きっぷを買い、駅に向かう途中、ベルトがちぎれる。
「ぐあ～、こんなときに～～～」
無印良品で安いベルトを急いで買って静岡へ向かう。
おっとっと、店に行く前に元気付けるモノがいるな。何がいいだろう・・・
七間町通りを歩く。ミスタードーナツの前に店長おすすめセットがあるではないか。
「たしか、落ち込んだときには甘いものがいいと聞いたことがあるぞ」
私の脳裏をそんな記憶がよぎる。
「すいません、このおすすめセット１つ」
「はい、税込み１０００円になります」
そうなのだ。エンゼルクリーム、ゴールデンチョコ、ココナツチョコレート、オールドファッション、チョコファッション、フレンチクルーラー、エンゼルフレンチ、ショコラフレンチ、Ｄ－ポップＳ、ポン・デ・リンク、パッケージ込みでこの値段なワケだ。
ドーナツは全部で１０個、非常に塩梅がいい。
そして、栄養ドリンクを３個セットのを１つ。風が早く治るようにと。
そして、店に向かう。
「アコ、チョット寂しい・・・」
「とりあえず、ドーナツでも食べようか？」
「ショックを受けたときには甘いものがいいんだよ」
「フフフ・・・」
少し笑顔が戻る。
風邪薬と一緒に飲んでと栄養ドリンクを渡す。すると、一本飲んでしまった。
まだ、体がだるいのか？
帰り際に
「ドーナツアリガトネ」

の一言は私に安心感を与えてくれた一言でもあった。
早く時計が見つかるか、彼女が心身ともに元気になるか願う私であった。