筋肉は急激に伸ばされると伸展反射で収縮を起こします。拮抗筋においては主動作筋が収縮すると拮抗筋は弛緩します。
これは伸展反射により収縮がもたらせられた時も同じです。頭部は支持面になる体幹の上に脊柱でつながっていますから、支持基底面から逃れることはできません。したがって頭部の伸展と屈曲など反対方向の動きは常に伸展反射を起こします。
頭部の安定とは体幹の位置に拘わらずに頭部の拮抗筋の調整がよく働いていることです。
頭部は常に垂直を保とうとする三半規管の反射があります。これにより常に体幹との関係で調整が垂直方向へとされますので頭部はすべての動作の水先案内人になります。
この動きを妨げるのは背臥位そのもの、ATNRやTLR、STNRといった原始的な反射の残存と意思による動きのない知的な重度の発達遅滞、重度の麻痺などです。