JI3GAB/blog

ラジオに関する話題を中心につらつらと

最近はAPB-3で遊んでます

2014-11-23 19:06:24 | ソフトウェアラジオ
おじさん工房の小川さんがトラ技で発表されたAPB-3は、元々測定器の実現を主目的として作られたものだと思います。しかし、ハードウェアで言えば、100MHzのサンプリングレートのADC/DACとFPGA、USBのインタフェースがありますし、VHDLのコードを見てもスペアナ、ネットアナ等を構成するための回路ブロックはSDRのフロントエンドに必要なものがほとんど揃っています。

実際、作者のおじさん工房の小川さんはその後エレキ工房No.1でスタンドアロンのラジオを実現されていますし、トラ技の記事でもPCからコントロールするSSB送信機の記事を書かれていて、SSB送信機やトランシーバの実行ファイルはおじさん工房のサイトにて公開されていました。

一方でPC側のアプリケーションやFPGAのVHDLソースコードは、APB-3を購入した時にCD-ROMの形で提供されていましたが、その後のSSBトランシーバのソース等は提供されていませんでした。APB-3を使って実際にオンエアされている方を始めとして、自分でソースを変更してより使いやすくしたいという要望があり、最近SSBトランシーバのソースコードが測定器用ソースとの差分という形で提供されました。これをきっかけに何人かの方が機能追加などに挑戦されています。

私自身は、そういう方々と情報交換しながら、機能追加に協力する一方で、PCの側で信号処理を行う形のSDRとして利用するような改造を考えています。
現在のAPB-3用SSBトランシーバプログラムでは、例えば送信側であれば、マイク入力からSSB発生、周波数変換まで全てAPB-3のFPGAの中で処理していて、PCとの通信は周波数の設定等いくつかのパラメータの変更のみです。もちろんそういう形の実現にはメリットもありますが、FPGA側ではDDC/DUCのみ行い、PC側でベースバンドの信号処理を行う方が柔軟性が高いのではないかというのと、自分自信がVHDLに慣れていないということもあって、信号処理の部分をもう少しPC側に持ってくる方式でのSDRトランシーバの実現を検討しているところです(実際に出来るまではだいぶ時間がかかりそうですがHi)。

これまで、短波帯でダイレクトにAD変換/変換を行うSDRのプラットフォームは海外製のものしか(恐らく)無い状況でしたが、APB-3は日本製でかつ自分で中身をいじれるプラットフォームの候補として有力なのではないかと考えています。最近やはりトラ技で発表されたTRX-305も魅力的ではあるんですが。

差分ファイルや機能追加に関する議論についてはおじさん工房のサイトをご覧ください。もちろん、何かありましたらここにもコメントいただけると幸いです。

・APB-3のページ http://ojisankoubou.web.fc2.com/apb-3/index.html
・おじさん工房BBS http://ojisankoubou.bbs.fc2.com/
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3 コメント

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Unknown (JA1BRS)
2014-12-01 21:43:46
確かに、全てのコントロールをFPGAにさせるより、パソコンでやらせる方が、有利だと思う。
いっその事、小さなパソコンを組み入れて、ロシアのメーカーが、発表したような形にこれからは、なるのかもしれないね。
いずれにしても、貴方の出番だね。
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PCでの処理等 (ji3gab)
2014-12-01 22:35:50
BRSさん、こんばんは。最近あまりお空で声を聞いていなかったので、本当にお久しぶりです。私の方がワッチしていないだけかも知れませんが。

私自身はPC側にある程度処理を分担させる方が全体としての性能と柔軟性を両立出来ると考えています。

一方でより広い帯域を相手にしたいという要求があって、高い処理能力が必要になるのですが、それをどういうアーキテクチャで実現するかということがHPSDR等では話題になっています。一つ前の記事で紹介したFriedrichshafenの映像でもそれに触れられていて興味深いです(Future Prospectivesの映像)。

それから、PCをSDRの中に入れてしまうのは、個人的にはいいのか悪いのかよく分かりません。商品として売ることを考えると、スタンドアロンであることが受け入れられるための魅力の一つになる可能性はありますが、そのことにはあまり関心が無いのです。
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Unknown (JA1BRS)
2014-12-04 20:34:22
はい、ご返事ありがとう。
毎回、貴方のブログを読む度、胸がドキドキ高鳴るのを覚えます。
もうすぐ、200MHZ、20ビットを超える、A/Dが出てくるでしょう。
こうなると、もうSDRに敵う方法は無いといえます。
パソコンを組み込むというのは、単にFPGAとのハンドリングと細かな調整を無線機の中でやりたいというだけで、古い無線機をズーと弄ってきた古い人間の願望です、H I。
今後も、発表を楽しみにしております。
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