和紙の歴史
(五) 和紙と建具
湿気と日本家屋
日本の気候は、夏の高温多湿が特徴の一つであ。古代以来蒸し暑い夏をいかに過ごすかに悩み、住まいにさまざまの工夫をこらしてきた。
吉田兼好の『徒然草』に
「 家の作りようは 夏をむねとすべし 冬はいかなる所にも住まる
暑きころ わろき住居は堪えがたきことなり 」
とある。日本の住まいは、木と草と紙で構成される和風建築を育み、独特の湿気の日本文化を育てた。
木造住宅が発達したのは、木材に恵まれているという条件と、何よりも湿気の調節がきくことの意味が大きい。
高床式の構造に、茅葺きの屋根を高くし、庇を長くし、泥壁に畳、そして木製の建具に和紙を貼っている。これらはすべてが自然の素材で、湿度が高いときには湿気を吸収し、湿度が低いときには湿気を放出する調湿機能を持っている。
建物が大きくなり、屋根が瓦屋根になると、室内には明かり障子、ふすまや衝立、屏風などをを配置する。これらには和紙が貼られ、湿度、温度の調節を行っている。
これらの和紙にはいずれも植物繊維(主成分はセルロース)が原料で、紙自体が多孔質構造で表面積が非常に大きく、水分の吸収脱着を自然に行っている。
しかも障子やふすまは、開け放すことで解放空間ができ、家中を風が吹き抜ける。 また障子やふすまで仕切り、屏風や衝立で囲めば冬でも暖かく過ごせる。和紙の保温性は想像以上で、紙衣(紙子とも書く)や紙衾(紙でできた寝具)として衣料の代用としても用いられたことでもわかる。
(五) 和紙と建具
湿気と日本家屋
日本の気候は、夏の高温多湿が特徴の一つであ。古代以来蒸し暑い夏をいかに過ごすかに悩み、住まいにさまざまの工夫をこらしてきた。
吉田兼好の『徒然草』に
「 家の作りようは 夏をむねとすべし 冬はいかなる所にも住まる
暑きころ わろき住居は堪えがたきことなり 」
とある。日本の住まいは、木と草と紙で構成される和風建築を育み、独特の湿気の日本文化を育てた。
木造住宅が発達したのは、木材に恵まれているという条件と、何よりも湿気の調節がきくことの意味が大きい。
高床式の構造に、茅葺きの屋根を高くし、庇を長くし、泥壁に畳、そして木製の建具に和紙を貼っている。これらはすべてが自然の素材で、湿度が高いときには湿気を吸収し、湿度が低いときには湿気を放出する調湿機能を持っている。
建物が大きくなり、屋根が瓦屋根になると、室内には明かり障子、ふすまや衝立、屏風などをを配置する。これらには和紙が貼られ、湿度、温度の調節を行っている。
これらの和紙にはいずれも植物繊維(主成分はセルロース)が原料で、紙自体が多孔質構造で表面積が非常に大きく、水分の吸収脱着を自然に行っている。
しかも障子やふすまは、開け放すことで解放空間ができ、家中を風が吹き抜ける。 また障子やふすまで仕切り、屏風や衝立で囲めば冬でも暖かく過ごせる。和紙の保温性は想像以上で、紙衣(紙子とも書く)や紙衾(紙でできた寝具)として衣料の代用としても用いられたことでもわかる。