昨年、北京オリンピックを前にスピード社のレーザーレーサーが世界を席巻したことは記憶に新しいですが、今年の世界水泳で同じことが起きています。そして、昨年のレーザーレーサーがそれほどすごい技術革新でなかったことは、今やレーザーレーサーが時代遅れの「遅い」水着になってしまったことでも明らかです。道具にすぎない水着がこうも注目を浴びてしまている状況を国際水連はもっと反省すべきです。
事ここに及んで、国際水連は来年からポリウレタン、ラバー水着を禁止し、織物だけとし、覆う範囲も男子では腰から膝までとする決定をしました。しかし、何を今更という感があります。しかも、無名選手が次々に世界記録を連発したように、今大会は世界記録のハイパーインフレ状態ですが、この大会の記録は認められるということです。本当に一体何を考えているんだか…と、ほとほと呆れてしまいます。来年以降は、本当に同じ条件下で戦った肉体と技術の勝負の記録にもかかわらず、しばらく世界新が出ない状況が続く可能性大ということです。
今大会の「主役」は、さしずめアリーナ社とジャケド社でしょうか。昨日男子200m自由形で怪物フェルプスを世界新で破って、同じく世界新を出した400mと二冠を達成したビーデルマン(独)は、まったくの無名選手で数秒も自己記録を縮めたそうですが、アリーナ製の水着を着用していました。同じく女子で二冠を達成したペレグリニ(伊)はジャケド社製です。日本が苦手な自由形で日本新を連発し、4位に入った内田もジャケド社製でした。
選手に罪はないかもしれませんが、昨年、水着ばかりが注目される状況に北島康介が苛立ちを隠さなかったように、まったく公正公平ではありません。言うまでもなく、同じ条件下で、技術・体力で勝負するように調整するのが、連盟の最大の役割であるはずですが、昨年の大騒動を経ても、まったく改善しなかったのは驚くしかありません。
しかし、そんな馬鹿げた騒動の中で、一筋の光明というか意地を、今日見ることができました。昨日、無名選手に世界記録を奪われた上に敗れるという屈辱を喫した怪物フェルプスが200mバタフライで世界記録で優勝しました。しかも、フェルプスは今や時代遅れのレーザーレーサーで、腰から膝までの水着を着用しています。昨年の北京での8冠よりも今日の1冠は価値があるのではないかと思います(ちなみに、銅メダルに輝いた松田丈志は、予選で12位だったのが、ジャケド社製に替えた準決勝を1位で通過しています…)。
こぼれ話のような話題では、ラバー・ポリウレタンの高速水着は着用に非常に時間がかかる着用に適さない水着だけあって、破れてお尻が丸出しになるケースがあるという報道がありましたが、冗談でなく、ここまで水着が話題になると、いっそのこと裸で勝負した方がいいのではないかと思ってしまいます。世界第一線のアスリートがギリギリのところで勝負するのは分かりますが、そのギリギリ感をうまくコントロールする国際機関になってくれることを期待します。
今日のジョグ
電車に乗っている間に雨が降ってあがりましたが、走り始めるとまた降りだしたので、交通公園のところで折り返して、帰ってきました。
3km 17分02秒