サラーム …「平和」

紛争地域パレスチナの女性たちが伝統手刺繍を活かし手作りした
製品を販売することで女性たちの自立を支援する市民団体です

ファッションショー用の刺繍製品

2012-09-26 | 敏子のパレスチナだより

 パレスチナの敏子さんから届いたメールを紹介します 


長い間、連絡が途絶えていましたね。すみません。

ここのところ、イドナ村に
刺繍の特別注文の依頼を受けることが
あります。
簡単なものや店で販売するためのものだといいのですが、
イスラエル人のデザイナーから
ファッションショーに、
刺繍をアレンジした物を使いたい
ということで依頼があり、これが大変でした。


見本の製作から入るのですが 時間はないし、
DMC(刺繍糸メーカー) の刺繍糸が同じ番号でも色が違うので、
同じ色を探し求めて
あちこちの店を歩き回り…などなど。
デザイナーの注文で困ったのは、
彼女は、紙の上でのデザインと、色の組み合わせと、

刺繍本物とのイメージが結びつかないということです。
最終的には私に任せると言われても、
これが一番困る注文の
仕方です

出来上がったものが気に入らないこともあるし、
それでも了解はしてくれても満足はしていない。
はじめから
本人の指図で始めないと責任がもてないのです。
1色の配色でも小さなデザインでも気になることがあるし、
1ヶ月も
掛けて仕上げた物なので、
最後の段階での変更もしたくないのです。
刺繍の構成を知らない人からは
簡単に変更を頼まれ
ますが、
作品に満足してもらうには変更も受け入れることもあります。


私とイドナ村のヌハさんでデザインと色の配色を構成し、
デザイナーに確認を取り、
イドナ村の組合の中で一番腕のいい
女性に説明して製作に入りますが、
細かい所を確認するために、イドナ村に週に4回も通うこともありました。
先週の日曜日
に袖部分の刺繍が完成して郵送し、
デザイナーに届いています。
電話がないということはオーケーということでしょうね。


ファッションショーは秋の予定がずれて来年の春になるそうですが、
ショーが成功すると注文がはいることになりそうです。


~敏子~