東京ヤクルト 宮本慎也選手 引退試合における胴上げ
今年のプロ野球・雑感
〇 巨人軍のⅤ9を達成した川上哲治(享年93歳)氏は、先月28日に亡くなられました。今後この連続日本一の記録は永遠に塗り替えられることはないでしょう。勝負師は非情で、テツのカーテンを敷いた人でもありました。名選手にして名監督でしたが、私は彼の現役時代を知りません。でも伝え聞く彼の野球哲学は凄いと思っていますし、投球されたスピードボールが止まって見えたなんて、あるんでしょうか。如何にも伝説の方らしいエピソードです。ともかく川上さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。
〇 今年の巨人軍は、日本シリーズを戦う前から幾らかの慢心があったとしか思えません。或いは自意識過剰か。貧弱な先発陣に、春先から不安を感じていました。いずれにせよ、原監督は二軍や育成枠にも常に目配せが出来る人ですから、若手投手陣の奮起に期待しましょう。ちょっと話題が変わりますが、読売新聞社主筆のナベツネは大嫌いです。何さまのつもりなんでしょう。私は親子三代続けて巨人ファンですが、それだけは全く理解出来ませんし納得しておりません。いい加減、巨人軍と縁を切って欲しい一念です。タノムから!
〇 遅まきながら、東北楽天ゴールデンイーグルスの日本一、おめでとう御座います。実に素晴らしいチームでした。MVPは確か美馬投手だったと思うのですが、それは全くの間違いだと思っています。多くの試合に出場し、時折適時打点をあげ、大活躍をした嶋基宏捕手の存在が最も輝いていました。則本投手は、平常フォークボールなど、たった0,1%しか投げていなかったのに、日本シリーズでは実に40%ものフォークボールをリードし投げさせました。果敢にも内角深く突きました。内外角の左右のコースは、巨人打線がついてくると読んだ彼は、高低差のコースへ遠慮ない投球をさせました。案の定巨人打線はクルクル空振りするばかりで、他の投手の投球も全く打てませんでした。今年、全試合勝ち投手となった田中マ~君だって、歴史に残る偉業を達成しましたが、これも深く嶋捕手の手腕があったように思われます。ただ影に徹していただけです。それこそ本当の最高殊勲選手ではないでしょうか。更に酷く余震が残る中、チーム一丸となって被災者を励まし続けました。ですから今度の優勝は、東北のファンの皆さまへ、神様がプレゼントしてくれたのでしょう。被災地の方々と共に歓びたいと存じあげます。ところが11;24の優勝パレードで、4000万円の費用不足の事態だとか、仙台ではファン達が、この寒空の中を一口3000円(楽天のピンバッチ贈呈)の募金活動を行っています。あの小雪舞い散る仙台の街中でですよ。楽天の三木谷浩史社長は何をやっているのでしょうか、理解不能です。祝勝記念販売では元の定価を信じられない値段に引き上げておいて、何が激安セールでしょうか!発覚すると、彼はすべて業者の責任に押し付け、呆れ果てます。たかがネット通販の会社じゃありませんか。チームに大きな汚点を残したのは、球団オーナーだったというから驚きですネ。彼には経営者としての本来の哲学的な資質がありません。今年、第二次安倍内閣で、内閣日本経済再生本部産業競争力会議メンバーになりましたが、すべての薬品が、直ちにネット通販出来ないことが分かり、議員を辞めるとか、また辞めないとか、勝手にすればと思います。裁判するとかしないとか、あの幼稚で姑息な参議院議員の山本太郎シェンシェイとそっくりなようです。そういった会議は自身だけの利益のためにあるのではありません。かつてオリックスの宮内社長の例もあったではありませんか。おまけに、雑誌フォーヴス誌で世界富豪ランキングの上位に入ったなんて、どこか可笑しくウスラ淋しいことです。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」です。今更拝金主義なんて時代遅れです。ですから色んなことを、選手やファンに謝るべきだし、優勝パレードの不足費用ぐらい、ポケットマネーから、ポンと出したら如何でしょう。嘆かわしいですヨ。
〇 マ~君、沢村賞を始め、全部で七冠に輝いたピッチングはお見事でした。地肩が強い上、体力もあり、スプリットフィンガーボールはダルビッシュ投手以上で、本当に素晴らしい投球を魅せてくれました。まだまだ進化してくれるでしょう。一年間、本当にお疲れ様でした。但し一点だけ、もし大リーグに移籍なさるとしたら、一々派手なガッツポーズすることは止めるべきです。それは打者をリスペクトしていないと、打者のみならず、多くのファンからもそう思われるからです。ベースボール(MLB)と野球(NPB)には、はっきりした野球文化の違いがあります。体力的に到底敵わないような大男ぞろいの打者は怖いです。万一デッドボールを投げた場合、本気モードで殴られる筈で、大リーグの往年の名投手は決してそうはしませんでした。また本場大リーグのファンは鳴り物入りで応援することは全くありません。静かに椅子に座って、ゲームの行方を真剣に見極め楽しんでいるのです。ファインプレーや適時打など、素晴らしいプレーに対して、時折スタンディングオーベーションで盛り上がりますが、驚くほど冷静に観戦しているのですから、その点だけはご注意くださいネ。
〇 阪神タイガースに、掛布雅之氏が打者コーチ(Development Coordinator)として、25年ぶりに参加しています。安芸の球場は大変な活気があるようで、何とも結構なことです。掛布氏は習志野高校出の大選手で、四代目ミスタータイガースと絶賛され賞賛されました。然したった14年間のプレーで引退する以前に、心ない阪神ファンから、罵詈馬頭を浴びせられ、家族まで危険のどん底に突き落とされました。晩年の掛布氏は極端な不調だった時、思い切り誹謗中傷されたのです。一般の熱心なファンが、どうしてそこまでするんだろうと酷く疑念に思いました。もう二度と、そんなことはして欲しくないです。長嶋監督時代、巨人が甲子園球場でリーグ優勝を決めた時も、球場のフィールドで胴上げすら出来ませんでした。ファンの余りの貧相ぶりに呆れ返ります。秩序ある阪神ファンであって欲しいと念願してやみません。阪神のファンである以前に、プロ野球全体の発展を共に願おうではありませんか。それと、どうしてこうも、若手が育たないのだろうか、どうなってるんだろうかと言いたくなります。レギュラーメンバーに、他球団から比べたら圧倒的に生え抜き選手が少ないのが不思議で堪りませんし不満なのです。誰彼なく、大物を連れてくればいいのかと思うと、哀しくなります。いつか巨人が歩いた追憶の日々のようです。だってどんなに立派な選手を大金をはたいて連れてきたって、そのままではチームとして成立しないからです。川藤幸三氏が第七代目のOB会の会長に就任されても、野球解説はお粗末で聞いていられません。何が春団治でしょう。彼の現役の生涯成績はご存じでしょうか。関西風ノリツッコミな阿呆解説で、笑わせないで下さい。それとホームランを打った後の決めポーズをグラッテイと呼ぶのだそうだけど、大リーグから帰って来た西岡選手が始めたことで、今年阪神の唯一の変化ではないでしょうか。あれもこれもこれではこの先、阪神タイガースに栄光は永遠に訪れないのではないかと心配しています。巨人ファンとしても、堂々たる阪神タイガースの復活を切に期待します。そうそうもう一つの変化、藤波晋太郎投手を褒めておかなければなりません。恵まれた身体能力を生かした剛速球は見事でした。でもまだ粗削りです。あのインステップしてくる投球フォームでは将来的に肩を壊すのではないかと危惧しています。和田監督は巨人相手になると、巨人に強い同じ投手ばっかり使ってきます。これって本来は極めて邪道なんです。ローテーションをきっちり守れないからで、必ず他の投手に負担を掛けるだけです。どうか阪神のコーチの方々や熱狂的なファンにお願いです。この才能溢れる藤波投手を、万が一にも潰さないでください。お願いです。
〇 広島カープの奮戦は大拍手ものでした。雌伏16年、やっとAクラス入りして、クライマックスシリーズに出てきたのには感動しました。練習量が圧倒的に違うのでしょうし、選手一人一人の意識が高いものでした。来年はアマNo.1の大瀬良投手も入る予定です。千葉県出身の丸選手も素晴らしい成長をしました。しぶとい打者が多いし、好打者揃いです。マエケンも素晴らしいです。後は押さえの投手を育てるだけでしょう。またあの球場は垂涎モノです。ネソベリアなど、一度は絶対に行きたい球場です。そして前田智徳選手は素晴らしい選手でした。彼が代打に出た時は怖かったです。無論阪神タイガースの、代打の神様と絶賛された桧山進次郎外野手も今年で引退しましたが、引退試合後、花束贈呈もなく、胴上げもされず、たった一人で外野席のファンの前に行き、ファンの声援に挨拶をしていたのが印象的でした。阪神一筋だったのに。掛布の引退試合と同様にホームランを打ったのにですよ。一方の広島カープ・前田智徳選手の場合は、チーム全員から胴上げされ、ファンの声援に応えて場内一周し、家族全員揃って球場に登場し、幸せな広島一筋の野球人生を終えることが出来ました。阪神のチームは何て残酷で非情なのでしょう。哀しいです。引退と言えば東京ヤクルトスワローズの宮本慎也三塁手は最終試合が負け試合になったものの、チーム全員と巨人軍選手も球場に出て、一緒に胴上げしました。何という素晴らしい光景だったのでしょう。
〇 東京ヤクルトスワローズの今年の成績は全員が納得行かないものになったことでしょう。とにかく故障者が多過ぎました。ノーラン・ライアンばりの投球をする小川投手には、完全脱帽です。あの投球術はタイミングが取りずらく、今後も大活躍してくれるに違いありません。バレンティン外野手の、ホームラン日本新記録達成も立派なものでした。カリブのキュラソー島に里帰りをした彼は空港から自宅まで延々50キロに渡り、オープンカーパレードをしたニュースは、実に微笑ましいものでした。オランダ領キュラソー島の英雄ですね。昨年より格段に、彼の打撃が上手になっていて驚きました。若手も徐々に成長しているし、来年こそ素晴らしい成績を残してくれるでしょう。キュラソー島と日本の関係で思い出すのは、第二次世界大戦当時リトアニア日本領事館勤務の杉原千畝が、数千名のユダヤ人に発行したビザは、すべてキュラソー島への渡航ビザであったのです。無論オランダ本国はナチスドイツに占領されていましたが、ユダヤ人に比較的偏見がなかったキュラソー島への渡航、途中香港やアメリカに寄港することも充分承知の上で納得しながら、杉原はウソも方便のキュラソー・ビザを発行し続けたのです。楽天の不動の四番打者、アンドリュー・ジョーンズ選手も、この小さな島の出身者です。だから何となく親しみを感じているわけです。
〇 横浜DeNAベイスターズは、いい投手さえいれば、こんな成績で終わるチームではないはずです。投手では生え抜きの三浦投手を初めとする若手投手陣、野手では荒波外野手や梶谷隆幸内野手、筒香嘉智内野手や石川雄洋内野手など、外野手では松本啓二朗外野手や井出正太郎外野手など、素晴らしい才能に溢れたいい選手がいるではありませんか。曾てスーパーカー・トリオなどがいて、大変な歴史のあるチームです。但し他球団にいい選手を放出ばっかりして、どうなっちゃっているんだろうと心から心配しています。特に今年、楽天で大活躍をした藤田一也選手のトレードはどうだったのでしょう。目のあるコーチ陣がいなかったのでしょうか。残念でなりません。筒香選手を、秋のキャンプから外したり、とても心配です。中畑監督ばかりが目立っていては駄目です。選手が目立たなくてはなりません。広島カープと同様に女性の来場者が増えたことが、ただ一つの朗報です。是非鍛えなおして戴いて、来年こそは巨人軍の横浜銀行などと陰口をたたかれないように、またこんな発言に是非激怒されるように、巨人ファンからも強く望みます。
〇 中日ドラゴンズに再びやってきた落合氏が断行したコストカット(年俸減額)で、選手の顔色は真っ青です。8億円節約したとかの自慢話に、私たちプロ野球ファンはちっとも歓びません。球団首脳はそりゃ喜ぶのでしょうが、真っ暗な顔をした中日選手たちを明るいチームカラーにしてくれるのでしょうか。谷繁選手兼監督もどうでしょう。多くの投手を潰した経歴のある谷繁氏では、本当に選手のモチベーションが上がるのでしょうか。短いプロ野球選手生命に、オレ流査定を当てはめても、選手は決して明るくならず、またまた暗い雰囲気のドラゴンズが残るだけでしょう。高橋周平選手などを大きく育てて欲しいです。でないとご老体優遇チームのままになります。いずれにせよ、オレさまの院政になるでしょうネ。お好きになさって下さい。井端選手は、さっさと辞めてしまって大正解でした。高額な報酬は、ファンの夢でもあるのですから。さぁさぁ!オレ流と谷繁さまのお手並みをじっくり拝見致しましょう。どうか選手の皆さんも、ファンの方々も、決して腐らないで観てあげてくださりませ。少なくともあの暗いチームカラーは落合博満氏の性格のお陰でしょうから。無念かな中日ドラゴンズ!
※ 尚小生はパ・リーグについては詳しくありませんので、ここらで終わりますが、日ハムの大谷選手の二刀流はどうなるんでしょう。密かに期待はしているのですが、現実からするとどうなんでしょう。分かりません。ソフトバンクもライオンズもマリーンズもファイターズもオリックスもこんなはずではなく、来期こそ捲土重来を期して頑張って戴きたいものです。最後に、プロ野球一ファンとして一層のご繁栄を願っています。もう一つ、加藤良三コミッショナーが今期限りで辞めて戴いて大変結構なことでした。統一球問題で、あの無責任ぶりには呆れてモノが言えませんでした。大リーグとのコネや交渉も全くなく、甚だ迷惑千万の限りでした。お疲れ様で~~すぅ。バイバイ!