goo blog サービス終了のお知らせ 

硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

  昨日茶番 今日ペテン 明日の被災者どうするの?

2011年06月04日 | エッセイ

愛媛県今治市にある第54番札所 延命寺

 

 

昨日茶番 今日ペテン 明日の被災者どうするの?

 

 

凡そ日本での慣例は、大きな決断をする際、重要な人と腹で語り合う習慣がある。

書いてないの、言ったの言わないの、ウザイ茶番劇って、阿呆で大馬鹿じゃねぇか!

書いてなくとも、阿吽の呼吸があるはずで、菅総理の開き直りにはウンザリ。

 

日本文化の中に、書面より重いのは信頼しあった者同士の思いの共有であることだ。

孝明天皇から容保を心から信頼するとご辰翰二通を戴きながら、松平容保は肌身離さず、

官軍の大将・板垣退助に見せることがなかった。藩内の犠牲は甚大であったものの、

そして犠牲者400余名は触ることも埋葬することも、半年間も許されなかったのである。

婦女子は城内の入ると、藩の備蓄に迷惑を掛けるからと言って断り、大勢自害し果てた。

容保の京都派兵に反対した家老・西郷頼母の家では実に21名の自害者を出している。

初代藩主・保科正之の家訓十五か条を愚直なまで守って、会津の伝統を築いてきた。

そして嬉しいことに、今、『会津っ子宣言』として、教育現場に尚も生きている。

孝明天皇との心の遣り取りと信頼関係がすべてではなかったか。

書状より、心の通い合うことが大切なことは、何より上位のことである。

会津を攻めた長州藩の末裔である貴殿・菅直人、そのことを知ってのことか。

鳩ぽっぽと、かのお坊ちゃまを蔑んでも、貴殿より、ましで嘘がない宇宙人である。

共に二人で民主党を作った貴殿は、最も大切な友を裏切ろうとしているではないか。

 

本予算の可決も未だに道半ばで、特例公債法案(赤字国債発行)はどうするのか。

今執行されている予算は繋ぎでしかなく、9月からの本予算の執行をどうするんだろう。

無論野党の協力がなくては成り立たない。そんな一大事を電話一本で済ませておいて、

ねじれ国会にしたのは谷垣、あんたじゃないかと言わんばかりの、信なき総理の開き直り。

人にモノを頼む時には「三顧の礼」の喩えもあり、直接逢って、膝詰め談判が普通だろう。

三顧の礼とは目下のものに礼を尽くしてお願いする故事にあることは誰しもご存知だろう。

  

ウソつきで欺瞞に満ちた菅総理では駄目だ、他の方であったら野党は協力すると、

自民党も公明党も言っていたじゃないか。だったらこの局面を打開するために、

菅総理は即刻辞職すべきである。大局を理解していないばかりか、立ち居地すら知らない。

民主党で全員野球をすると宣言していたのに、党内の両議院総会も開かれていないで、

つまり一掴みの取り巻き連中で、或いは法を無視し、ご自分だけで判断するからこうなる。

野党と大連立内閣を模索し、議員全員で、逸早くこの国難を打開し乗り切るべきである。

 

あの避難所に一晩泊まってみたらいい。人の汗や油の匂いや灰燼やらの異様な臭気で、

どんなに一緒になって泣いたことだろう。未だに10万余の方々が苦しんでいるんだぞ。

原発収束後とかほざいているが、貴殿の頭も一緒にメルト・ダウン(炉心溶融)し、

更に最近lame duck(レームダック)と揶揄されていることを直訳すれば、

足の不自由なアヒルの意だが、最早死に体政権のことをさす政治用語なのである。

誰がレームダックした総理の元で求心力が働くのか、考えてみれば分かることだろう。

東京工業大学をご卒業なさっている御仁だからなぁ。なぁ小市民運動宰相よ!

尤も、本も読まず麻雀に熱中して忙しかったらしい。

 

思えば年金未加入問題で、四国のお遍路周りをされましたネ。

全部廻ればいいものを、53番札所の円明寺(愛媛県松山市)で終わっている。

又お遍路したいと言う意欲があるらしいが、次の54番札所は何とその名も延命寺。

今からでは遅いが、延命寺から始まるとしたら、その時こそしみじみと実感することだろう。

政権の座に頑迷に固執し、ハッタリを言い、パフォーマンスだけの自分だったことを。

 

(尚、申し上げておくが、日経で次の総理として評判の高い枝野は同罪で資格なし)

 


  東電資産売却で 尾瀬はどうなってしまうのか

2011年06月04日 | エッセイ

尾瀬のクリップボード

 (風景は尾瀬 左の花から 山ラッキョ 三尺バーベナとセセリ蝶 ニッコウシモツケ}

 

 

東電資産売却で 尾瀬はどうなってしまうのか

 

 

東電の福島第一原発事故により、東電の資産売却にともない、

東電が広大な土地を所有する尾瀬国立公園の保全問題が浮上している。

万一、損害賠償の財源にするため資産売却の対象になれば、

東電が行ってきた木道の設置・修繕などに影響が出ることも懸念される。

大澤正明・群馬県知事は、この11日の定例会見で

「県として、尾瀬の土地売却は絶対阻止したい」と述べた。

 

 尾瀬国立公園は群馬、福島、新潟、栃木の4県にまたがる。

県と東電によると、総面積13万7200ヘクタールのうち、

東電は約43%にあたる約1万6000ヘクタールを所有。このうち、

自然保護のため植物の採取や落ち葉を拾うことさえも禁止されている特別保護地区は、

約6200ヘクタール(保護地区全体の約66%)も含んでいる。

 

 東電は木道の設置・修繕や公衆トイレの整備、尾瀬を利用した環境保護活動のために

毎年約2~3億円を拠出してきた。東電が所有する土地は国立公園のため、

土地の利用や開発は自然公園法で規制されており売却は困難と見られるが、

大澤知事は万一の場合を仮定し、「尾瀬は自然の宝庫で多くの人に支えられてきた。

人と人のつながりや自然を大事にすることを忘れては駄目」と、尾瀬の重要性を強調した。

 

 一方、同公園を管理する尾瀬保護財団は

「仮に売却されれば、東電が行ってきた木道などの管理面で影響は出ると思う」と

戸惑いを隠さない。3カ所の登山口を抱える片品村の担当者は

「具体的な説明は何もないので何とも言えない」と繰り返す。

 

 東電広報部は、

「尾瀬は利根川最上流の水系も含んでいる。

水力発電事業にもかかわる大切な資産であり、

売却は考えていない」と説明しているが、果たしてどうなることだろう。

 

尾瀬の山開きから帰った父は友人の山仲間と相談し、

いざという時には行動しようと、決意しているようだ。

今日は素晴らしい晴れ間、久し振りに休みを取れた妻に、父は盆栽の手入れを

懇切丁寧に教えていた。何故か妻とは饒舌になり、可愛くてしょうがないようだ。

普段の仕事柄目上の方と話すことが多い妻は、父との盆栽の手入れを楽しんでいる様子。

一つだけ、関東大震災や東京大空襲の火災にも耐えた樹齢の古い黒松の盆栽があるが、

何とか僕に、それを伝授し、継承して欲しい本音があるのだろう。

今年の納税で、父からの生前贈与はすべて完了している。僕は一家の責任者。

自然を破壊するのは簡単だが、再生するのは至難の業であると、父は言っていたと。

 尚、僕はイクメンで大忙しい。小さくなったが地震は未だに続いている。

 


   うちひさす宮道(みやぢ)を

2011年06月02日 | エッセイ

プランター用の白い小石に 子供たちと作った人形 不透明の絵の具で手描き

 

 

 

うちひさす宮道を

 

 

万葉集 巻十一 二三八二に、次のような柿本人麻呂歌集よりとられた歌がある。

「うちひさす 宮道(みやぢ)を 人は満ち行けど 我が思ふ君は ただ一人のみ」

京都・河原町三条の我がオフィスで妻と出逢って、最初に和紙に書いて贈った歌である。

人麻呂は、万葉集や柿本人麻呂歌集で歌が残されているが、人物像は分かっていない。

『秘匿』、或いは『匿名』の、日本文化の象徴、特徴、若しくは典型であるような歌人である。

 

我が妻は勤務地に行く以外は、書庫のある品川のマンションにいつもいる。

真っ直ぐ前を見て歩き、移動時間が勿体無いようにして先へと急ぐ。

私たちの結婚は、私たち二人で積み上げ、月日は次第に数を重ね、私たちに、

小さな生命を、神の恩寵から二人も得られた。イクメンを未だにする私は由とし、

妻に何一つ文句や小言を言ったことがない。お互いにリスペクトしているからである。

年の差も今や無関係。夫婦とは面白いもので、長くなれば味が出るのかも。

 

妻は学会や調査のための会合に出席するため、月に何度か家を空ける。

二人の子供たちはそれが普通だと認識し、ばぁばやお手伝いさんと遊ぶ。

上の女の子・杏はヴァイオリンを手放さないので、遂に家庭教師をつけた。熱心な様子。

弟の大風は、姉と一年しか違わないのに、ヤンチャ盛りで、特にボールに強い興味を持つ。

杏は大人しいほうで、独り遊びが大好きで、妻似であるが、弟は私に似ているらしく激しい。

二人の寝所は違うが、かの地震以来、私たちと一緒に寝ている。そろそろ戻そうかな。

 

弟は散歩が大好きで、近所の広尾商店街では、「おチビちゃん」として人気を獲得している。

杏のほうはヴァイオリンに、下手だが熱心に興味を抱き、時折コンサートの実況を観る。

我が妻はイタリア料理が大好きだから、手製で、私が夜食を作る。朝粥は当然私の仕事。

イタリアは特にピエモンテ地方在住が長かったから、イタリア北部の家庭料理が中心だが。

黒トリフは時々入るけれど、白トリフは一度も手に入っていないので、いつかは挑戦したい。

 

子供たちに決して強制はしない。オモチャのピアノやサッカーのボールや、絵の具や書具、

遊ぶ道具は、本人たちが見つければいい。私たちは出来ることをサポートする以外ない。

子供たちにとって、親はウザイ存在にならないようにしているだけのこと。

本人が興味のあるほうに育てて行きたいと念願しているが、

日本国/国旗・国歌を否定するような教師に絶対に預けたくない。

 

勝手に浜岡原発の停止を中電に押し付け、責任の回避をしたのは許されないものがある。

法的根拠もなしに、要請というカタチで行われた。反原発派の私だが、かの総理を疑う。

そして今日まさしく茶番劇を見せて貰った。第二次補正予算のメドを目途に退陣をすると、

鳩山元総理はそう断言していたが、正午から開かれた代議士会での総理の発言は奇妙、

いつ退陣するのかを明言されることなく、ぼかされ、中間派の切り崩しに成功したようだ。

民主党議員諸君の幼児性は明らかに否めないもので、当家の子供たちよりどうだろう。

信任されたとして、「よかったぁ」などと発言していた菅総理だが、被災者のことを思う時、

菅総理は寧ろ反省すべきではなかろうか。この方の資質は地に落ちているからであり、

野党の不信任決議案の中身を自らがとくと再読され、反省すべきところが多かろう。

 

不透明の絵の具を使用 及び頬紅のピンクは色鉛筆で染めてみた

紅い部分は子供たちの染め 白い余白は勝手についた結果を重視した

 

このブログでは内閣不信任案の否決をとうに予想していたが、

中身が酷過ぎる。取り敢えず不信任案可決には賛成しないというだけのことである。

これからの課題とこの時期不信任案を出されたことに、菅総理は真摯に猛省すべきである。

今宵も、子供たちと妻と、我が家族と、福島県民の苦しみを体現し、和蝋燭で明るさを取る。

和蝋燭はほっとする光であり、長持ちし、子供たちはいい夢を見ることだろう。

 


  何のその百万石も笹の露

2011年06月01日 | エッセイ

梅雨に入って台風一過 庭は花で溢れている

 

 

何のその百万石も笹の露

 

 

圧倒的な民主党の大勝利から、二年を過ぎようとしている。ここから勘違いが始まった。

鳩山内閣の時に、ワシントンで開かれた気候変動サミットで温室ガス25%削減と断言した。

ドービルで開かれたサミットで、太陽光発電を突如言って、世界の失笑を買った。

より安全な原発推進論の総理と、どう整合性が取れるのかという点である。

世界中がそんなことは出来るのかいなと。今再び鳩ぽっぽの同じ轍を踏んでいて、

菅総理の記者会見は海外記者団の前ではなく、日本人記者団と別室で会見を開いた。

裏づけもなく、唐突にホラを吹くのはどうやら民主党々員に蔓延しているらしい。

よく分からない国家だと失笑を買われるのは当然のことであろう。

政権基盤の弱っちい総理に信頼を寄せる各国首脳は皆無であったのは明らかだ。

 

Speedi発表の放射物質飛散予測図 公式発表以前からネットで知られていた

同芯円で決めた浅はかさ 飯舘村で高い線量を計測したのはIAEAの指摘であった

 

米エネルギー省と文科省の合同調査結果

 

菅内閣は当初Speediの発表を誰も知らなかったと嘯いている。

Speediとは文部科学省内にある原子力安全技術センターによって出される、

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)というシステムのことである。

緊急事態が発生した際に、気象観測情報、アメダス情報と放出核種、放出量等の情報を、

インプットすることにより、6時間先までの希ガスによる外部被曝線量や甲状腺等価線量

などをシミュレーションすることができるものである。

しかも発災当日から一時間おきに、このデータが出されていたのに、

公式的に、この資料が出されたのは二ヵ月後であった。

当然飯舘村などにいた子供たちに内部被爆の恐れがあると言わずばなるまい。

 

一部3月末に公表されたが、あれはリーク以外の何ものでもなかったモノで、

約二ヶ月前、アメリカ軍は3月17日~19日に、飛散マップ作成を済ませている。

従って80キロラインを米国人の避難が勧告されていたのだ。

その秘匿は何だか尖閣諸島の問題と強烈に似ているではないか。

メルト・ダウンの隠蔽やら、こうした情報の遅さや、やることなすこと皆後手後手である。

党首討論会の後で、今日にも菅おろしの最終章・内閣不信任案が出されると言うのに、

こうした危機的状況を逃げ出すわけには行かないと強弁し、飽くまで辞する考えはない。

こうした時期だからこそ、あなたには任せられないと思うのは当然である。

何故なら、今時放射物質の拡散は、我が国だけの問題ではなく、世界の問題だからである。

世界各国から巨額の賠償を求められかねない、由々しき問題でもあるし、

原発を抱えている国家すべてが注意深く見詰めているのである。

 

オーストラリア政府機関の研究所による海洋汚染予測図

 

或いは今後各国とも、原発問題をどう扱って行くべきか、世界で議論が沸騰しているのだ。

weekly誌・「Nature」では時々刻々と毎週注意深く考察され報道されている。

とても隠蔽など出来るはずがないのに、この無能内閣は漸く観念したかのようだが、

悲惨な福島県の被災者を思うと、悪態の尽き放題言いたくなるのが自然だろう。

飯館村にはまだ2,000人の住民が避難していない。牛や馬の養子先を探しているようだ。

私は避難者から頼まれて、櫻塾に犬5頭と猫2匹を引き取った。塾生から可愛がられている。

ロープで縛られ餓死した多くのペットも知っている。ペットだって家族じゃないか。

避難先に何故連れて行けなかったのか悔やまれる。不衛生だからだろうか。

犬・猫専用のちっぽけな屋根つき施設だって作ろうと思えば簡単に作れるはずなのに。

かくも長く不在になる時、ペットはどんなに励ましになることだろう、哀れの極みである。

菅総理の答弁を聞いていると、貴殿には血も涙もないのかと噛みつきたくなってくる。

 

例えば原発事故による内部被爆者の労災を見てみよう。

過去そうした事故によって亡くなられた事例は10件存在する。

最大で190ミリシーベルト、最低で5,5ミリシーベルトでいずれも白血病で亡くなっているが、

現在の政権では、今回年間被曝量の基準を250ミリシーベルトと規定されている。

然も白血病に関してだけ労災が認められているが、あの地獄の建屋に入っている職員の

被曝量を想像すると恐ろしい。何故250ミリシーベルトと断定されたのか不可解。

そして病は白血病だけではないだろう。骨髄腫関係や多数の癌の病があることは明白だ。

過去の事例を無視してまで、本当に労災申請が出来るのか、何の科学的根拠もない。

現地雇用形態の中に居る作業員だって、信頼していない。嘆かわしいほどに程度がある。

 

梅雨空の中にも 多くの花々は さわさわと風にゆれて咲いている

 

視点を変えて菅総理を論じよう。四柱推命というのがある、生・年・月・日により運気や、

人の行動の予測をするものである。中国生まれだが、我が日本で独自に発達した。

我が亡き主人はこれに易学・気学・手相学・人相学を足して、より一層正確なものとし、

彼独自の方鑑帖を科学的に詳細に作成していた。私が一応の後継者である。

 

四柱推命の四柱とは生・年・月・日の、四つの柱のことである。

それさえ分かれば或る程度の運気や運命が分かる。公表されているのは年まわりと月周り。

年は40%、月は30%、日は20%、時刻(生まれた時間)は10%だから、残りは、

菅総理の人相で充分で、彼の運気の推測が出来る。この際これを当て嵌めてみよう。

年は八白土星で、月は三碧木星である。更に人相から推測すると、次のようになる。

 

性格はハッタリ性の典型で明るく繊細で、尚且つリーダーシップもある。相続の相も強い。

仕事は人一倍出来るのだが、お喋り過ぎて、墓穴を掘り易い。人を信用しない性格もある。

頑迷で、恨み型で、裏づけがないことも平気で言う。でも保身性が強いから時として

コロコロと変わり得る。多くの智慧を結集させるのに困難な性格で、宰相の器にあらず。

因みに戦後最も宰相の器があったのは田中角栄、その人である。

 

今回政権延命のために通常国会末にあたる6月末に議会を閉めようとした。

だが超党派(樽床氏や菅氏など)議員の申し入れによって、通年国会を了承したようだ。

当たり前じゃないか!この非常事態に当たりきしゃりきである。シャラクセェ!

これは明らかに延命策の一つに過ぎず、民主党中間派の離脱を恐れただけ。

聞く耳を持たない菅総理は、こうしたねじれ国会を乗り切る方策も度量もない。

谷垣禎一自民党総裁に電話で、電話でだよ!

救国内閣に入って貰えないかと、思いつきでちょいと打診したところ、

電話だけで、大きな局面を直ぐに返事しなければならないとしたら、

自民党役員との相談は当然のこととし、直ぐに返答はし辛いと応えたところ、

あっそうと言い放って、電話を切ったと言う。呆れた果てる申し入れであった。

女の子のふくれっ面と同じ程度なのである。我が家の娘だってあり得ない。

 

おもちゃの風鈴 どんな色にしようかなぁ!

 

今、民主党の菅総理と自民党の谷垣総裁と公明党代表・山口氏と党首討論が終わった。

聞いていたら、やはり菅総理は懲りない御仁らしい。危機感に余りにも乏しい。

現状把握が出来ていない。今夕自民・公明両党は内閣不信任案を出すことが決定的だ。

明日投票されるが、多分否決されるだろう。だが菅内閣が信任されたわけではない。

余りの対応の遅さや、未だに被災者支援が行き届いていない上、民主党内にも大きな

傷跡を残すことだろう。過去の歴史を遡り、こんな無能な内閣はなかったのである。

当然すべての責任は菅総理が負わなければならないのだが負いきれないはずである。

衆議院に多数を占め、大名にでもなっかたのような諸君、いずれは笹の露だろうて。

 


  福島第一原発・吉田所長の反乱

2011年05月28日 | エッセイ

小さな藪に 儚げな昼顔の花を一輪みつけたり

 

 

 

福島第一原発・吉田所長の反乱

 

 

先週国会の予算委員会で、菅総理の初動ミスについて、論戦があった。

ベントを開けるの開けないの議論から、海水注入を55分間止めた大失態の追求だのと。

斑目原子力安全委員長がそう指示しただの、再臨海はゼロではないと表現を換えたり、

東電発表も内閣の発表も二転三転し、大混乱。

「しっかりやる」と言ういつもの枝野官房長官の決めセリフは聞き飽きた。

「しっかり」とは自分の言質が人に取られないようにするためだけのことだ。

菅さんの「何か」と言う口癖になった表現も焦点をぼかすためだけにある。

まるで茶番劇。呆れて見てられない能天気な国会議員さまたちの議論であった。

気分を換え、フランス北部の町・ドービルで開かれたG8に飛んで行った菅総理。

冒頭の挨拶を底知れぬ得意顔でしていた。1000万戸に太陽光パネルを設置するとか、

当のエネルギー担当相の海江田万里も聞いていなかったと茫然と釈明する。

 

そんな中、又々東電から発表漏れを報告された。事実は福島第一原発の吉田所長が、

単独の判断で、海水の注入をし続けたと。炉心爆発していなくとも、メルトダウンをした

その炉心目掛けて、海水を注入し冷やすのが大正解の処置であった。

以前から吉田昌郎所長には一目置いていた私は実にホっとしたものだ。

東電副社長・武藤栄も、それを評価していたが、何とこの吉田氏を処分すると言う。

「貴様ぁ、何さまだぁ!」と私は思わず絶句した。あり得ないのは本社にいる貴殿たちだ。

 

当初、菅総理は東電に朝早く出向いて、潰してやるぅと罵詈雑言を浴びせ掛け、

斑目委員長と共に未明のヘリで現場に行った、その初動すべてが問題であるが、

原賠法の但し書き(予測不能な事故では賠償の免責が適用される)に拘る東電本社、

従って只管、官邸に阿る東電首脳陣が出来上がり、発表される事態は小出しに、

まるで官邸と東電首脳の蜜月ぶりを思わせ、気味悪くなったものである。

東電にはりつめの細野豪首相補佐官は、東電OBの元副社長・武黒フェローに任せきり。

聞き取り調査は何のために、東電本社へ出向いていたのか、これも大いに呆れる。

 

5月20日、東電の決算報告会見で明らかなように、清水社長は退任するという。

東大閥の東電役員人事の中で、初めての慶応義塾大学出身者であった清水社長。

新社長は西澤俊夫氏。京都大学卒の原発立地担当部署出身だ。

だがここでも摩訶不思議な人事が?何と勝俣恒久会長(ってかエンペラー)は

そのまま残っていた。柏崎刈羽原発の責任を取り社長を退任したのに、まだ居た怪物。

流石、財界の勝俣三兄弟は経済界では知らぬ人はいない。当然、院政を敷くのだろう。

 

官邸と東電本社と、駆け引きやら、情報開示のあり方やら、一人呆れていた御仁は、

現地の吉田昌郎所長ただ一人。現場を知らずして何が分かるか、作業員の待遇も、

今まさに逼迫していると、現地から悲痛な声をあげていた人だった。独断で注水をした。

東工大大学院を卒業し東電入社。一貫して原発畑を歩いてきたスペシャリストである。

子会社孫会社の作業員全員を把握し、カリスマ性もあり、何よりも現場に精通している。

私は何事も彼のような現場を重視する生き方に共感する。それが何故処分?

吉田所長に、現場作業の全権を預けるぐらいの度量はないものだろうか。

これは官邸・東電役員の対応に不満を持っていた吉田所長の反乱であり反骨である。

国際原子力機構(IAEA)の調査団を案内し、独自に懇切丁寧な説明をする彼の

姿が印象的である。私は吉田所長の更迭など、考えられるすべての処分に断固大反対だ。

 

(尚、吉田所長の処遇は法律上問題がないとして、このブログをアップした直後、

処分しないと言うニュースが流れた。現場を次に熟知している人が誰もいないのに、

何たる浅はかさよ。何が法律上だ。更に隠蔽していた放射能値も発表されたが、

東電幹部には呆れ果て、私は全く信用していないことに変わりはない)

 

サミットでは情報開示を徹底して求められた菅総理。さもありなん。

フランス大手有力新聞のLe Mondeを読んでみると、菅総理の記事はホンの些細なもので、

’12年に、日本で原発の安全基準を議論することを提唱したという記事だけであった。

原発推進国・仏国としたら、再生可能エネルギーを菅総理が言ったところで取り上げられず、

大見出しは中東の春をどうやってG8で、民主化を応援するかという議題が大きかった。

国内にいる海外記者団に、詳細な情報も開示せず、全く信用されていないのである。

菅さんの記事はそうだなぁ、一面で200分の1ぐらいのちっぽけな記事だけ。

 

サミットに出掛ける直前に聞いた、ソフトバンク・孫社長発案「電田プロジェクト」を標榜した。

いつもスポット的に俄か勉強で、誰もついてゆけない事態、場当たり主義の極みである。

何の採算や裏づけがないことを、平気で公言する全く軽薄な菅さんの退陣を強く求める。

経済界・教育界・警察・防衛省、更に各地自治体など、あらゆる機関に何の相談もなく、

根回しもない仕業がリーダーの資質と勘違いしているらしい。人の意見を聞くのが大嫌いだ。

宰相の器にあらず、野党時代の誠実さを忘れ、権力にただ盲執する醜悪さ。見ておれん。

それにしても自民党もだらしない。永年原発を推進してきた経緯を自己批判すべきである。

 

フィンランドでは核廃棄物施設を地下数千メートルに立派な施設を作っている。

フィンランド政府は核燃料棒が安全になるのに、10万年掛かると公式に発表している。

核は武器であり、これほどコントロールし辛い人工のものではないのである。

安全神話は電源三法という恐ろしく周到な悪法によって守られているから始末が悪い。

 

「ところでこの5月27日 参議院行政監視委員会に、
小出裕章、後藤政志、石橋克彦、孫正義の四氏が参考人として招致された。
原発事故の実態、そしてこれからの原発について、それぞれ鋭い意見を述べていたが、
彼等のこれまでの活動ダイジェスト版とも言える、そして最も強いメッセージを発していた。
私は、YouTubeで中継放送されたのを注意深く見ていた。小出氏は事故直後の東京は
20ミリシーベルト/毎時の内部被曝に達した可能性を解き、ドキリとした。
後藤氏は格納容器の設計者として、福島原発のリスクを解説していた。
石橋氏は地震学の観点から、最も危惧される次の場所は若狭湾だと断言し驚愕した。
孫氏は新しいプロジェクトを「電田プロジェクト」と位置づけ、休耕田の利用を説いた。
こんな大切な参考人聴取を、NHKや他局でも、何故放映しないのか。
やはり原発問題は政・官・財、及び報道機関の責任を同時に痛切に感じた次第である。」
 
 

帰国後、菅総理はどんな自慢話をするのだろう、楽しみである。

お土産は、国内で手薬煉引いて待っている菅内閣不信任案の可決だろうか。

未だに10万人以上も避難所暮らしをしている方々がいるというのに!

この愚か者めらが!!

 


  火事場泥棒

2011年05月12日 | エッセイ

古樹だが キミも短き花の生涯

 

 

火事場泥棒

 

 

東日本大震災以来、急激に増えていることがある。

それは中国空軍とロシア空軍の日本国領空侵犯だ。

尖閣諸島付近に中国空軍が領空侵犯し、二百数十回もスクランブル発進をした。

ロシア空軍では、北方付近上空を含め北海道上空へ領空侵犯し、

実にこの二ヶ月間に、五百回以上の自衛隊機がスクランブル発進した。

この両国の領空侵犯事犯は平時に比べ、ダントツに異常な数値である。

 

中国では太平洋沖へ領海を広げて行く野望を捨てていない。

小平時代、策定された中国領海は我が国の沖縄も平然と入っている。

排他的経済水域ギリギリのところで進められている油田開発は当然と言わんばかりで、

尖閣諸島は、無論中国の領土と堂々と公言され、先の領海侵犯事件で、

海上保安庁の巡視艇に激突してきた漁船の船長は英雄視扱いされている。

小平の画策はあのポルポト派援助で、中越戦争を引き起こし、あえなく失敗しているが、

南沙諸島・西沙諸島への野望と領有権を争い、今でもベトナムとは冷えた関係だ。

 

確かロシアが共産主義時代、既に日ソ共同宣言が出された筈。

ノーベル文学賞作家のソルジェニーツイン氏は、

自著『廃墟の中のロシア』で北方四島帰属問題について日本を擁護した。

複雑に混迷化させているのはロシア国家そのものである。

更にロシアの歴史を調べてみれば調べるほど、ロシアの国民性って言うのは、

出る釘を打つのは当然で、お尻の引っ張り合いの歴史が現代まで続く姑息な歴史だ。

まして鈴木宗雄が主張した二島返還論も一切関係なく、過去に北方問題はないと、

言わんばかりのドミートリー・メドヴェージェフ現大統領の北方視察や、

今秋この北方四島に、新たに決定された移動式攻撃型核ミサイルの配備で、

原爆の落とされた日に、中立条約を一方的に破棄し参戦してきた卑怯な国家が、

ロシアの本性である。二島返還どころか、核ミサイル配備とは、ホトホト厭きれ返る。

 

千年に一度の未曾有の大災害に逢って苦しむ日本を、嘲笑うかのように、

両国の信じられない軍事的行動が目立つ。全自衛隊員の約半数を掛けて、

復旧・復興にシャベルを振るい、ヘトヘトな状況を完全に馬鹿にしている。

 

我が国家の危機は、地震・津波・原発問題だけではなく、

今そこにある危機が存在しているのだ。辺野古移設を断念しつつある菅内閣によって、

普天間基地移設問題は、経済的理由を根拠に間違いなく凍結されることだろう。

政党として体を成さないウチ向き内閣はもう完璧に要らないし、たくさんだ。

どんな国家にするか、私たち将来の国家像も描けない連中に絶対に任せられないと思う。


我が家の庭の花々を 自衛隊の諸君にささく 日々お疲れ様!!

 

ベトナムから発注を受けた原発二機。偉そうに我がセールス・パワーだと胸を張っていた。

その人は誰だっけ。菅さん、貴方自身なのですよ。浜岡原発の停止はよしとしても、

何事もパフォーマンスにしか、国民の眼には映らない。万一愛国心があったのなら、

貴方の引き際をキチンと考えておくべきでしょう!

 

根室で これから咲く千島櫻 (五月下旬から六月初旬に咲きます)

北方四島七ヶ村の方々が 本邦に持ってきてくれた可愛い櫻

故郷の櫻と共に 貴方たちと 私たちに平穏な時代が来ることを念じつつ

 


  気仙大工の心意気

2011年05月09日 | エッセイ

既に93戸が完成し 入居が始まった住田町の木造仮設住宅

 

 

気仙大工の心意気

 

 

発災後、三日目にして、独自の決断と心意気を示そうと始めた住田町の

仮設住宅は既に93戸を超えている。被災地より内陸部にある住田町は、

町の約9割の面積が森林地帯で、三月下旬私たちも見学に訪れてみたのだが、

実はこの住宅は連棟ではなく、独立したちゃんとした立派な木造住居だ。

2DK・30平方メートルで、エアコン付き、テレビまで付いている(町費負担一棟250万円)

この決断の早さ、そしてこの木造で住むことが出来る被災者の安堵感、察して余りある。

 

この辺は気仙スギの一大産地で、森林・林業の日本一を目指していた。

隣接する陸前高田市や大船渡市から、既に出来た順に入居が始まっているようだ。

「気仙大工」とは「大船渡」、「陸前高田」、「住田町」、「三陸町」の二市二町にいる

古名でいうなら「気仙郡の大工」のこと、誇り高き大工文化を継承している人たちのことだ。

その沖合は、北からの寒流と南からの暖流がせめぎ合う豊かな漁場をつくりあげ、

そして、リアス式と呼ばれる入り組んだ海岸線は美しい造形美を見せるとともに、

浜ごとに古色蒼然たるたくさんの文化を育んできた。

 

五葉山(ごようざん、標高1351m)を主峰とする山並みは、

北西からの寒風をさえぎり、黒潮の暖気は降雪を和らげていた。

「気仙よいとこ 寒九の雨に、紅い椿の花が咲く」と、

菊池多記翁が気仙甚句に詩いあげたように、

岬には自生の藪椿(やぶつばき)が、寒さにめげず、

赤や白の蕾(つぼみ)をほころばせる温暖な椿の里でもある土地柄だ。

 

気仙匠の里への来訪は、船で入港する以外は、

気仙坂と呼ばれる峠の坂をいくつも越えなければならなかった。

他郡の人々はそんな気仙を「……十坂めには鉋(かんな)をかけて平めろ」と

囃(はやし)たて、気仙に対する羨望の気持ちが込められていたのだろう。

なぜならば、この境界こそが唐竹をはじめ様々な植物の北限の地であり、

三陸の豊かな海から獲れる吉浜鮑(きっぴんあわび)をはじめとする

魚貝類、五十集物(いさばもの)、塩等が搬入された古来塩の道(ソルトロード)であり、

平安末期には平泉黄金文化を支える一大産金地の貴重な

黄金の道(ゴールデンロード)だったのである。

今般「平泉」が世界遺産に推奨された経緯の背景は押して知るべしの感が高い。

 

気仙の地はこのように北国の地にあっても、

温暖で豊かな自然と産品に恵まれ、

そして文字通り黄金を数限りなく産出した黄金の国とも呼ぶべき地域であったのだ。

気仙の匠の集団が今日に至るまで、その心と技を綿々と伝えたのは、

この気仙の豊かな風土と歴史に無縁ではなかったに違いない。

三重塔や大門や大寺・古社殿の重厚な建物は元より、

透かし彫りの欄間や長押の上蓋(鼠走り)や技巧を凝らした戸袋などまで、

今日でも、その偉功が脈々と伝わっており、我々も眼にすることが出来る。

平泉藤原一族が活躍した時代から、簡明で上品で気骨に満ちた作風で溢れ、

世界遺産という栄えある栄誉の根底を成していたのである。

 

遅々として進まない菅内閣主導の仮設住宅に、怒涛の気合を入れることだろう。

復興とは金だけでは絶対にない。発想そのものが貧困の極みである。

脈々と続く地元伝統のパワーと気品と精神力こそ復興の原動力になることだろう。

 

落椿 散っても尚鮮やかに!


  Stevie Wonderさんからのメッセージ

2011年04月30日 | エッセイ

偉大な歌手・Stevie・Wonderさん

 

 

Stevie・Wonderさんからのメッセージ

 

「日本を訪れるたび、日出ずる国の温かさを感じてきました。

日本の皆さんと音楽を分かち合う恵みを得るたび、私の『家族』である皆さんの

惜しみない愛と敬意を感じています。

 

今、あなた方の国が直面する途方もない試練を思うと、心は哀しみでいっぱいですが、

未来の希望を夢に見ています。私は障害者担当の国連平和大使を務めています。

あなた方とあなた方の国、とりわけ障害を持つ方々やお年寄りたちと、私は一体です。

これまでと同様、あなた方の粘り強さが身を守り、地震や津波の影響を

乗り越えられると、私は信じています。

 

日本人の勇気と尊厳には、本当に心を打たれます。

最も恵み深く美しい国、日本の人々に、

世界の人々が祈りと希望、そして夢を伝えているのです。

 

私は、あなた方のためにここにいます。何故ならあなた方を愛しているから。」

 

(読売新聞 『復興』をめざして by Stevie Wonder)

 

 

ビロードのような肌触りの 上品な椿 落椿す

 

 

<硯水亭からのご提案>

 

この連休に、大勢のボランティアが東北に行かれるようですが、

安易に行かれることについては、硯水亭は反対です。

既に13万人のボランティアが入っておりますが、自己完結型で行かねばならず、

ましてや決して物見遊山で行って欲しくないからです。東北の方々は、

辛抱強く我慢強いのですが、それが繊細な壁でボランティアの障壁になっています。

東北人の優しさは、あの悲惨な事故にあっても、絶対に希望を捨てないのですもの、

大丈夫、みんなで故郷に帰れるのだと信じましょう。

但し永い時間を掛けて、息の長い支援を続けましょう。

 

復興まで多分、永く掛かるだろうと予想されます。

時間が経ったら是非とも、各種のボランティアをお願いします。

一時の気分ではなく、本当に復興されるまで、支援の輪を縮めるべきではありません。

私たちのグループに、特別介護老人ホームがあるのですが、そこから3人交代で、

現地へお手伝いのヘルパーさんを送りこんでいます。無期限です。

ヘルパーさんがいたって、どうしようもない場面があり、お年寄りたちは困窮しています。

若い人が逝ってしまって、私なんかいっそのこと死ねばよかったなんてね。

でも貴重な体験を持つお年寄りを、私たちは易々と諦めるべきでは決してありません。

私たちは、現地の自治体の皆さんが今もって休みを取らず、

必死に頑張っておらることに憂慮しています。

自衛隊や海上保安庁や、全国から集まった警察や消防関係者へも、

その方々に、心からなる誠を尽くしたいと痛感しています。

痒いところに手が届くような、そんな支援の輪に、広げて行きたいものですネ。

 

硯水亭歳時記

 


  49日と、ドナルド・キーン教授の日本帰化

2011年04月28日 | エッセイ

                  キーン先生

 

                     

49日と、ドナルド・キーン教授の日本帰化

 

今日はあの残酷な災禍から、ちょうど49日。

7日づつ御霊をお慰めし、49日までに戒名が書かれた位牌を手配し、

来世でも幸福な日々を過ごして戴きたいと念じる日に当たる。

私個人関係の犠牲者は、日が経つにつれ増え続けている。

まさかあんな方までなんてと驚きと困惑と。十数名に及ぶ。

過酷な避難生活中、充分な医療や介護を受けられず、そこで亡くなられた方もいる。

生前、あんなにお元気で、私たちを逆に励ましてくれたのにと、しんみり思い出す。

49日には故人は次第にあの世へと近づき、そして遠のき、ホントの別れの時だろうか。 

たった一つの救いは同時期に一緒に逝かれた方が圧倒的に多いことだろうなぁ。  

今朝も、丁重な読経をささく。神棚にも二礼二拍手一礼を深々とささく。 

 

 日本文学の恩人で、コロンビア大学名誉教授ドナルド・キーン先生の退官に当たって、

NYの大学講堂では、昨日最終講義が行われた。題名は『能の歴史』。

沖縄戦では日本語通訳として従軍されていた方だが、日本を誰よりも愛された方。

半世紀にわたる同大学とも別れを告げ、今回の震災を機に帰化することを決めた。

「震災で決心した。日本国民と共に何かしようと思った。

言葉も大切だが、行動はもっと大事。私は日本を愛している」と。

日本国籍取得は、日本が再び復興することへの期待と確信の表現である。

「終戦直後、私が観た東京を8年後に再訪すると、不死鳥のように蘇っていた。

日本が震災後、更に立派な国になることを信じているから、

明るい気持ちで行く」と明言されていた。 

 

1950年代、キーン先生は芭蕉行脚の、「奥の細道」への旅に出た。 

「松島の旅館二階から眺めた松島の美しさ」。度々東北行脚の旅が始まる。

 又、「中尊寺ほど素晴らしいものはなく、何故ユネスコの世界遺産に入っていないのか、

摩訶不思議で、そんな東北が震災で打撃を受けた。本当に酷いことだ」と。

アメリカでは今ほど日本に関心を持ったことはなく、

日本は頑張っていると評価し、募金活動が活発になり、

一般市民に支援の輪が広がっているようである。

「日本人の礼節と落ち着きが多大な共感を得ている」と。

最終講義では、「能の素晴らしさも、是非体験して欲しい」と万雷の拍手喝采を受ける。

中でも最も重みのある言葉は、「何よりも私が日本にいることだ」と強調した点だ。

 

 「今後、もし私の講演によって元気になるのだったら、喜んでお話したい」とも。

司馬遼太郎や川端康成や三島由紀夫や安部公房など、蒼々たる文学者と交流があり、

1940年、NY古書店店頭で、何とたった49セントで売られていたアーサー・ウェイリーの、

翻訳した『源氏物語』に大感激してから、日本文学にご興味を持たれたのである。

司馬遼太郎との対談も面白かったし、明治天皇の著作も大変興味深かったが、

右翼から脅されなくて残念に思っていた覚悟の座った御仁である。

 

今後教授は「正岡子規評伝」の仕上げや、

平賀源内や石川啄木などを書く可能性を示唆し、

新鮮な視点で、モノを見、受け止め、特徴ある研究を続けたいと抱負を述べる。

東京都北区のご自宅では先生のお帰りを待っていることだろう。

88歳、そんなに時間が残されていないと感慨深くし、余生を日本にいることに、

全霊を捧げようとされておいでである。

この際私たちは、教授のご決断にどんなにか励まされたことだろう。

 

キーン先生の考える、あるべき姿の日本の復興とは何か。

過度の電力依存により季節感を失くし、日本人のアイデンティテーさえ、

どこか遠くへ追い遣った戦後日本を総括し、しっかり根付いた日本人であるべきだ、

そうご主張されていらっしゃるような気がしてならない。根っ子から復興をと。

あの日から49日、今日あちこちで、寄せ集めの49日の法要が行われている。

亡き御霊にお誓いし、生きている私たち皆が社会の一員であることを、

改めて実感するのである。

 

亡き主人(スーちゃんと誕生日が同じ)の日光の油彩の前に

野の花が大好きだった主人に キバナナズナをささく(我が書斎にて)  

 


  草木国土悉皆仏性

2011年04月27日 | エッセイ

お空と雲と あはれ (4月22日)

但しいわき市の、田植えされる見通しのない田んぼに水が張られていた!

 

 

      草木国土悉皆仏性

 

  1.  数千万年前の地球は現在の世界地図ではなかった。ほぼ各大陸がつながっていて、その後地殻変動などによって、現在のカタチになったものである。悠久の時のうち、ホンの一瞬だけ生かされている私たちに、自然へ想定外などあるものかと思っている。巨大地震や、信じ難いほどの強い暴風をもたらすサイクロンやハリケーンなど、想定する人間のほうの遥かに浅はかさなことだろう。みな人の都合で解釈されているだけである。今度の災害で、想定外などという言葉はもう二度と聞きたくない。原発設計がその最たるものである。津波の高さは僅か5m、震度はたった7,0マグニチュード。過去の事例からしても、津波の高さは30m、9,5マグニチュードだったら、予測の範囲の中に入るのかもしれないが、これとて決して安心出来る数値ではない。放射能物質が拡散し続け、あの美しい瀧櫻の咲く三春町や、高村智恵子がいつも話していた安達太良山の空が智恵子の本当の空だと言う宇宙空間にも既に大量な放射性物質が飛散しているのだろうか。漸く発表された飛散マップに、私たちはまだまだ疑心暗鬼にならざるを得ない。それほど深刻であるということだ。
  2.  私たちは長年、「原発の安全神話」に翻弄されていた。日本の原発設計は完全無比だということで、過去の検証もせず怠り、自ら原発のセールスマンとほざき、ベトナムから原発受注をしたと胸をはってみせていた、あのスッカラカンの菅さんって、自民党時代永く続いた原発政策の見直しもせず、何とも恥さらしなことだ。ドイツのメルケル首相は完全な原発推進論者であったが、今回のFukushima原発事故以降、豹変し、原発建設反対論者になった。駄目だとなったら、一変豹変したっていいものである。現在世界中のテレビ放送で、日本の原発事故のことと、津波など大震災を受けた三陸地方の瓦礫の山だけを連日放映し続けられている。これじゃ知らない普通の人は日本国中瓦礫の山と想像するだろう。特にCNN(アメリカ)ではアメリカ軍の活躍しか放送していない。但し米軍が原発で活躍する放映は殆ど見られない。フランスのF2も、BBC(イギリス)も、中国・新華社電送局も然り、その実態や、多くの日本の現実の姿を放映することがない。これは世界中に、風評被害をただだらしなく撒き散らしているだけであり、日本政府の外交方針はどうなっているのだろう。発信力は極めて弱く脆いと言わざるを得ない。
  3.  確かに昨日26日で、チェルノブイリ原発事故から25年経ったが、レベル7に格上げされた福島原発事故は、それと同等に見られている。不思議といえば不思議である。あの事故は予め想定されていたロシアの国策事故であったが、炉心が露出していない分だけ、我が国の事故のほうが遥かにましである。中性子運動の計算がまだ機能し制御されていると観ていたいのだが、東電の幹部や経産省や、安全保安委員などどうしても信用出来ない。そして近頃は細野剛首相補佐官と東電と保安委員がそろって記者会見しているのだから尚更だ。別々に会見すれば言葉のニュアンスや、微妙な差異に記者団も気づくものを、わざとそうしているのである。原発関連ニュースはすべて一方的で、私たちはその検証のしようがない。何と言っても、炉心溶融(メルトダウン)しているのは菅総理、その人なのだから、どうしようもない。笑うにも笑えないのである。私たちがもっと冷静になれるためにも徹底して情報公開して戴きたいのみである。
  4.  東電は電気事業を鉄壁の防護服で身を固め、強引に独占してきた企業である。需要と供給のすべてを独占し、他の追随を全く許さなかった。従って原子力以外のエネルギー問題を完全に封殺してきたのである。地熱電力について最も進んでいる国家は我が日本であるが、何故か原発のみに集約されてきた歴史がある。原子力だって、限界のある地下資源の一部に他ならないが、地熱利用には限界がなく、でも一向に省みられることはなかった。東電の責任の重さは半端ではない。今回の事故での賠償問題だって天文学的数字(数百兆円)になるはずで、それなのに政府と東電は今から一体となって、生き延びようとしている。そしてこのことが既成事実化されているかのようである。東電を一時国有化し、見込みがついたら、しっかりした母体を再構築して渡すとか、そうした手法を何故考えないのだろうか。足利銀行再生の手法を取ればいいのにと、これも不思議なことである。菅総理は、今回のすべての災害を人質にとって、延命しているとしか思えない。そこまでして権力とは魅力があるのだろうか。増子議員(被災地出身の民主党議員)の質問に対して何の明瞭な回答が出来なかった菅総理、厭きれるばかりである。最低でも、太平洋プレート真上にある浜岡原発を直ぐにでも止める勇気がないのだろうか。
  5.  当家にはペットがいる。ペットと家畜に差があるだろうか。牛や豚だって、我が家族ではないのか。昨日の予算委員会で、質問者にも回答者にも、酪農のことを質疑応答する場面は皆無であった。農業と水産業の件だけだったのが何とも歯がゆい。南相馬町でも、多くの立ち入り禁止になったエリアに多くの家畜がいる。家族と苦楽を共にしてきたペットもすべて置き去りにされている。中越地震の際、山古志村では牛の、ヘリによる搬送が、人間より先であったことを思えば、何とも残虐なことである。ペットや家畜が次々に死に、或いは野生化している現状を観ると、何とも悔しくて哀しいのである。幸い千年の歴史を持つ「相馬野馬追」は20キロ圏内に入っていないが、あの圏内には家族と共に生きていた百頭の馬だっている。酪農・農業・漁業・林業と共に、地域のアイデンティテーとして残されてきたものである。無能内閣のもとで、兎角増税論議ばかりが目立ち、ちっとも中身のある論議がなされていないことに違和感を禁じえない。今度被災した中に残念ながら相当数の民俗行事があったことが次第に判明しつつあり、重苦しい気分が更に日をおびて増してくるのである。
  6.  敦賀原発を北朝鮮が核攻撃をして来ないと、誰が保障するのだろう。万一あっても想定外などと絶対に言わせない。日本の南から北まで僅か三箇所程度の原発への核攻撃で、日本は完全に撃沈するのである。米軍を頼りにしたって、米軍は攻撃された後なら兎も角、あの重い腰をあげるわけがないのである。海外からの義援金で最も多かったのは140億円で、台湾国民からであった。菅総理は主要七カ国に対して本人のサイン入りで御礼の広告を載せたが、台湾には中国を意識してか、一切それらしい行為が未だにない。過去様々なことがあっても最も親日的な国家に対し、余りにも残酷な仕打ちではあるまいか。あるべき国家像が完璧に喪失されているからなのか、菅総理だったら、まぁこんなものだろう。代わって、このヘナチョコな硯水亭ブログにて台湾国民に対し、衷心から感謝と御礼を申し上げたい。謝々!
  7.  以前、「硯水亭歳時記 Ⅱ」ブログで、我がハンドル名を普賢・文殊としていた。福井県の敦賀や美浜の、新型転換炉「ふげん」、高速増殖炉「もんじゅ」を意識してのことだったが、今回の敦賀市長選挙で四人の立候補者がいて、たった一人の原発反対論者がいなかったのが現実である。如何に市民が原発で働いているかの証拠であり、市民レベルで福島原発事故の教訓から不安視されているにも関わらず、事実皆無であったのが哀しい。福島原発で実際に働いておられる方々はすべて現地の民間人であり、ある場所へ避難している六人の児童から原発について尋ねられると、胸を張って、自分たちのお父さんを誇りに思うと口々に言っていた。出来たら将来原発で働きたいとも。特攻隊とも言える仕事を余儀なくしているのは、あんなに劣悪な環境の中での冷たい食事や、廊下で仮眠を取れるか取れないかギリギリの寝床だけなのに、痛々しい。さりとて放射能が移るから近づかないでと言った、イジメに近いカタチの、船橋の児童たちの会話を絶対に容認出来るわけがない。果たして本当に原発が必要かどうか、賛成論者も反対論者も、堂々と、国民的議論をさせる場を提供するのがマスコミ界の責務である。曖昧模糊としたままではいられないはずである。「ふげん」と「もんじゅ」は御佛さまをお守りする脇佛で、釈迦如来か阿弥陀さまが中央にいらっしゃって御守りするお仕事をしているわけだが、まさか菅総理は中央の佛さまのつもりじゃないんだろうねぇ。佛さまにとって代わるべきなのは、全国民の安全・安心であり、それがホントの佛心というべきものであろうから。
  8.  反菅、親小澤かなんだか知らんが、民主党の一部議員(60名)が集結し、「総調和の会」なるものを昨日立ち上げたようだ。ちゃっちゃら可笑しい。土台、副代表の山岡賢治なる御仁の、あのずるそうな顔は大嫌いである。鳩ぽっぽも参加していたが、こうした議員たちを持つ国家は不幸の極みである。政党として体を成していないばかりでなく、こうして国民を欺いて政権交代を果たしたのかと思うと、我と我が身に腹が立ってしょうがない。もし自公連立政党の人たちが総理の問責決議案や内閣不信任決議案を求め、それに同意するのだったら、或る意味でありかなとも思わぬでもないが、またぞろ裏切られるかと思うと、馬鹿馬鹿しくて蚊帳の外にいる他はない。ツベコベ言わずに、後手後手にならぬよう、しっかり対応して欲しいと念ずるのみである。薄緑の、櫻若葉の葉陰が一気に濃い緑青色がそろって来た。季節の移ろいは早く、梅雨のジメジメした時期も、集団避難所におられる方々を想像すると、ぞっとする。だって無能な菅総理は仮設住宅の完成するのがお盆明けとへいちゃらで答弁しているのだもの。一晩ぐらい現地で泊まってみたらいい。更に国交省では9月末で6割の入居確立だと言っているから、政府の意思統一はどうなっているんだいと、愈々情けなくなる。国の行政に任せておけないと判断した自治体ではログハウスのような連棟ではないちゃんとした技術と現地産の木材で建てはじめている。菅さんは、ディベートは得意であるかも知れんが、人の心を真に受け止め、真摯に応えることは殆どないのである。
  9.  地味な記事だが、天皇・皇后両陛下が日帰りでコツコツと避難所巡りをされていらっしゃる。昭和天皇は沖縄巡幸にどうしても拘ったものであったが、無念かな果たせなかった。ヘリで那須の御用邸から、一人でやって来た最期の平和式典。あの折の昭和天皇の、淋し気で痛々しいお姿をテレビ画面で拝し、叶えてあげたかったなぁと、今もってつくづく思う。天皇制は日本文化の象徴である。皇居のお掃除奉仕をさせて戴いた折、今上天皇にご挨拶戴いた。そのオーラは計り知れないものがあり、平和を祈念する象徴として護持し奉らんと思ったことである。出来うれば、苦衷の中にいらっしゃる皆さんに、このご巡幸により少しでも安らいで戴きたいと願いたいものだ。
  10.  この国難にあたり、避難の必要がない方々はせめて景気浮揚の行動のうち、平穏無事であって欲しいのに、重戦車のような重機で跳ねられ、亡くなられた六人の児童は痛ましい限りである。その翌日も三人の児童が自家用車に跳ねられた。ニュースは観たくない気分が横溢する。だって泣けてきて堪らないんだもの。何と義援金欲しさに、金を詐取する者もいる。現場では強盗団のような存在も無視出来ない。特に原発被害に合われ、無人化した地区にいた(今日の検問は京都府警担当で、今は無理だろうが)。明後日イギリスではウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんの華やかな結婚式がある。CNNJ放送(302チャンネル)では日本時間13時から23時まで完全生放送が予定されている。せめて少しの時間でも、晴れがましい様子を見ようとも思う。だが漸く櫻の花が満開となって北国の民人に、深く深く思いを籠め、櫻の花は上を向いて観てご覧と申し上げたく。片時も、一瞬でも忘れまじ。だって明日28日は震災から49日に当たるのだから。

 

  「硯水亭歳時記 Ⅱ」 ブログ内記事 『普賢と文殊』

http://madenokouji.wordpress.com/2010/01/30/%E3%80%8C%E6%99%AE%E8%B3%A2%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%80%8C%E6%96%87%E6%AE%8A%E3%80%8D/