goo blog サービス終了のお知らせ 

硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

   「ノーサイドにしましょう、もう!」

2011年08月31日 | エッセイ

日本記者クラブでの立候補者会見 (2011,8,27  午後2時から)

 

 

  「ノーサイドにしましょう、もう!」

 

 史上最悪のパフォーマンス、及び思いつき内閣の菅総理がやっとこさ退陣し清々した。新たな民主党新総裁、及び新総理がこの月曜日に選出された。初回二位だった野田が、一位の海江田を、決戦投票では堂々と破り、実質小澤排除が出来たのだが、代表選挙では野田の巧みな心の籠もった演説が功を奏したのではないだろうか。海江田は小澤の指示を受け、そして濃厚な影が見止められ、経産省で強力に推進していたTPP交渉を棚上げにした。情けない海江田。おまけに、民自公・三党合意まで白紙に戻すというから、何をか況やである。かの小澤一郎は数と金の論理だけで、イデア無き政局屋でしかなく、常に壊しては何をやりたいのか、未だにサッパリ分からない。小澤詣でとか言い、20年前のいつか見た光景として、またぞろ思い出されたものだ。菅は「やれることややった」と最後になっても駄法螺を吹き、いやはや鳩山の大馬鹿者の嘘つき内閣と言い、それから言われるペテン師呼ばわれされる菅内閣と言い、民主党には全く明日がなかった。正論を語り、国家観のある野田は民主党の最後の砦である。民主党の瓦解はどうでもいいが、国家が沈没する危機にある現状をどう具体化して、政治が機能するのか、最早後戻りは出来ないのである。野田の父親は越中八尾の農家の出で、六人兄弟の末っ子。母親は船橋の農家の出で、十一人兄弟の末っ子である。父親が自衛隊空挺部隊所属(習志野市)であったことから、母親と出会い結婚。野田佳彦が誕生した。シティー・ボーイの筈だが、泥臭いのはこの出自のせいかと胸を張り、過去24年間に渡って、津田沼・船橋・西船で野田を見ない朝はなかった。「駅前留学はNOVA、駅前演説はNODA」だと公言し、雨の日も風の日も雪降る日も駅頭で「朝立ち」し、この奮闘は財務大臣になるまでずっとこうした辻説法が続いた。松下政経塾第一期生の野田の真価はこれからが問われることになろう。五人の候補者の中で唯一耳障りの悪いことを発信していた正統派政治家である。勇気があった。課題は甚大で巨大で、アレもコレもと山積みである。感動的な多くの野田の演説は人を魅了し、この人は人を動かす。鬼っ子憎まれっ子の小澤はもういいだろう。又ぞろ三つに分かれていた親小澤派は一つに纏めるために暗躍しているらしい。これは新総理を牽制しているのだろうが、三党が大震災や税と社会保障の一体改革で益々充実し合意形成して行くとなると、劇的に小澤の権威が薄れて行くのが怖いだけの小心なオトコである。新党を作って出て行きたいなら、さっさと出て行け。岩手県出身でも被災地に入ったのは確かたった一度であったかと思う。岩手県には子飼いのマナ弟子である達増知事がいるからいいのだろうと高を括っているだけのことだが、被災地では選挙の時しか来ないと言う被災者の厳しい声もあることをはっきりと紹介しておこう。ともかく最後の切り札である野田佳彦総理の奮闘に期待しよう。

 最も大切な課題は財政再建の道筋をつけることである。大震災や原発事故対応も当然のことだが、与党だろうが、野党だろうが、等しく財政再建の視点に立つ施策があって当然だろう。この二年間の民主党の、最も恥ずべき総括として、外交戦略の課題が最重要課題としてあげられる。外交戦略なくして、我が国の未来はないのである。そうした意味で、中身の部分で保守本流を匂わせる野田には最後の期待をしたいものである。

 

広域放射線漏洩時期と線量調査結果

 

8月17日時点での放射線量調査結果

 

6月14日時点でのセシウム線量調査結果

 

 本日8月31日で、福島・宮城・岩手三県において、体育館などへの集団避難場所がすべて撤収された。この間、私たちは途切れることなく被災地に行き何でもやった。絵本の読み聞かせや、瓦礫の撤去作業や、家々での片付けや、ヘドロの掃除や、避難者との濃密な会話や、イベントなど、多くのことに関わって来た。まだまだ足りないが、被災者からどれだけの勇気と、「しおらしい」美徳を学んだことだろう。特に酷いのは福島県で、終わりなき闘いを強いられている。最後に菅が佐藤知事に挨拶に行った時、「放射線物質の汚染物はすべて県内で処理してもらいたい」との強い要請に対し、佐藤知事は激怒した。根回しもなく、再び唐突に言う気かと。原発事故の対応も幼稚で遅く、何とSpeediを隠蔽し、地元には何の情報公開もしなかった罪悪は万死に値する。因みに最初にSpeediから情報が発信されたのは3月12日のことであり、政府官房の発表は何と二ヶ月近く遅かった。よく枝野官房長官は「しっかり」とか「安全だ」とか言う言葉は弁護士としての言質を取られない範疇だけで、一切信用ならなかった。3月末にやって来たIAEAの職員は飯舘村の線量が高いと既に警告し指摘していたのに、同心円の危険区域の設定だけで、全く稚拙であったばかりか、この対応の遅さは決定的であった。何故なら殆どの放射性物質の飛散は、事故後に起きた水素爆発時に99%と決定的であったからである。つまり初動がすべてであった。

 今回組閣に当たって、細野原発担当責任者と、平野復興責任者を替えるべきではない。そして権限と莫大な資金を与え、復興庁は福島市に置くべきであり、地方自治体をもっと信用すべきである。彼らは永田町にいる貴方方より遥かに真面目であるからであり、更に除洗作業を一刻も早く実施すべきである。能天気でパフォーマンスに終始した菅と、普天間問題で嘘つき宇宙人になった鳩山の馬鹿ボンとの負の遺産を、野田総理は同時に背負わなければならず、民主党が再生するかどうかも含めて、ズシリと肩の荷が重かろう。敢えて火中の栗を勇気を持って拾ったのだから、スピード感と決断出来る内閣になって貰いたいと祈るばかりである。ドジョウ内閣がどのような内閣になるのかも楽しみで、最後っぺとして勇断を奮って貰いたく切にお願い申し上げたい。

 世界では欧州の金融不安、アメリカの先行き不安感で、株価は大幅下落。中国は着々と海軍増強にあり、ロシアの北方領土では北朝鮮労働者で、槌音が聞こえる。韓国では独裁者・李承晩 라인大統領の時、サンフランシスコ平和条約を勝手に無視し、独自に海洋主権宣言(李承晩ライン)をして、竹島の領有権を主張した。日本は国際裁判に持ち込もうとしたが、片方だけの出席では成立せず、今や実効支配どころか、3,000人乗船可能な観光船が運航されている。中国には第一防衛ラインがあり、沖縄本島までスッポリ入る。第二防衛ラインは東京湾から小笠原まで伸びる。この画策は何と小平の時代からであった。尖閣諸島は日本の領有権があると言った時、一言も言わなかったのに、全くの暴言であり、拡張路線以外何物でもにない。この代表選挙に際しても中国の漁業監視船二隻が我が国の経済的排他水域に入って来た。先日あったノルウェイの銃乱射事件で明らかなように、欧州各国には極右の勢力が台頭してきてから、既に10年以上か。Libyaでは首都Tripoliが陥落し、Gadhai(カダフィ大佐)は家族をアルジェリアに逃し、孤軍奮闘の最期の局面である。大佐の豪華住宅兼軍事施設(Bab al Azizia)は既に開放され民衆によって観光化されている。その敗戦も知らず、大佐側の兵士が実効支配していたホテル・Rixosでは海外メディアの連中35名が拘束されていたのを、たった一人の女性テレビプロデューサーが兵士に敢然と抗議し、拘束が見事に解かれた。驚くべき勇気ある行動である。「アラブの春」はあのエジプトで未だに選挙が行われず、民衆の不満は鬱屈したままである。シリアではアサド大統領の反体制勢力抹殺作戦で日夜戦死者が出ている。ソマリアでは嘗て無い程の飢饉で、内戦とも相俟って、ケニアやエチオピアに逃れた難民で溢れ、驚異的な死亡率を誇り、今や喫緊の国際課題である。北朝鮮の金正日が汽車でロシアに行き、メドベージェフ大統領と露軍隊内で会談。ロシアの石油パイプライン招聘について語り、シベリアから中国、北朝鮮、韓国までラインを通したいらしいが、そのプロジェクトは日本が最も深く関与し、まぁ北朝鮮に単にお話をして合わせたことだったろう。中国は黙認。ハリケーン(愛称アイリーン)は被害額六千億円ぐらい出したらしい。我が国を取り巻く国際環境は一つも無視出来るものはない。円高ドル安の傾向は長く続き、大会社はいいとして、そこに連なる中小企業は四苦八苦しているのである。内閣がコロコロ代わり、「回転木馬」と揶揄されているが、内向きではいられないのが実情であり現状なのである。菅内閣の時、全く外交が機能しなかった。その始末は未だ付いていない。世界の僻地で風邪をひいても直ぐ伝播し直結する今日の状況はあらゆる事象に耳を傾けたいものであり、しっかりしろ日本丸!

 

何の花か知らないが 現在我が家に咲いている白い花を贈ろう

 


   Wind same one!

2011年08月17日 | エッセイ

憤怒の形相をした能面

 

 

 

Wind same one!

 

 

 京都に住んでいて、京都知らずの方が結構いるものです。逆に京都と無縁の方は憧れだけで京都を存外知られておりませぬ。京都で暮らしていて、日本史が全部分かった風な愚劣な人間も多くいるものです。四条をブンブン鳴らして疾駆する暴走族もいます。近年ビルが多く建ち、蕪村や川端が描いた京都はもう存在しません。京都在住というだけで、恰も尊敬の目線を持って接するのはどうかと思います。本当に京都を愛し、京都に根ざし、今後の京都を支えて行く方々はクリエイティブで、斬新さと挑戦する心ある方々がいらっしゃるのも事実です。京料理を看板にしている料理屋で、縦に高く派手に盛られた、如何にも京御膳らしいものもあります。それは偽物です。本物の京料理はお飾りするツマ物や派手な演出などではありません。俵屋の御膳や瓢亭や菊乃井の御膳のように、さらりとした平盛(ひらもり)です。季節の料理そのものを提供してくれます。数多くのお祭りの意味も、その本来さえ失われようとしています。

  今回二転三転した大文字の送り火騒動にはガッカリしました。陸前高田の方はどんなに愕然としたことでしょう。高田松原の松は放射線物質が検出されたとかで、結局使われませんでした。陸前高田の金剛寺のご好意は空しく無視されたのです。日本の夏の行事として永年私も観て参りましたが、何とたった少しの地権者のお祭りだったとは。今回のことは被災者の傷口に塩を刷り込むような結果になったのです。でも流石に成田山新勝寺では、この薪木をお受けになり、9月第四日曜日に修される開運・厄除、護摩木祈願・柴灯大護摩供火渡り行(おたぎあげ)にて使用されると決定しています。無論御寺にも抗議が来ていると聞きますが、表皮だけ剥ぎ取ってから護摩木として使われると断言されておりました。

  又、世界遺産に登録されたばかりの平泉町では、この16日、恒例の平泉大文字送り火が行われました。東日本大震災の津波で被災された岩手県と宮城県の14市町村から集められた瓦礫を燃やし、盆供養とともに、今回の犠牲者の御霊を供養したのです。無論放射性物質有無の検査など一切行われませんでした。7月下旬、瓦礫となった漁具や住宅廃材を回収されて点火されたのです。同日、地元中学生によって、中尊寺本堂からリレーされ、駒形山(標高430メートル)まで運ばれ、午後8時にそれに点火し、100メートル四方の「大」の字は赤々と燃え、被災者始め皆さんで両手を組んで手を合わせておりました。

 

平泉 大文字送り火

 

  石見銀山から世界へ銀が採掘され、世界の銀の三分の一を占めるほどでした。発見も流通も藤原三代より遥かに時代が下った17世紀頃における大航海時代のことでしたが、この東北からは、奈良の大仏建立の際に金が発掘され、大仏さまの全体に金箔を貼られたように、遥かに古い8世紀初頭から流通しておりました。福島・白河から、岩手・平泉を経て、青森・追浜に至る大動脈の道路も、蝦夷討伐の坂之上田村麻呂の頃からでしたから古い日本の記憶なのでしょうね。岩手県と宮城県の県境にある金成町のお祭り=小迫(おばさま)祭りは古雅で、古き時代を垣間見れるようで素晴らしい行事ですが、義経伝説に登場する金売り吉次は、この地の出身で、豊かな金産出を窺えるというものです。ともかく奥羽山脈一帯にあった金鉱脈は豊かな日本文化を育み、中央政権をも潤したことでした。平泉文化はどれほど凄く、歴史の中に燦然と輝いていることを、平泉・大文字送り火で強か知るのです。

  

中尊寺 金色堂 まばゆいばかりの豊饒なる文化の数々


  鯨法会

2011年08月04日 | エッセイ

金子みすゞ 歌碑 (わたしと小鳥とすずと)

 

 

鯨法会

 

  和歌山県太地町において、反捕鯨団体シーシェパードが町に常駐し、漁業する方への妨害が愈々激しくなっているようだ。The Coveがアカデミー賞を獲得して以来、殆どヒステリックな状態で彼らは攻撃してくる。無論賛成派・反対派・懐疑派と分かれているようだが、日本の捕鯨の歴史では奈良朝はおろか弥生時代も縄文時代でも、捕鯨の歴史は連綿としてある。一方反捕鯨団体の言い分は、鯨が人間と同様な知能程度があり、家族があり、コミュニケーションがあるという理由から断固反対だとされ、今年の調査捕鯨では、豪州沖合いで余りにも激しい直接的攻撃があったから、日本政府はとりあえず捕鯨船団の航行を中止する決定をしたものだった。だが今やシーシェパード側は地元の漁民に現金などを突きつけて、捕鯨を止めるべきだと益々エスカレートしている危うい状況である。国内では現在都道府県知事の認可を受ければ捕鯨は許されているが、22都府県で現在でも近海の魚場で行われている。ただ太地の場合、浅瀬に追い込んで仕留めるもので、鯨、主にイルカだが、残酷過ぎるとされ、反捕鯨団体は一切妥協の余地がない。アメリカでも日本でも彼らはテロリスト扱いされているわけだから、彼らの実力行使に対して断固たる行動をとればいいと思うのだが、どうも緩いようで歯がゆい。我が隣国では犬が喰われ、中国では鳩が食卓に上る文化を持っているが、元来日本人は牛を食べなかった歴史は永い。

仙崎 青海島の向岸寺にある鯨たちの戒名 こうして一頭一頭供養してきた

 

  金子みすゞのあの豊かな発想や意外な歌の根拠は、長門市仙崎のみすゞの出身地に窺える。浄土宗の盛んな土地柄で、浄土信仰の根付いた篤い信仰心のある地域であった。凡そ340年に亘る時空において、仙崎から青海島に行った小島の入り江で行われていた鯨漁。鯨肉の奨励は毛利藩直々のもので、鯨が取れない時は毛利藩から幾らかの手当てさえ出たようだ。それが次第に獲れなくなり、明治41年には完全に捕鯨は廃れてしまっている。青海島の漁民の思いの丈は深く、お寺(向岸寺)には鯨の供養塔もあり、鯨の中に胎児があった場合は、その胎児をそのまま供養塔に埋葬してあげた。日本人は鯨を全く無駄にすることなく、国民食として戦後蛋白源の乏しい時代には学校給食にも使われたらしい。私は博多・中洲の鯨肉専門店でよく食べた記憶がある。一国の文化を頭なごしに批判し非難するのは、余りにも一方的ではあるまいか。星野道夫さんは著作の中で、氷の割れ目(リード)に迷い込んで来た鯨を天から与えられた恵としてエスキモーの皆さんが大いに喜んでいたものを、アメリカ海軍が鯨を大海へ抜け出させ救い出した記録に、ヒューマニズムとして大手新聞各紙が掲載していたのを多いに批判していた。エスキモーの文化を破る稚拙な行動ではあるまいかと。そこで現在、アメリカ政府はエスキモーの人たちが食べる分だけの捕鯨は認められることになったが、星野さんが生きていたら大いに喜んだことだろう。

王子山公園から見た仙崎 金子みすゞの実家は駅から真っ直ぐ伸びる道路上にある

仙崎から青海島に渡る青海島大橋 みすゞがつけた仙崎八景はどれも素晴らしい

 

   「櫻灯路」では繰り返し金子みすゞのことを書かせて戴きました。「花のたましい」、「散ったお花のたましいは」、「散ったお花のたましいは ふぅちゃん篇」がある。特に、昭和4年から、翌年亡くなるまでみすゞが書き続けた『南京豆』で、娘ふさえさんに宛てた手帳が気に入っているが、母親、みすゞ、そして愛娘ふぅちゃんの三人とも、男運に恵まれず、同じような運命的生涯を送ったのだから不思議でなりませぬ。ふさえさんは今年で80歳。

  横道に反れてしまったが、鯨法会の詩がみすゞの歌に残っている。最後に掲載することにするが、あの柔らかな感性や驚愕的とも言える発想は、ここ長門市仙崎の風土にあると言っても過言ではない。白神山地のマタギは山ノ神に祈ってから山入りし、山ノ神に許された範囲でしか狩猟はしない。春、東北の方々が山入りし山菜を採るのだが、これも根こそぎ採るのではなく、根っこや来年分をキチンと残しておく習慣がある。鳥海山の畔の河川には鮭の供養塔があり、米沢には草木塔があちこちに建っている。尚太地町の東光寺や神社でも鯨の供養式がある。何もかも根こそぎしない文化が日本人の心であるはずだ。万物に神が宿る思考は西洋には殆どなく、一部の過激な団体が主張することは、理解しなくもないが、捕鯨国の北欧各国とも歩調を合わせ、捕鯨の文化をなくしてはならない。進駐軍が日本語をやめさせ、英語を強要した戦後の沖縄がいい例であり、エコファシズム(=テロリスト)の範疇に怯えてはならない。然も英国から渡り、原住民のインディアンを大量虐殺した過去の歴史があるアメリカ人や、約一万人の幼児を拉致し、オーストラリアに定住させ、アボリジニの原住民を大虐殺した豪州政府の正義など、私たち日本人には通用しないだろう。

復刻された金子みすゞの実家 金子文英堂 この奥が記念館になっている

復刻された金子文英堂の二階にあるみすゞの文机

 

   『鯨法会(げいほうえ)』

 

     鯨法会は春のくれ、

     海に飛魚とれるころ。

 

     浜のお寺で鳴る鐘が、

     ゆれて水面(みなも)をわたるとき、

 

     村の漁夫(りょうし)が羽織着て、

     浜のお寺へいそぐとき、

 

     沖で鯨の子がひとり、

     その鳴る鐘をききながら、

 

     死んだ父さま、母さまを、

     こいし、こいしと泣いてます。

 

     海のおもてを、鐘の音は、

     海のどこまで、ひびくやら。

 

     『お魚』

 

     海の魚はかわいそう。

 

     お米は人につくられる、

     牛は牧場で飼われてる、

     鯉もお池で麩を貰う。

 

     けれども海のお魚は

     なんにも世話にならないし

     いたずら一つしないのに

     こうして私に食べられる。

 

     ほんとに魚はかわいそう。

 

 東日本大震災以降、テレビで、みすゞの詩「こだまでしょうか」が放映されて以来、仙崎への観光客でごったがえしているようである。みすゞが選んだ「仙崎八景」を巡る旅は皆さまにとり至福の時を過ごせることだろう!

 


   東京へ飛散した放射性物質と闘おう!

2011年06月30日 | エッセイ

我が家の茶室 待合への扉

 

 

東京へ飛散した放射性物質と闘おう!

~東京人の闘い (その一)~

 

  •  今日は『夏越の祓いの日』。一年が二つに分けられていた古い証拠である。妻も子供たちと愛犬を連れ、愛宕神社に行き、「茅の輪くぐり」をし、お祓いを受けて帰ってきた。お参りする時の、神妙な妻や子供たちが特別に可愛いかった。戸外でウッカリ遊ばせられない今日、近所の子供たちも一緒に車に乗って、郊外に時々行く。僕が公園デビューした時に知り合った近所の子たちやお母さんたちも一緒に連れてだ。先日は高幡不動から高尾までで、さすがに急に戸外に出ると、どの子もとっても嬉しそう。やはり適時養育、或いは適時教育といったものがあるのだろう。勿論愛犬も一緒で、他の子たちの愛犬も一緒に跳ねる。マスクと、水筒と、麦藁帽子と、長袖でも涼しげな服装は必須アイテムで、熱中症にも気をつけなければならず、林間の木陰を主に選ぶ。但し必ず線量計測してから遊ぶことになる。通常午前中の涼しい時間帯に行くのだが、子供たちもワワンたちも皆大喜びで駆け回り、生き生きとした光景は実にいいものである。その行動範囲は箱根や熱海や青梅や日の出町まで半径100キロにも及び、高速料金が通常に戻ってから割と楽に早く行けるからいい。無論10人乗りのミニバスで行くことになるが構わん。処で東京都の下水処理施設で、特に江戸川区や大田区などでの塵焼却施設では、主灰の他に出る風塵灰の値は基準値の8000ベクレルを遥かに超え、1万5千~2万4千ベクレル(/1㎏当り)も出ているから、家庭の塵の中で何がそうなっているのか実際には分かっていないのが実状。そうなると、かの飯舘村の条件と同様になるように思われるが、そんなに心配したことではないのだろうか。但し今後も、当局の精査を現在も求めている。帰宅時に、ウガイや手洗いが当然で、場合によっては全身シャワーし除洗したいところである。
  •  葉物野菜は悉く水洗いをすべきである。すると70%~80%の割合で、放射性物質を除去出来る。更に根元を少々多めに切るといい。生野菜は避け、極力温野菜を作るようにしたい。炒め物も下茹でしたものを使用し、あっさりと炒めたい。根野菜はなるべく厚めに表皮を切り取ることをお薦めしたいが、出来るなら表皮がついたまま下茹し、湯を流し、その後表皮を厚く剥けば完璧だと言えよう。肉類はパックで売っている細かいカット肉ではなく、ブロックのまま購入し、トリミング(肉の表面を削る作業)をすべきだが、同じ包丁や同じ俎板でやるべきではなく、それぞれ最低でも三丁欲しいし、俎板も然りである。カット面の関係があるからである。内臓関係の肉類は薦めない。ましてや内臓の生肉は避けるべきである。魚類は原発から300キロ圏内の川魚は避けたいもので、特に鮎は中部から関西方面のを食べるべきとお薦めしたい。海中の魚は小魚をなるべく避け、中型魚以上の魚を対象にすべきで、塩焼きは避け、煮魚をし、煮汁は極力捨てることに徹したい。無論カシラの部分を全部取り、尾の部分も切り取り、腹ワタをすべて取り除き、血アイも取るべきかと思う。飲み水は各地の湧き水をお薦めしたい。当家では北海道のニセコ・アンヌプリ(羊蹄山)の湧き水を直送して戴いて愛用しているが、ともかく各地の湧水がお薦めだ。お風呂やトイレや植物の水遣りは都の水道水で充分。かくして調理法は少々狭い範囲になるが、幼児や妊産婦や30歳未満の子たちを守るために、今ここにある危機として、当然なすべきなことであろう。要するに適度な運動により汗をかき、新陳代謝を高め、普通に健康な食事にすべきである。このことこそ、私たちが自分で出来る内部被曝、外部被曝から逃れる道ではなかろうか。
  •  ヨウ素は甲状腺ガンのもとになるので、ヨウ素の値が高ければ、摂取すべきではない。だが一般的には尿や便で放出されるはずであり、半減期という恐怖の数字の心配はさほど必要にないようだ。セシウムも又然りである。プルトニウムやストロンチウムなど、他の人工的に出来た放射性物質が飛来することは少ないだろう。ここ東京・広尾は福島原発からほぼ230キロ離れているし、更に何故かと言えば、それらの物質は金属性物質だからで、原発付近20キロ圏内には心配は当然だが、遠方では今のところさほど心配する必要はないように思う。年間被曝量は20ミリシーベルトと言うのが政府見解(20ミリシーベルトなんて論外)であるが、出来る限り外部も内部も被曝しないことにこしたことはない。小出裕章(京都大学助教)氏が提唱していることは、被曝量などに安全値など絶対にないという見解に大賛成だが、ホットスポットも、かのチェルノブイリ原発事故で出来たホットスポットの有り様を見れば、とんでもない場所にまで広がっている証拠があるのだから、小出先生の言い分は当然の帰結である。お茶の木は葉っぱがよく土中のカリウムを吸い上げることに、お茶の木の大なる特徴があり、カリウムと間違えて、ヨウ素やセシウムも取り込んでしまうのである。従って現在出荷制限を受けている地域の新茶は出回っていないはずでも、これも今のところは生産地域を出来れば選別する必要がありそうである。
  •  子供たちを遊ばせるのに、芝生は今のところ割合安全だが、苔類や砂場は取り分け心配である。当家の盆栽園には始終エアテントがあるから、Googleの地上地図で確認出来ないぐらいだが、それでも盆栽の苔の部分はやや危険だったと申し上げておこう。更に高い樹木の根元付近や、高いビルの原発方向壁面の下部が割りと線量が高く、どのお宅でも雨樋の部分は必ず危険な場所と思い込むほうがいい。そもそも水素爆発した時に、放射線物質の殆どが発生し、風に乗り飛来し、雨とともに落下してきたものである。地形も大いに関係がある。現在の放射性物質飛来の値はかなり低くなっているが、それでも何処の下水溝やU字溝も要注意である。線量はまだまだ高い値だからである。そのまま土中に吸い込ませる雨樋の場合は土を広く深く削り取る必要がありそうだ。年間被曝量を仮に1ミリシーベルト被曝と限定した場合、0,0284マイクロシーベルト(/1時間当たり)以下でなければならない。そうでなければ、放射性物質の飛来を自己管理や自己防衛する方法がないはずであるからだ。自己責任において、健康管理を万全にし、調理法を工夫し、外出時の服装を管理すべきで、放射性物質を、真正面から受けて、断固闘おうではありませんか。これは不可能ではないはずです。
  •  兎に角政府見解は、アテにしないほうが得策である。自分たち自身で、子供たちを防御する以外はないものとしたい。放射性物質の特徴を出来るだけ広い範囲で、自分たちなりに徹底的に調べ上げ、自己防御したいわけである。些細な基準値でも癌発生の一因となり、子供たちの将来に禍根を残したくないのが親として当然の使命であろう。放射性物質はとかく遺伝子損傷の危険が怖いからである。末代まで続く恐れがあるからだ。テレビに出ていた星の数もいる放射能の専門家は基本的にはアテにならない。小出先生は別だが、原発推進派や原発神話に加担していた、いやはや多くの放射能権威の先生方の著作があるが、どれが本物か峻別する力も私たちの責任だろう。原子力政策の神話作りも、保安員も、安全委員会も皆、東京大学工学部放射能学科に縦につながっているから、恐ろしい。原発のチェック役も原発推進役も皆、そこに集約されるので、どうぞ慎重なご注意を促したい。東電の場合、今回辞任を余儀なくされた清水元社長の前は、すべて社長は東大出と決められていた。今回の東電株主総会で司会役を務めていた勝俣会長(=東大出で妖怪であり熔解である)は柏崎原発事故で社長を辞任したはずなのに、会長として、今後も君臨し続けるとしたら、東電の体質は全く変わらないだろう。そんな旧態依然とした組織に、いずれ多大な税金が使われるんだったら大問題である。東電執行部を含め、どう体質改善されるのか、心して注視したいところだ。
  •  もう政治的発言をしないと言ったばかりなのに、余りにも怪しいことが罷り通っているので、一つだけどうしても申し上げておきたい。菅総理は、究極の延命策として「脱原発総選挙」などをやる覚悟らしいが、それは絶対に許されないことである。国民的論議を尽くし、脱原発議論を粘り強く推し進めて行くべきで、前原前外相も、それは究極のポピュリズム(大衆迎合)だと批判していたことを冷静に受け止めるべきである。再生可能エネルギーに急にはカジを取れない(電気料金が高くなる)はずだし、一方では海江田経産省が玄海原発再稼動を要請している今日を、どのように説明するのか。ベトナムから原発受注をどうやって収束させるのか、今や国際問題になっているではないか。何一つ(民主党内閣の特徴)説明しないで、かの小泉劇場型総選挙を模索するとしたら、断じて許されるはずがない、このことだけは断固申し上げておかなければならない。

 

父の盆栽 苔に予想外の放射性物質が付着しているから ビニール手袋を進めている

 


  野の花に生きる

2011年06月29日 | エッセイ

高幡山金剛寺(高幡不動)さん近くの田園にて 稲の傍に沢瀉(おもだか)草の花

土方歳三の石碑あり、沢瀉柄で京透かし文様の刀鍔でも身につけていたのだろうか

 

 

野の花に生きる

 

 

母が遺した和服の中に、丹後ちりめんや、各地の紬など数十点ある。

父は妻に、それをすべて遣り、叔母がコツコツと手直しし、今風に仕立て直し、

透き通ったシボのある丹後ちりめんの襦袢など、如何にも着心地よさそうである。

母の着物を、我が妻が着ていると、まるで母が生き返ったように思うのか、

父の顔がとたんに綻び、僕も嬉しい。

 

品川の自宅の書架は耐震性になっていたために、妻の蔵書ともども今回被害はなかった。

広尾の実家のほうでは、陶器が幾つか壊れたし、扁額の幾つかも落ちて破損した。

永年愛用していた父の、ガラス製の紅いランプが倒れ破損した。悔しそうな父の横顔。

あれから110日過ぎ、グンさま騒動だか訳分からんが、次第に平常に戻りつつあるのかも。

私たち夫婦にとっては、睡眠時間を惜しむかのように目録作りの作業が続いている。

 

何度も申し上げているが、

三角形の頂点の文化は文字を読み書き出来る文化で、表層文化と言える。

三角形の底辺にある文化は実は圧倒的に数が多く、幅広く、膨大な量である。

読み書きが出来ない一般庶民の、基層文化のことが実は大切な部分である。

三角形の頂点の文化は政治・経済にしても、常にコロコロ変化するのであるが、

三角形の底辺の基層文化のほうはよほどのことがない限りは変化しづらい文化で、

これが民俗や民間信仰などと言った日本人の基層文化となり、重要なものである。

基層を知らずして、表層が分かるはずがない。

 

復興構想会議での復興構想案では、

各地にある基層文化の資料の保存・修理など、全く入っていなかった。

江戸時代、全国は300藩にも別れ、個別に独自に民俗が保護されてきたが、

地名も、ひらがなや、場合によっては外国語のカタカナ文字も出現する時代では、

その保護・保全を口にするのも、何か後ろめたくおこがましい。だがスッキリとしない。

ましてや全国を大きく分け、大前研一氏が主張した道州制にする構想も囁かれ、

復興特区とか、経済面だけで復興の判断が体制を占めているようだ。

 

3:11以来、このブログでは政治的発言を止むを得ずしてきたが、

昨日の民主党の両議員総会での荒れ具合を見るにつけ、勝手にやってろと思う。

この国家の一番の権力者・菅直人は恥も外聞もないようだから、最早絶望的である。

私たちは地方を大事にし、祭りも、地方文化特有の息遣いがあって始めて成り立つ。

長く続くこの大震災での闘いは、政治的コミック・ショーなどでは絶対にない。

これ以上政治的発言はここではしない。馬鹿馬鹿しい限りであるからだ。

 

捻花・方波見・赤爪草・箆大箱など 野の花を 

博多・祇園山笠の「てのごい=手拭」 中洲流れの上に 飾ってみた

 


汝、左様に義の違ひたることを申すか!

2011年06月24日 | エッセイ

真夏の様相 雲凛々と高く 6月というのに39℃を超えたという

 

 

 

汝、左様に義の違ひたることを申すか!

 

 

少年は、学校をさぼって海を見ていた。

宮古の海は少年の夢が詰まっていたからだ。

父と漁師になる約束をしていたが、中学だけは卒業してからなと。

突如、大地震が来て、足許もグラグラして立っていられなかった。

町のほうから、津波が来るから高台に逃げるようにとアナウンスが必死!

少年は商店街の坂道を駆け上がって逃げた。3時20分頃、

振り返ると、突然ウミネコやカラスがびっしりと天空を真っ黒に飛んでいたが、

何やら沖のほうから、飛沫のような、靄のような、暗雲がさすようになり、

あのドス黒い海が坂道を駆け上がって来たのだ。少年は寸での処で命拾いした。

それは浪がやって来たのではない。ドでかい海がやって来たのだった。

 

ハイビスカスの花も咲き 関東の奥は みな39℃を超えたという

 

今日から私たちの仲間が又一人増え、これで10名を超した。全員孤児。

彼らには仲間が要る。そして何よりも愛が要る。彼らはボロボロになってやってきた。

でも、不思議と明るい。こんな大災害で一番先に元気な顔を取り戻すのは、

きっとこうした少年や、子供たちなのであろう。子供たちは、天才である。

どの子も心に深い傷を受けているのに、逆に明るくしている。

生のみ着のままでやって来たこれら子供たちを心からいとおしく思う。

そんな子たちは、係累がいなくなったそぶりを決して見せない。

漁業に就くつもりが、林業継承を最大の目標にしている私たちに、彼らは来た。

それでも構わないと思う。ここで心魂から元気になって貰えればいいことである。

そしていずれ漁業に就くことになっても、私たちは応援し、心から嬉しく思う。

私たち職員全員で、親代わりとし、心底から彼らを補佐し応援して行くことだろう。

健康な森林はやがて清流となり、海へそそぎ、海の豊饒を約束してくれる。

野山と海は一体なのである。

 

内閣不信任決議案否決の時も、菅はペテンをやった。

そして「新首相の下」では、「新体制」の下でとなり、又してもペテンを二度犯した。

日本人である一国の総理が、日本語を危うくし、青年のためによろしくない。

「目途」という字は、決して曖昧に出来る話ではない。

 

夏スミレ (イエロー・ムーンの鉢植え)

 

昨日、菅総理は始めて沖縄に行った。23日は沖縄慰霊の日であるからだ。

アメリカで、2+2会談。普天間基地問題を、辺野古移設と改めて決めておいて、

菅総理は仲井真知事と、そのことを、一切話すことはなかった。

呆れたことによくある雑談で昼食会を終わったと言うから可笑しい。

仲井真知事は食事の時、仕事の話は一切しないことで有名でも、

それでも何故沖縄・普天間基地移設問題を話し合わなかったのか、

イラ菅ならず、こちらが遥かにイライラとしてがっかりする。

伊波普猷の「おもろさうし」を読んだのか、仲宗根政善の「方言礼」を読んだのか、

甚だ疑わしい。沖縄は17世紀に嶋津藩により、平定を余儀なくされたが、

彼らはあらゆる方面に対し、琉球王国は平和的な外交しか持っていなかった。

仲宗根先生は「ひめゆり学徒」とともにあり、戦陣の巷に辟易としたのだったが、

伊波普猷への、鎮魂の歌を心から信じていたのだろう。

訳して申せば、沖縄の自尊心である。

 

「彼ほど、沖縄を識った人はいない」

「彼ほど、沖縄を愛した人はいない」

「彼ほど、沖縄を憂えた人はいない」

 

 

東日本大震災にかまけて、沖縄問題を齟齬にした。その罪だけでも万死に値する。

沖縄の人は日本人の愛国の心をもって、最も勇猛な闘いをし、今まだ戦っている。

本も読まず、究極のポピュリズム一辺倒の、この総理は甚だしく如何なものだろう。

沖縄の人々は対外交において、すべての国々と共に平穏に生きた歴史を知らん癖に。

 

目の前の、「古琉球」の本を前にし、沖縄や日本への憂国の情冷め遣らず!

浅井長政家臣の言葉を、表題の通り、決死の覚悟で贈ろうと思う。

 

「復興庁」が出来るらしいが、今回の震災を、「東日本大震災」と呼ぶのは止めましょう。

「東日本大震災(中黒=・)福島原発災害」と呼称致しましょう。

福島の方々にとっては並大抵なことではないからである。

だって三陸地方と違って、明日が全く見えないのだもの。

 


  文化のガラクタを並べた政治ショー

2011年06月18日 | エッセイ

四月下旬だったか 亀戸天神に子連れで行った時見えた東京スカイツリー 

今はクレーンなど一切ないが真下のショッピング街の建築に忙しいらしい

高さ634m(むさし) 来年5月22日開業 大展望台まで料金3000円と設定された

尤も何でも直ぐ変化する東京に 全く興味なし

 

 

文化のガラクタを並べた政治ショー

 

中国や韓国やロシアも虎視眈々と我が国家の領土を狙っている。

韓国国会議員三名が北方四島に、ロシア高官と仲良く出向いた。

馬鹿な民主党議員が韓国に行き、竹島を「独土」と呼ばせるように約束をした。

その結果、来年度から使われる日本の教科書には、「独土」と表記されてある。

まさに売国奴そのもので、かの李承晩(라인)元大統領が勝手に引いたライン。

昭和27年以来、いつしか軍事実行支配され、日本海を「東海」の表記し直せだと。

 

日本海沿岸に世界有数の眠る地下資源を狙っている。試算では600兆円以上と。

一体全体政治は今まで何をやってきたのか、憤激さえおぼえる。

 

そして対馬に、コーリアン・マネーの土地投機が続き、

いつの間にか対馬でさえ韓国領と言い出す始末。

 

中国は尖閣諸島を領有する目論見。小平が始めた改革政策が既にあり、

沖縄も、奄美も、領有権を密かに計画し、今まで引き継がれてきた。

ロシアは秋から核兵器の配置を北方四島に決めた。鮭加工場だと思っていたのに。

日本人は、仏独国境の町・アルザスのような国境領有の厳しさに慣れてない。

だからと言って、放置出来るものか。外交はとっくに死に絶えているかのようだ。

現代における「元寇」の最中なのに、何一つ対策が取れていない。

 

日本近海は宝の山であり、国境を堅固に防御せずして何とするのか アホウども!

 

 

何故、日本海域が狙われるか、

メタンハイドレード・石油・天然ガスの、隠れた資源大国だからである。

赤坂・サカスで、森さんが既にやっているコージェネレーション

ウチの電源タイプと同じタイプ。こんな電源を、各自治体ごとやっちまえば、

今更太陽光発電を進めたいとか、誰にも相談なく、ダボラを噴く宰相の唇寒し。

辞職しない理由はただ一つ。広島・長崎の記念日に、

高らかに「脱原発」を宣言したいのか。なるほどそうすれば民主党は勝てるかも。

エネルギー問題は党派を超えて議論を尽くせ!原発反対でもドイツのように、

或いはイタリアのように、15%~23%も、有線で、原発大国フランスから、

容易に電力を補えるのか。欧州大陸は地続きで、我が国家は海中のど真ん中!

でも何をしたいのかしたくないのか、経済政策、全く無為無策で、

馬鹿の一つ覚え、「雇用、雇用、雇用!」の大連呼!

雇用する側がぽしゃっちゃったら、菅が雇ってくれるのかい?

万一、現状より電力供給が30%下がったら、日本の生産ラインに大打撃。

 

我輩の掲げる黒潮・親潮利用の発電は火力発電所の片隅に小さくあればいい。

夜も昼も関係なく、海中にてプロペラが回り、海底ラインを引いて来るだけのこと。

北九州市でハイグリッド・システム開発が順調、電力の地産地消、もう目の前!

八十八箇所のお遍路も終わってないスッカラカンの菅なんかにぁ、

何ぁ~~んにも教せぇてやんない。

 

 

一部北九州市で 実験されているスマートグリッド・システム図 電気代3割カット

 

 

反原発か推進か一向に明らかにせずして、浜岡原発停止の責任も転嫁し、

歴史に名が残せるように、8月の広島・長崎、或いは終戦記念日で「脱原発」を

高らかに宣言するだろう。しかも思いつきでネ。

それも延命戦術か選挙目当てか、このポピュリストのガラクタどもめが!

阿呆な鳩山、巨悪の小澤、意地悪親父のスッカラ菅!

早くそこを脇にどき、静かにせんかい!

 

政治空白は間違いなく、国民にとっては真に不幸の極みであるが、

かくも幼稚であったとは、極左あり極右ありで、政党ではなく、

単なる野合集団が民主党の正体である。

「最少不幸社会」の実現が、今や「宰相不幸社会」が現実なのだから。

 

最も親日的な台湾から来た義援金は160億円とダントツで、

2位アメリカからは90億円。中国からも韓国からも、世界8ヶ国へ感謝の広告を出す。

日中記者交換協定」で中国に配慮し、台湾には感謝する政府声明は一言もない。

そもそも50年前に作られた協定なんかにゃ、全く意味がない。尖閣諸島で、

中国漁船衝突事件を未だに、この内閣は公表していないから当然だろう。

 

人口一人あたりで換算すると、台湾694円とダントツ。中国は一人あたり0,23円。

更に韓国では、一人あたり3,2円、義援金の約8割を韓国領土対策に使うという。

それで今回韓国議員三人はロシアの高官と北方四島に上陸した。

何と無礼なことだろう。対馬の土地を買うのも、その背景があってのことか。

 

考えて見てご覧、参議院民主党代表・輿石東が常に標榜していることは、

憲法違反に違いなく、教師に政治的中立などありえないと堂々と吹聴し、

毎回日教組山梨支部丸抱えで当選し、あの小ズルそうな人相・風体。

私の従兄妹も嫌々ながら、すっ高い組合員費を払わされ、

時に運動を強要されるが、断じて行かないとキッパリ。

 

考えてからよくよく民主党の党旗をみると、日本の国旗が分断されているようだ。

媚中、親韓(北朝鮮含む)、露無批判、反米、反日本文化。

レーニンが言った「暴力装置」と自衛隊を揶揄した仙石よ、被災地へ行き、

決死の活動を続け、現地の人々に受け入れらた隊員の前で土下座しろ!

君達を選んだ国民も悪いし、重大な責任がある。私もその一員だ。

 

万一、沖縄普天間基地が固定化されたら、断じて貴様らぁ許せねぇ!

 

菅総理が官邸で記者会見をする時は紅いカーテンが背景にあるはずなのに、

官房長官の記者会見と同じグレーのカーテン。気が付いた方がいるだろう。

この国難にあたって、何たる情けない総理だろう。

こんな人に大震災の復旧・復興のグランド・デザインなんか、任せられない。

いい加減にしろぃ!!!

 

津軽半島の風力発電所 もっと増やせるが東北電力が送電線の増大を許さない

各電力会社の独占意欲だけが突出し 新しい電力開発の行く手を阻んでいる

発電・送電の分離案を このブログでは強力に発信し続けたい

 


  あれから三ヶ月

2011年06月11日 | エッセイ

真言宗豊山派総本山・長谷寺のご本尊 十一面観音菩薩立像

このご本尊は七回焼失 天正7年(1538年)復元 但し奈良時代創建当初の御顔は

10メートルも越すこの巨大立像の中に 体内佛として入っている不屈の観音さまである

 

 

 

あれから三ヶ月

 

 

3;11から、早くも三ヶ月。まだ三ヶ月という、官邸づめの与党議員の大馬鹿もいるが、

死者~15,405名。行方不明者~8,095名。避難者~90,109名。(10日現在)

仮設住宅~28,280戸。瓦礫の撤去率、僅か15%のみ。インフラの整備はまだ遥か先にあり、

最も憂慮している事は、義援金が一向に届いていないこと。ヤミ金融も横行し始めている。

瓦礫の撤去の15%は、自衛隊が10%、地元業者とボランティアで5%と必死な作業が続く。

 

政府がアテにならない地元にとって、自主的にドンドン動き出すしかない。

特区構想も、枝野に聞けば、鼻から抜けるようにスラスラと出るが、それって、

内閣や党側も承知のことだろうか。幹事長も官房長官も全く信用ならない。

 

あのお金の亡者の民主党(ただ今党員資格停止中)の、お偉いさんは

強制起訴の裁判やら、裏でうごめく怪しい政局の只中で、被災現地はお構いなし。

そう言えば岩手県の達増知事は、かの大物議員の秘書とか子分とか秘蔵っ子だとか、

だったら行くまでもないことだと、言ったか言わなかったか。選挙の時しか来ないと人の言い、

何故先頭に立って陣頭指揮しないのか、ちゃっちゃら可笑しい。政治生命の終焉か。

 

この三ヶ月の菅総理の対応を見ただけで、胸糞悪くなり、義憤に堪えない。

党内の内部抗争が激しくなっているようで、ポスト菅とか、何やらキナ臭い。アホかいな。

民主党内がこんなにゴジャゴジャしてて、大連立など、どの政党と出来るのだろう。

菅総理は一刻も早く退陣して欲しい一点だけ。本人は我執だけが目いっぱいで、

この国難の大震災を、自己政権延命の人質にとり、ツラ~ッとして粘るばかり。

この情けない日本国の指導者は、海外からは馬鹿にされる一方で、

中国海軍11隻が沖縄公海上を堂々と通り、太平洋上の真ん中で演習するという。

北方四島は、サミットの際、ロシア大統領に「静かな環境で話し合いたい」だと?

あれっ露大統領が北方の島を訪れた時、「暴挙だ!」と激しく抗議していた御仁は誰だっけ。

国境も国民も、そして被災者も守れない総理は、どこの国家の権力者なのだろう。

政局には飽き飽きしたし、勝手にやってろと突き放す。愚の骨頂!

 

これからは誰一人だって欠けてはならない。

阪神淡路大震災の際、仮設住宅で孤独死したのは千余人。

仮設住宅に入りたがらない方が大勢いる。入ると支援物資が打ち切られるからだ。

結露する窓、網戸がない窓、コンセットだって剥き出しだ。雨漏りもする。

瓦礫撤去する地元の業者に、重機を動かすための義援金はこの三ヶ月間一銭もなかった。

ウニは取れても、加工業者が壊滅しているから、漁も出来ない。

カツオは旬だが、船がない。秋鮭やサンマ漁はどうするのだろう。

旬がそろりと逃げて行く。

 

どこから手をつけ、どうやって復興していったらいいんだろうってか?

後手後手、先送り後回し、責任転嫁、至上最も愚劣な宰相に、この国家を任せられるか。

 

先日お示ししたチェルノブイリ事故によるホットスポットは、日本にも必ずあるだろう。

現在進行形で被災が尚も進んでいる福島県民に、

風評被害やら、緊急退避勧告さえも曖昧に出されているこの体たらく。

福島県民にどうやって釈明し、どう責任を果たして行くのだろう。

静岡県のお茶畑だって、深刻な打撃だ。狭山茶は出ていないが心配だ。

何故もっとスピーディーに、すべてのことに対応出来ないのだろう。

夏になってプールに入っていいのか悪いのか、運動場も汚染され、

これがコストが安いという原発神話の本態か。

私は不安を煽るようなことを言いたくないが、

だからこそ、真実の視点からのみ何事も発信して欲しいと願っている。

 

あの美しい福島を取り戻せ!阿呆な政治家どもよ!

 

平将門が軍馬の訓練にするために、神事と合わせ開催される

相馬野馬追の開催が目途もつかない状況。20キロ圏内に神事をする神社があるからだ。

会津や、磐梯山の観光も、95%減で、この先どうして行けばいいのだろう。

平家の隠れ家として名高い湯西川温泉の、最老舗「伴久」はキャンセル相次ぎで倒産だ。

日光も、尾瀬も閑散としていて、これじゃ原発中心に、何キロまでが総避難となるのだろう。

或いは、人智が一切入らない不毛の原野と化すのか、蒙昧として分からない。

原発収束の見込みなく、路頭に迷う福島県民へ、少なくとも、情報開示だけは忘れるな。

 

我が家にある神棚や、お佛壇や、庭にあるお稲荷さんまで、今日は祈りっぱなし。

南三陸町では川柳でも歌い上げて、辛抱の限界に挑む多くのトモガラよ、

気仙沼や石巻漁港に大発生している蝿や蚊が、あなた方を刺されぬようにと祈るばかり。

あの臭い体育館の中には多くの蝿や蚊が侵入し、一晩で六箇所も刺されたようで、

泥のなかには、蚊の幼虫がワンサカ。粉塵も怖い。感染症だけは阻止して欲しい。

 

兎も角、菅総理の存在そのものが政治空白を作っているのは事実だ。

ねじれ国会をどうすれば解消出来るのか、覚悟も謙虚さも、サラサラなく情けない。

 

やっと来た 救援物資 棺おけだ

佛壇が 崩れたうえは 神だのみ

震災で 夫婦の絆 強くなり

どの店も 欲しいものだけ 品切れに

大津波 パパのヘソクリ 泥のなか

災害が 冷めた夫婦の ヨリ戻し

 

 上記、南三陸町・川浪地区の皆さんの、週一回の川柳会の歌

 

ドクダミの十字花を あなたへ 

何かが瓦解するように引いて行くボランティアの数 

「頑張ろう日本」の文字が 酷く色あせる折 尚も元気を出せというのかい!


   Hot Spot 今そこにある危機

2011年06月08日 | エッセイ

 

チェルノブイリ原発事故のホットスポット図 大掛かりに 或いはポツポツと点在し

遠隔地であっても トンでもない数値が検出されているのだ

尚入場制限区域は 中心点の事故現場から たったの50キロ圏内だけ

 

 

Hot Spot 今そこにある危機

 

 

2011年6月2日、柏市の主婦たちが多くの署名を集めて。市役所に陳情に行った。

柏市や松戸市はホットスポットと言われる放射性物質飛来の高い地域らしいから、

市役所で直ちに放射線量を計測し、内部被曝も視野に入れて、

ビルの屋上にあるようなモニタリングポストではなく、低い場所で綿密な計測をお願いすると

かく言う主婦にしたら当然深刻な話で、テレビでのニュースを興味深く見入っていた。

降雨や降雪や風向きなどで影響され、ホットスポットが出来るのは当然のことで、

枝野の大罪・同心円などでは決してない。Speediがありながら二ヶ月間も隠蔽した。

当家の雨樋でも非常に高い放射線量が計測されたからでもある。

 

そこでチェルノブイリ原発事故で計測されたホットスポットの図表を見てつくづく思い至った。

ホットスポットとは思わぬ地点で計測される高い放射線量のことで、あり得ると考える。

 

そして先日、2011年5月23日参議院行政監視委員会における小出裕章氏の発言を

改めて文字おこししたいと思った。委員会の冒頭での発言は小出裕章京都大学助教!

東北大学出身の原発のスペシャリストで、実に明快な御仁であり、

エネルギー政策としての問題点、高速増殖炉が絶対にできない理由、

福島原発事故の政府の不適当な対応、もんじゅに1兆円つぎ込んだ責任者は

詐欺罪として1万年の刑期に相当するなど、舌鋒鋭く鮮やかに原子力政策を否定していた。

 

原発関連なら絶対お薦めしたい本

 

「今日はこれまで原子力をすすめてきた行政に一言いいたいと思って伺いました。私は原子力に夢を持って原子核工学科に入った人間です。何故そうなったかというと原子力こそ未来のエネルギー源だと思ったからです。原子力は無尽蔵にあるが、石炭や石油は枯渇してしまうから将来は原子力だと信じて入ったのです。しかし、入ってみて分かったのは原子力は大変貧弱なエネルギーだと気が付きました。今このスライドに再生不能エネルギーというものの量を順番にあげていこうと思います。まず1番多い資源は、石炭です。大変膨大に地球上に大変たくさんあることがわかっています。ただし今書いた四角は、究極埋蔵量です。実際に経済的に掘れるとわかっているのは確認埋蔵量と言われてるものなわけですが。この青い部分だけだということになっています。ではこの四角がいったいどれくらいのことを意味しているかというと、右の上に今、ちいちゃな四角を書きましたが、これは世界が一年ごとに使ってるエネルギーの総量です。ということは石炭の現在の確認埋蔵量だけで言っても、あそうですね、数字で書きますとこんなことになりますが、60~70年はあるし、究極埋蔵量が全て使えるとすれば、800年ちかくあると。いうほど石炭はたくさんあると。いうことがすでにわかっている、わけです。その次に天然ガスもあることがわかっている。石油もある。そして、オイルシエール、タールサンドといった現在はあまり使ってない資源もあるということがすでにわかっている、わけです。そして私自身は、はこういう化石燃料と呼ばれているものが、いずれ枯渇してしまうから原子力だと思ったわけですが、原子力の資源であるウランは実はこれしかないのです。石油に比べても数分の一、石炭に比べたら数十分の一しかないという大変貧弱な資源であったわけです。ただ私がこれを言うと原子力を進めてきた行政サイドの方々は、いやそれはちょっと違うんだと。そこに書いたのは核分裂製のウランの資源量だけを書いたろうと。実は、自分たちが原子力で使おうと思ってるのは、核分裂性のウランではなくて、プルトニウムなんだと言うわけです。つまり非核分裂性のウランをプルトニウムに変換して使うから、エネルギーとして意味があることになると。いうことを言っているわけです。どういう事かというとこういうことです。まず、ウランを掘ってくるということはどんな意味でも必要です。それを濃縮とか加工とかいう作業を行って、原子力発電所で燃やすと。これが現在やっていることなわけです。しかしこれをいくらやったところで、今聞いていただいたように、原子力はエネルギー資源にならないのです。そこで原子力を推進している人たちは、実はこんなことではないと言っているわけですね。ウランはもちろん掘ってくるわけですけれども、あるところからプルトニウムというものにして、高速増殖炉と言う特殊な原子炉を作ってプルトニウムをどんどん増殖していくと。でそれを再処理とかしながら、ぐるぐる核燃料サイクルで回しながらエネルギー源にするんだ、と言ったわけです。で最後は高レベル放射線廃物と言う大変厄介なゴミがでてきますので、それをいつか処分しなければいけないという仕事を描いたわけです。ただプルトニウムという物質は地球上には一滴もありませんので仕方がないので、現在の原子力発電所から出てくるプルトニウムというのを再処理して、高速増殖炉を中心とする核燃料サイクルに引き渡すという、こういう構想をねったわけです。しかし、この構想の一番中心は高速増殖炉にあるわけですが、この高速増殖炉御は実はできないのです。日本の高速増殖炉計画がどのように、計画されて破綻して行ったこと言うことを今からこの図に示そうと思います。横軸は1960から2010まで書いてありますが西暦です。何をこれから書くかというと原子力開発利用長期計画というものが出来た年度を横軸にしようと思います。縦軸の方は1980から2060まで数字が書いてありますが、これはそれぞれの原子力開発利用長期計画で高速増殖炉がいつ実用化できるかというふうに考えたかというその見通しの年度を書きます。原子力開発利用長期計画で一番初めに高速増殖炉に触れられたのは第3回の長期計画1968年でした。その時の長期計画では高速増殖炉は1980年代の前半に実用化すると書いてあります。ところがしばらくしましたらそれは難しいということになりまして、次の原子力開発利用長期計画では1990年前後にならないと実用化出来ないというように書き換えました。それもまたできなくて5年経って改訂されたときには高速増殖炉は、2000年前後に実用化すると書き換えたわけです。ところがこれも出来ませんでした。次の改訂では、2010年に実用化すると書きました。これも出来ませんでした。次は2020年台に、もう実用化ではありません、技術体系を確立したいというような目標に変わりました。ところがこれも出来ませんでした。次には2030年には技術体系を確立したい、ということになった。では次の長期計画でどうなったか、というと実は2000年に長期計画の改訂があったのですが、とうとうこの時には年度を示すこともできなくなりました。私はしかたないのでここにバッテンをつけました。そしてまた5年後に長期計画が改定されまして、今度は原子力政策大綱というような大仰な名前に改定されましたが、その改訂では2050年に1機目の高速増殖炉をとにかく作りたいというような計画になってきたわけです。皆さん、この図をどのようにご覧になるでしょうか。私はここに1本の線を引きました。どんどんどんどん目標が逃げていくことが分かっていただけると思います。横軸も縦軸も1マスが10年。で、この線は何を示しているかというと、10年経つと、目標が20年先に逃げるということなのです。10年経って目標が10年先に逃げたら、絶対にたどり着けません。それ以上にひどくて、10年経つと20年先に目標が逃げているわけですから、永遠にこんなモノには辿りつけないという事を分からなければいけないと私は思います。ところがこういう長期計画を作ってきた原子力委員会というところ、あるいはそれを支えてきた行政は一切責任を取らないいうことで今日まで来ているわけです。日本は「もんじゅ」という高速増殖炉の原型炉だけでも、既に1兆円以上のカネを捨ててしまいました。現在の裁判制度で行くと1億円の詐欺をすると1年実刑になるんだそうです。では1兆円の詐欺をしたら何年の実刑を喰らわなければいけないでしょうか。1万年です。原子力委員会、原子力安全委員会、あるいは経産省、通産省、等々、行政に関わった人のなかで「もんじゅ」に責任のある人はいったい何人いるのか、私はよく知りません。でも仮に100人だとすれば一人ひとり100年間実刑を処さなければいけないという、それほどのことをやってきて、結局誰も未だに何の責任もとらないままいるという、そういう事になっているわけです。えー、原子力というばというのは大変異常な世界だと私には思えます。次は、今、現在進行中の福島の事故のことを一言申し上げます。皆さんご存知だろうと思いますけれども、原子力発電というのは、大変膨大な放射能を取り扱うというそういう技術です。いまここに真っ白なスライドがありますが、左の下の方に今私はちいちゃい四角を書こうと思います。書きました。これは何かというと、広島の原爆が爆発したときに燃えたウランの量です。800グラムです。みなさんどなたでも手で持てるというそのくらいのウランが燃えて広島の町が壊滅したわけです。では原子力発電。この電気も原子力発電所から来てるわけですけれども、これをやるためにいったいどのくらいのウランを燃やすかというと、1つの原子力発電所が1年動くたびに、1トンのウランを燃やすと、それほどのことをやっているわけです。つまり、それだけの核分裂生成物という放射性物質をつくりだしながらやってるということになります。原発は機械です。機会がときどき故障をおこしたり事故を起こしたりするのは当たり前のことです。動かすのは人間です。人間は神ではありません。時には誤りをおかすと。当たり前のことなわけです。私たちがどんなに事故が起きてほしくないと願ったところで、破局的事故の可能性は常に残ります。いつか起きるかもしれないと言うことになっているわけです。そこでじゃあ、原子力を推進する人たちはどういう対策をとったかというと、破局的事故はめったに起きない、そんなものを想定することはおかしいと。だから想定不適当という烙印を押して無視してしまうということにしたわけです。どうやって破局的事故が起きないかと言うと、これは中部電力のホームページからとってきた説明の図ですけれども、たくさんの壁があると。放射能を外部に漏らさないための壁があると言っているのですが、このうちで特に重要なのは、第4の壁というところに書いてある原子炉格納容器というものです。巨大な鋼鉄性の容器ですけども、これが、いついかなる時でも放射能をとじこめるというそういう考え方にしたわけです。原子炉立地審査指針というものがあって、その指針に基づいて重大仮想事故という、まぁ、かなり厳しい事故を考えてると彼らはいうわけですけれども、そういう事故では、格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁は、ゼッッタイ(※でっかい声で発言)に壊れないという、そういう仮定になってしまっているのです。絶対に壊れないなら放射能は出るはずがないということになってしまいますので、原子力発電所はいついかなる場合も安全だと、放射能が漏れてくるような事故を考えるのは、想定不適当と。そして想定不適当事故という烙印を押して無視することにしたわけです。ところが実際に、破局的事故はおきて、今現在も行中で収束の見込みがたっておりません。たいへんな悲惨なことが、今、福島を中心に起きているということは、多分皆さんも御承知頂いていることだろうと思います。ただ、その現在進行中の事故にどうやって行政が向き合ってきているかと言う事についても、大変不適切な対応が、私はたくさんあったと思います。防災というものの原則は。危険を大きめに評価してあらかじめ対策をとっていく。住民を守ると。もし危険を過大に評価していたのだとすれば、あ、これが課題だった。でも住人に被害を与えないで良かったと胸をなでおろすという、それが防災の原則だとおもいますが。実は日本の政府がやってきたことは、一貫して事故を過小評価して楽観的な見通しで行動してきました。国際事故評価尺度で、当初レベル4だとかいうようなことを言って、ずーっとその評価を変えない、まぁレベル5といったことは有りましたけれども、最後の最後になって、レベル7だと。あまりにも遅い対応の仕方をする。それから避難区域に関しても、一番初めは3キロの住人を避難指示だす。これは万一のことを考えての指示です、と言ったのです。しかししばらくすると今度、10キロメートルの人たちに避難指示を出しました。その時も、これは万一の時を考えての処置ですと言ったのです。ところがそれからしばらくしたら20キロメートルの人たちに避難の指示を出す。その時もこれは万一を考えての指示です、と。いうようなことを言いながらどんどんどん後手後手に対策がなっていったという経過をだどりました。私は、パニックを避ける唯一の手段は正確な情報を常に公開するという態度だろうと思います。そうして初めて、行政や国が住民から信頼をうける。そしてパニックを回避するのだと私はおもってきたのですが、残念ながら日本の行政はそうではありませんでした。常に情報を隠して危機的な状況でないということを、常に言いたがるということでした。えー、SPEEDIという100億円以上のお金をかけて、25年もかけて築きあげてきた事故時の計算コード???。それすらも隠してしまって住民には知らせないというようなことをやったわけです。それから現在、まだ続いていますが、誰の責任かを明確にしないまま労働者や住民に、犠牲を強制しています。福島の原発で働く労働者の被ばくの限度量をひきあげてしまったり、あるいは住民に対して強制避難をさせる基準を現在の立法府が決めた基準とは全く違ってまた引きあげてしまうと言うようなことをやろうとしている。本当にこんなことをやっていていいのだろうかと、私は思います。現在進行中の福島の、原発事故の本当の被害って、いったいどれだけになるんだろうかと私は考えてしまうと、途方に暮れます。失われる土地というのは、もし現在の日本の法律を厳密に適応するなら、福島県全域といってもいい位の広大な土地を放棄しなければならなくなるとおもいます。それを避けようとすれば、住民の被ばく限度を引き上げるしかなくなりますけれども。そうすれば住民たちは被ばくを強要させるということになります。一次産業は、多分これからものすごい苦難に陥るだろうと思います。農業漁業を中心として商品が売れないということになるだろうと思います。そして住民たちは故郷を追われ、生活が崩壊してくことになるはずだと私は思っています。東京電力に賠償をきちっとさせるという話もありますけれども、東京電力がいくら賠償したところで足りないのです。何度倒産しても多分足りないだろうと思います。日本国が倒産しても、多分あがないきれないほどの被害が、私は出るのだろうと思っています。本当に賠償するなら。ということです。最後になりますが、ガンジーが7つの社会的罪ということを言っていて、彼のお墓にこれが碑文で残っているのだそうです。1番始めは『理念なき政治』です。この場にお集まりの方々は政治に携わっている方ですので、えー、十分にこの言葉をかみしめて頂きたいとおもいます。そのほかたくさん、『労働なき富』、『良心なき快楽』、『人格なき知識』。『道徳なき商業』これは多分、東京電力始めとする電力会社に私は当てはまると思います。そして『人間性なき科学』と。これは私も含めたアカデミズムの世界がこれまで原子力に丸ごと加担してきたということを私はこれで問いたいと思います。最後は献身なき崇拝。宗教お持ちの方はこの言葉もかみしめて頂きたいと思います。えー終りにしますありがとうございました。」

 

細かくて済みません。you tubeで見たままを文字おこしした文章で、

こうした良心的な科学者は排除され続け、今でも助教授なのだから呆れる。

30歳未満の青年から、乳幼児まで、敏感な人ほど被曝しやすいのだ。

被曝線量値など、広島でも検証不可能で、将来起こりうる事態に対処するはずがない。

更に計測器も色々あって、お薦めは私が持っているサーベイメーターであり、

ビル屋上に設置されているモニタリングポストなる計測器では全く不十分である。

主婦の嘆願があってから重い腰をあげるとは不届きも甚だしい。

 

海水浴シーズンとなり、未だに海開きをしていない地域が多い。

そりゃ心配するだろう。菅総理の福島第一原発視察ということさえなかったら、

空白の2時間30分は生まれなかったのである。枝野は菅に対して、

「このタイミングで官邸を離れたら、袋叩きに遭います」と諌めたという。

菅はいらついて、「馬鹿野郎!事態を食い止めるのと、批判されるリスクを考えるのと、

どっちが大事なんだ」と語気を荒げ、決して譲らなかったのである。

 

一方枝野は健康被害は心配ないけれど、出荷制限すると訳の分からぬ記者会見。

結果、菅総理が現場を離れた瞬間、水素爆発がおきた。ベントが遅れたのだ。

原発事故さえも自己の政権延命策にする、この大馬鹿野郎!とっとと辞めちまえ!

 

 

以前『硯水亭歳時記 Ⅱ』で論じた時、

六ヶ所村に移送された使用済み核燃料棒から発生すると思われる低レベル放射線の、

拡散した結果が明らかに高い乳癌発生率であると、このグラフは雄弁に物語っている。

六ヶ所村に核燃料棒が移転された時点から急速に上昇しているではないか。

 

政府機関や自治体にも疑って係り、こうなりゃ自己判断で行動するしかない絶望感で、

我が体内にその気骨が充満してくる。すべての情報開示こそ、政府の為すべきことだ。

この際、冷や飯を食ってきたすべての原発反対論者も仲間に入れた正確なデータを求む。


http://www.youtube.com/watch?v=Cg4MNT9dl30&feature=related

You tube発 小出裕章氏の講演「終焉に向かう原子力」 動画サイト ↑

 

原発事故に対して補償する保険会社は、世界中何処にもない。

東電から政府が代って支払う被災者に対する莫大な補償や海外からも求められたら、

結局日本国民の血税であると、誰もが肝に銘じて欲しい。

メルトダウンどころか、メルトスルーしているのが現在の実態であろう。

何としてもトレンチに貯まった汚染水を海中に出さぬよう、決死の闘いを希う。

 

尚、当「硯水亭歳時記」では

黒潮・親潮の海流利用による発電を強力に提案している。

 


  Gratiaに学ぶ散り際の美

2011年06月05日 | エッセイ

櫻の散り際は格段に美しい

 

 

Gratiaに学ぶ散り際の美

 

 

38億年前に生まれた人類の祖先、我が国の伝説の皇祖と言ってもたったの2,680年前。

その中で、私たちの一生はなんぼのモノだろう。泣いて騒いで、豪奢になったり色々だ。

先日話題に出した会津藩の悲劇。西郷頼母(たのも)の妻、千恵子は僅か34歳で自害。

官軍が攻め入った際、藩の備蓄を心配し入城を拒否。西郷家では壮絶な自害があった。

実に21名の者たち。中でも妻・千恵子の辞世の句が凛として残されている。

「なよ竹の 風にまかする身ながらも たわまぬ節は ありとこそ聞け」 享年34歳。

長女・細布子(たえこ)14歳、次女瀑布子(たきこ)13歳にも、二人合作の辞世の歌がある。

「いざたどらまし 死出の山道 手を取りて 共に行きなば 迷わじよ」

上の句は細布子、下の句は瀑布子の作で、互いに懐中刀を差し合って果てたという。

 

僕はいつも思う。歴史上最期の出処進退は女性の潔さが目立つのではなかろうかと。

官軍は戦後、会津藩の生き残りを集団流刑とし、14,284名もの多くの民人を極北の大地

下北半島に、斗南藩として幽閉した。後に陸軍大将・柴五郎も一緒に逃げ生き延びたが、

極貧・貧窮の極みの寒村に、人々は元藩校「日新館」を建て、教育に熱心だったという。

柴五郎は十歳で、ここに移り住み、厳冬の中、裸足同然で勉学に励み、

日清戦争などを経て、陸軍大将まで上り詰めた。

柴五郎の、齢80歳を過ぎてから書かれた、切々とした回想録や遺書が残されている。

 

処が男児ではなく、まだまだ凄い女性がいたのである。

現在大河ドラマとして「江 姫たちの戦国」の中に、細川ガラシャが出てくるが、

何ともこのドラマは漫画チックで、どうもいただけない。視聴率が悪いのは当然で、

筆者の田淵久美子さんの前回のドラマ・「篤姫」とは大違いだ。緊迫感に乏しい。

その直後、放映される司馬遼太郎原作の、「新撰組血風録」で大いに溜飲を下げているが、

肝心要の場面の飛ばしは半端ではない。茶々、後の淀殿の宮沢りえはよしとしても、

主演の江を演じる上野樹里はどうも精神的演技が不得手のようで、堪らない。

戦国の世を生きる迫力に甚だ乏しく、45分ものお付き合いは苦しい限りである。

 

さて再び細川ガラシャの話題に戻そう。

細川ガラシャ、つまり明智光秀の三女・玉のことで、細川忠興に嫁いだ女性のことだ。

秀吉の派手で、色好みを酷く嫌ったらしく、避け続け、忠興とは夫婦円満で5子をもうけた。

明智光秀の謀反の後、忠興は玉(別名・珠)の行く末を案じ、明智領の丹波味土野屋敷に、

幽閉してしまうが、石田三成の軍勢が屋敷を取り囲むと、何と家老の小笠原秀清に、

別室から槍でつかせ、自刃してしまうのである。実は秀吉の伴天連追法令の後、

玉は、正式にカトリックの洗礼を受け、ガラシャ(Gratia=神の恩寵)と名乗ったのである。

愛する夫・忠興に、戦国の世を気兼ねなく生きて欲しいとの一念であったかも知れないが、

茶々とは大違いで、徹底的に秀吉に抵抗した気高い女人であった。

絶世の美女でもあるガラシャが自刃する際に、残された辞世の句が今も残っている。

「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」

 

第79代内閣総理大臣の細川護煕氏は突如辞任されたものだが、この時の記者会見で、

披露された歌が、16代目前にあたる先祖・細川ガラシャの、この辞世の歌であった。

 

レームダック(死に体)している菅総理は一刻も早く退陣すべきである。

多くの潔い女性たちの、最期の気概をかみ締めて欲しい。

 

江戸彼岸の紅枝垂れ櫻 (弘前城公園内にて)