硯水亭歳時記

千年前の日本 千年後の日本 つなぐのはあなた

   「ノーサイドにしましょう、もう!」

2011年08月31日 | エッセイ

日本記者クラブでの立候補者会見 (2011,8,27  午後2時から)

 

 

  「ノーサイドにしましょう、もう!」

 

 史上最悪のパフォーマンス、及び思いつき内閣の菅総理がやっとこさ退陣し清々した。新たな民主党新総裁、及び新総理がこの月曜日に選出された。初回二位だった野田が、一位の海江田を、決戦投票では堂々と破り、実質小澤排除が出来たのだが、代表選挙では野田の巧みな心の籠もった演説が功を奏したのではないだろうか。海江田は小澤の指示を受け、そして濃厚な影が見止められ、経産省で強力に推進していたTPP交渉を棚上げにした。情けない海江田。おまけに、民自公・三党合意まで白紙に戻すというから、何をか況やである。かの小澤一郎は数と金の論理だけで、イデア無き政局屋でしかなく、常に壊しては何をやりたいのか、未だにサッパリ分からない。小澤詣でとか言い、20年前のいつか見た光景として、またぞろ思い出されたものだ。菅は「やれることややった」と最後になっても駄法螺を吹き、いやはや鳩山の大馬鹿者の嘘つき内閣と言い、それから言われるペテン師呼ばわれされる菅内閣と言い、民主党には全く明日がなかった。正論を語り、国家観のある野田は民主党の最後の砦である。民主党の瓦解はどうでもいいが、国家が沈没する危機にある現状をどう具体化して、政治が機能するのか、最早後戻りは出来ないのである。野田の父親は越中八尾の農家の出で、六人兄弟の末っ子。母親は船橋の農家の出で、十一人兄弟の末っ子である。父親が自衛隊空挺部隊所属(習志野市)であったことから、母親と出会い結婚。野田佳彦が誕生した。シティー・ボーイの筈だが、泥臭いのはこの出自のせいかと胸を張り、過去24年間に渡って、津田沼・船橋・西船で野田を見ない朝はなかった。「駅前留学はNOVA、駅前演説はNODA」だと公言し、雨の日も風の日も雪降る日も駅頭で「朝立ち」し、この奮闘は財務大臣になるまでずっとこうした辻説法が続いた。松下政経塾第一期生の野田の真価はこれからが問われることになろう。五人の候補者の中で唯一耳障りの悪いことを発信していた正統派政治家である。勇気があった。課題は甚大で巨大で、アレもコレもと山積みである。感動的な多くの野田の演説は人を魅了し、この人は人を動かす。鬼っ子憎まれっ子の小澤はもういいだろう。又ぞろ三つに分かれていた親小澤派は一つに纏めるために暗躍しているらしい。これは新総理を牽制しているのだろうが、三党が大震災や税と社会保障の一体改革で益々充実し合意形成して行くとなると、劇的に小澤の権威が薄れて行くのが怖いだけの小心なオトコである。新党を作って出て行きたいなら、さっさと出て行け。岩手県出身でも被災地に入ったのは確かたった一度であったかと思う。岩手県には子飼いのマナ弟子である達増知事がいるからいいのだろうと高を括っているだけのことだが、被災地では選挙の時しか来ないと言う被災者の厳しい声もあることをはっきりと紹介しておこう。ともかく最後の切り札である野田佳彦総理の奮闘に期待しよう。

 最も大切な課題は財政再建の道筋をつけることである。大震災や原発事故対応も当然のことだが、与党だろうが、野党だろうが、等しく財政再建の視点に立つ施策があって当然だろう。この二年間の民主党の、最も恥ずべき総括として、外交戦略の課題が最重要課題としてあげられる。外交戦略なくして、我が国の未来はないのである。そうした意味で、中身の部分で保守本流を匂わせる野田には最後の期待をしたいものである。

 

広域放射線漏洩時期と線量調査結果

 

8月17日時点での放射線量調査結果

 

6月14日時点でのセシウム線量調査結果

 

 本日8月31日で、福島・宮城・岩手三県において、体育館などへの集団避難場所がすべて撤収された。この間、私たちは途切れることなく被災地に行き何でもやった。絵本の読み聞かせや、瓦礫の撤去作業や、家々での片付けや、ヘドロの掃除や、避難者との濃密な会話や、イベントなど、多くのことに関わって来た。まだまだ足りないが、被災者からどれだけの勇気と、「しおらしい」美徳を学んだことだろう。特に酷いのは福島県で、終わりなき闘いを強いられている。最後に菅が佐藤知事に挨拶に行った時、「放射線物質の汚染物はすべて県内で処理してもらいたい」との強い要請に対し、佐藤知事は激怒した。根回しもなく、再び唐突に言う気かと。原発事故の対応も幼稚で遅く、何とSpeediを隠蔽し、地元には何の情報公開もしなかった罪悪は万死に値する。因みに最初にSpeediから情報が発信されたのは3月12日のことであり、政府官房の発表は何と二ヶ月近く遅かった。よく枝野官房長官は「しっかり」とか「安全だ」とか言う言葉は弁護士としての言質を取られない範疇だけで、一切信用ならなかった。3月末にやって来たIAEAの職員は飯舘村の線量が高いと既に警告し指摘していたのに、同心円の危険区域の設定だけで、全く稚拙であったばかりか、この対応の遅さは決定的であった。何故なら殆どの放射性物質の飛散は、事故後に起きた水素爆発時に99%と決定的であったからである。つまり初動がすべてであった。

 今回組閣に当たって、細野原発担当責任者と、平野復興責任者を替えるべきではない。そして権限と莫大な資金を与え、復興庁は福島市に置くべきであり、地方自治体をもっと信用すべきである。彼らは永田町にいる貴方方より遥かに真面目であるからであり、更に除洗作業を一刻も早く実施すべきである。能天気でパフォーマンスに終始した菅と、普天間問題で嘘つき宇宙人になった鳩山の馬鹿ボンとの負の遺産を、野田総理は同時に背負わなければならず、民主党が再生するかどうかも含めて、ズシリと肩の荷が重かろう。敢えて火中の栗を勇気を持って拾ったのだから、スピード感と決断出来る内閣になって貰いたいと祈るばかりである。ドジョウ内閣がどのような内閣になるのかも楽しみで、最後っぺとして勇断を奮って貰いたく切にお願い申し上げたい。

 世界では欧州の金融不安、アメリカの先行き不安感で、株価は大幅下落。中国は着々と海軍増強にあり、ロシアの北方領土では北朝鮮労働者で、槌音が聞こえる。韓国では独裁者・李承晩 라인大統領の時、サンフランシスコ平和条約を勝手に無視し、独自に海洋主権宣言(李承晩ライン)をして、竹島の領有権を主張した。日本は国際裁判に持ち込もうとしたが、片方だけの出席では成立せず、今や実効支配どころか、3,000人乗船可能な観光船が運航されている。中国には第一防衛ラインがあり、沖縄本島までスッポリ入る。第二防衛ラインは東京湾から小笠原まで伸びる。この画策は何と小平の時代からであった。尖閣諸島は日本の領有権があると言った時、一言も言わなかったのに、全くの暴言であり、拡張路線以外何物でもにない。この代表選挙に際しても中国の漁業監視船二隻が我が国の経済的排他水域に入って来た。先日あったノルウェイの銃乱射事件で明らかなように、欧州各国には極右の勢力が台頭してきてから、既に10年以上か。Libyaでは首都Tripoliが陥落し、Gadhai(カダフィ大佐)は家族をアルジェリアに逃し、孤軍奮闘の最期の局面である。大佐の豪華住宅兼軍事施設(Bab al Azizia)は既に開放され民衆によって観光化されている。その敗戦も知らず、大佐側の兵士が実効支配していたホテル・Rixosでは海外メディアの連中35名が拘束されていたのを、たった一人の女性テレビプロデューサーが兵士に敢然と抗議し、拘束が見事に解かれた。驚くべき勇気ある行動である。「アラブの春」はあのエジプトで未だに選挙が行われず、民衆の不満は鬱屈したままである。シリアではアサド大統領の反体制勢力抹殺作戦で日夜戦死者が出ている。ソマリアでは嘗て無い程の飢饉で、内戦とも相俟って、ケニアやエチオピアに逃れた難民で溢れ、驚異的な死亡率を誇り、今や喫緊の国際課題である。北朝鮮の金正日が汽車でロシアに行き、メドベージェフ大統領と露軍隊内で会談。ロシアの石油パイプライン招聘について語り、シベリアから中国、北朝鮮、韓国までラインを通したいらしいが、そのプロジェクトは日本が最も深く関与し、まぁ北朝鮮に単にお話をして合わせたことだったろう。中国は黙認。ハリケーン(愛称アイリーン)は被害額六千億円ぐらい出したらしい。我が国を取り巻く国際環境は一つも無視出来るものはない。円高ドル安の傾向は長く続き、大会社はいいとして、そこに連なる中小企業は四苦八苦しているのである。内閣がコロコロ代わり、「回転木馬」と揶揄されているが、内向きではいられないのが実情であり現状なのである。菅内閣の時、全く外交が機能しなかった。その始末は未だ付いていない。世界の僻地で風邪をひいても直ぐ伝播し直結する今日の状況はあらゆる事象に耳を傾けたいものであり、しっかりしろ日本丸!

 

何の花か知らないが 現在我が家に咲いている白い花を贈ろう

 


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2 コメント

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どじょうが出てきてこんにちは (りんこ)
2011-09-02 20:51:57
こんばんわ、おにいさま。
お兄様は人相学の方にも精通なさってます?
なんか、テレビを見ていて、
なんとなーく、野田さんの目と鼻に
好感を持っている私ですが、
人相学、全くわからないので 笑
輿石さんが上に来たことにハラハラしますが、
おおむね浮き足立った感じの少ない内閣にみえますね。
ほんと、今度こそ、根を深く太く、がんばってもらいたいです。
僕もやや期待をして (硯水亭歳時記)
2011-09-03 17:58:36
   りんこさま

 野田佳彦は生まれ年が七赤金星で、月日は五黄土星です。今年は一白の年ですから、やや上向きの年に総理になったわいと思っています。20年前、社員のお見舞いのために津田沼に行った時、熱心に辻説法をしていました。今の民主党の中で、彼ほど演説の上手い人はいないでしょう。従って野田氏の登場は民主党にとって最期の切り札と言っても過言ではないかも。

 因みに今年の彼の運気は小吉です。「良く動くし、中身は陽気でほがらか。開放的な性格です。多芸多才で万事に器用。順応性、適応性に富み、社交性は超一流。世才にたけており、目先もきくので人受けが良く、殊に目上の引き立ては早い。また、機知にあふれ、人をそらさぬ弁舌は七赤の一番の武器です。但し、口ほどに実行力が伴わない時は、お調子者と揶揄されたり誤解されるので要注意。さして苦労なく”悦び”ごとに恵まれる運命の為、つい自惚れが強くなり、自分には甘く、人には辛口のお説教をしがちになることがあるのです。口は災いの元。甘えや軽薄に流れず、粘りと根気を養って幸運をつかむべし。」と。

 人相は以前のほうが遥かによかったんですよ(大爆笑) だってね、あんなにプクプクしていなかったんです。綺麗な青年でした。彼は日本酒が好きらしく、或るお店でも評判です。まぁ酒豪のほうでしょう。

 あんなに気を使って組閣して、今後どうなるのでしょう。彼のホントのリーダーシップが試されることでしょう。かのトロイカ・古狸連中には懲り懲りですね。今度こそ、ちゃんとスピード感を持ってやってくれないと、愈々民主党には国民すべてがしかるべき時に、断固として判断を下すのではないでしょうか。それを祈っています!

 尚りんこさんのお嬢様は殆ど私の妻と同じ星廻りと運勢の持ち主ですから、どちらかというと、すっごく日々楽しみにしているんですよ。

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