Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

2級建築士試験 製図試験2015

2015-09-15 20:55:05 | 建築士試験
9/13(日)に2級建築士試験製図試験が行われました。
受験したみなさん、お疲れ様でした。
今年の課題は、
「3階に住宅のある貸店舗(乳幼児用雑貨店) 鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建て」

敷地は平成21年度の「商店街に建つ店舗併用住宅3階建て」の時と同じ10m×20mの細長い狭小敷地でした。
今回は南北両面道路でしたが、南道路から客用出入口、北道路から住宅用出入口へアプローチしなさいという指定があったので、計画しやすかったのではないでしょうか?
貸店舗ということで、共用のコア(縦動線)のあるタイプがもっとも一般的で、出るのではないか?と予想していましたが、的中しましたね!

エレベーターが共用部にしかないので、店舗から共用部へ行ける計画になっていない場合(扉の描き忘れなど)は、一発失格のおそれがあります。
あるいは店舗専用のエレベーターを勝手に計画したような場合も、大きな失点があるでしょう。
逆に、1-2階を結ぶ店舗専用階段を計画しなかった場合も、一発失格のおそれがあります。
「屋内直通階段」の意味がよくわからなかったという方が数名いらっしゃいました。直通階段は、途中の階で、廊下などを通らないと次の階段へ行けないようなものはダメ、という意味で、直階段ではないので、イッテコイのいつもの階段で全く問題ありません。

計画では、2階の計画がむつかしかったという声が多かったですね。
喫茶コーナーから屋内プレイスペースが見渡せない計画は、一発失格のおそれがあります。
また、屋外プレイスペースを、1階の屋上(2階フロアレベル)に設けよとありますから、屋外プレイスペースが1階にあるような場合も失格でしょう。

この屋外プレイスペースの上に3階の住宅の床をのせてしまった方がほとんどでした。
屋外、の解釈が微妙ですが、壁がなければ、屋外なのではないか、と思いますので、上に床が乗ってきても、それほど大きな減点はないのではないかと思います。というのは、それを失格要件にしてしまうと、ほとんどの方が失格になってしまうからです。
ただ、試験元は採点基準をはっきりとは公表しませんので、なんとも言えませんね。。。

この屋外プレイスペースを、ラーメンフレームひとつまるまるとるか、15平米以上、なので、フレームの半分だけにするか。
ほとんどの方が、フレームの半分を屋外プレイスペースにしていたので、柱や梁が必要になります。この辺の構造理解が、合否を分けるポイントになりそうです。
学院ではインナーバルコニー(フレーム内のバルコニー)をさんざん練習してきましたので、みなさん間違えずに描けたと思います。
断面図の指定位置、屋外プレイスペースを切っていない場合も失格のおそれがありますね。
「幼児の階下への転落防止上有効な手すりを設ける。」というのも大事なポイントですので、立面図断面図に手すりをきちんと描いて、手すりの高さ1100以上、格子の場合は格子の間隔110以下になっていないとなりません。壁手すりなら安心ですね。

また、この屋外プレイスペースですが、
「(6)スロープ
ベビーカーを使用する来客者が支障なく利用できるように、必要に応じて設ける。」
「エレベーター イ.1階及び2階の店舗部分からベビーカーを使用する来客者が支障なく出入りできるようにする。」
というのを読み解くと、屋外プレイスペースの床も、デッキなどで仕上げてレベルを一緒にしておくか、スロープを設けないとまずそうですね。
ただ、そこまで気がついた人はとても少なかったので、大減点ではなく、中減点くらいでしょうか、、、。

あと、細かいところでは、
授乳ブース(1m×1mのエリアを2つ描けばいいだけ)
「多機能便所」を「多目的便所」と間違えた
喫茶コーナーのレジスター(レジのこと)
配膳台、手洗い器の描き忘れ
絵本コーナー、絵本棚の描き忘れ
などがあったようです。

フレーム全体を屋外プレイスペースにしたタイプと、フレームの半分を屋外プレイスペースにしたタイプの2つを作成してみましたので、参考にしてみてください。









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