ぼくは勉強ができない (新潮文庫) 価格:¥ 420(税込) 発売日:1996-02 |
ぼくは勉強ができない 山田詠美
510先生のブログで大絶賛だったので借りてみました。
山田詠美という人はちょっと食わず嫌いしていたので、初めて読みました。
巻末の解説を原田宗典が書いていて、タイトルが秀逸と言っているのですが、マンガ「俺はまだ本気出してないだけ」同様、私的にはタイトルで引いてしまっていて、手にとるのに勇気が必要な本でした。開き直ったような言い訳じみたタイトルがカチンときちゃうんだなあ。。「もっと熱くなれよ~。開き直ってんじゃねえよ~。」と、松岡修造ファンとしてはいいたくなる。笑。
タイトルはともかくとして内容は、マンガもこの本も、どちらも実は言い訳でも開き直りでもなんでもなくて、主人公はむしろ普通にがんばってる人たちよりも生真面目なんですね。
私は読んでいて、この人たちは徒歩の人たちだな、と思った。
電車に乗っている側から見ると、「なんでタラタラあるいてるの?電車に乗っちゃえば速くて効率的なのに?」と言いたくなる。でも彼らは「その電車が本当に行きたい所に連れて行ってくれるなら乗ってもいいけど、本当に行きたい所へ行くとは思えないから、自分の足で歩きたいんだ」と言っている。
普段「電車に乗り遅れるぞ。早く乗れ乗れ!早く早く!!」と叫びつづけている私には実に耳が痛い小説というわけです。自分だって、気がついたら行く先が違っていて、途中下車してとぼとぼ歩いているくせに、子どもには早く電車に乗れ、と言っている。秀美に言わせたらナンセンスでかっこわるい同情すべき大人なんだな。
でもやっぱり、自分の子どもが秀美みたいだったら、、、ちょっとイヤかな。なんとなくね。自分に仁子さん級の度量がないからね。
ただ、櫻井先生みたいな男性と出会ったら、惚れちゃうかも。笑。こんな先生と出会うのは、おそらく、宝くじに当たるよりも稀なことだと思いますけどね。