富士通の館林データセンターの新棟が完成、オープンする。旧工場の跡地を活用した館林データセンターの事業は好調のようだ。
データ新棟、安全売り、富士通、群馬に、免震設備など(2016/04/06 日経産業新聞)
富士通は5日、群馬県館林市のデータセンターの新棟を開いた。延べ床面積は3万9000平方メートルと国内有数の規模だが、誇るのは規模よりも安全の水準の高さだ。館林は同社のデータセンター事業の発祥の地。原点回帰ならぬ原点の発展拡大で、クラウドやあらゆるものがネットにつながるIoT向けの新たな需要を取り込む。新設の館林データセンターC棟には約460億円を投資した。国内10カ所強、世界で約100カ所を展開する富士通のデータセンターの中でも最大級の大きさで、5階建ての3~5階にサーバーなどのIT(情報技術)機器を収める棚を4000台設置できる。サーバーが発する熱を効率的に冷却しており、既存の棟より冷却電力を6割抑えることができる。館林自体は1995年の開設。富士通がデータセンター事業を始めるにあたって候補地を全国から探し、ATMなどの工場として使っていた館林市の敷地が都心からの距離や地盤の固さなどの条件で最適だと判断した。現在、C棟の地下1階に金属板が透明なケースの中に飾られている。地震が起きたときの記録部品で、5年前の東日本大震災時にB棟のデータセンターの下層部に取り付けられていた。特殊な針が揺れに合わせて表面をひっかく仕組みだ。金属板の引っかき傷は南北方向に12センチ、東西方向に8センチ。揺れがいかに大きかったかを物語っている。免震設備などのおかげで建物や設備には被害がなく、発電機や無停電電源装置などを使って稼働を継続できた。09年の開設からB棟は停止ゼロを継続している。C棟でも売り物にするのは「止まらない」という安全・安心だ。「(サーバー収納棚は)2020年前後に埋まる想定」とアウトソーシング事業本部長の小林俊範執行役員は話す。顧客のIT機器を預かり運用を請け負うアウトソーシング事業が中心だったデータセンターは、クラウドなどの新しいITサービスの基盤へと役割を変えつつある。データセンター分野で東京五輪の「ゴールドパートナー」を務める富士通。20年夏を笑顔で迎えられるかどうかは、館林の新棟が計画通りに顧客の信頼を勝ち取ることができるかにかかっている。
データ新棟、安全売り、富士通、群馬に、免震設備など(2016/04/06 日経産業新聞)
富士通は5日、群馬県館林市のデータセンターの新棟を開いた。延べ床面積は3万9000平方メートルと国内有数の規模だが、誇るのは規模よりも安全の水準の高さだ。館林は同社のデータセンター事業の発祥の地。原点回帰ならぬ原点の発展拡大で、クラウドやあらゆるものがネットにつながるIoT向けの新たな需要を取り込む。新設の館林データセンターC棟には約460億円を投資した。国内10カ所強、世界で約100カ所を展開する富士通のデータセンターの中でも最大級の大きさで、5階建ての3~5階にサーバーなどのIT(情報技術)機器を収める棚を4000台設置できる。サーバーが発する熱を効率的に冷却しており、既存の棟より冷却電力を6割抑えることができる。館林自体は1995年の開設。富士通がデータセンター事業を始めるにあたって候補地を全国から探し、ATMなどの工場として使っていた館林市の敷地が都心からの距離や地盤の固さなどの条件で最適だと判断した。現在、C棟の地下1階に金属板が透明なケースの中に飾られている。地震が起きたときの記録部品で、5年前の東日本大震災時にB棟のデータセンターの下層部に取り付けられていた。特殊な針が揺れに合わせて表面をひっかく仕組みだ。金属板の引っかき傷は南北方向に12センチ、東西方向に8センチ。揺れがいかに大きかったかを物語っている。免震設備などのおかげで建物や設備には被害がなく、発電機や無停電電源装置などを使って稼働を継続できた。09年の開設からB棟は停止ゼロを継続している。C棟でも売り物にするのは「止まらない」という安全・安心だ。「(サーバー収納棚は)2020年前後に埋まる想定」とアウトソーシング事業本部長の小林俊範執行役員は話す。顧客のIT機器を預かり運用を請け負うアウトソーシング事業が中心だったデータセンターは、クラウドなどの新しいITサービスの基盤へと役割を変えつつある。データセンター分野で東京五輪の「ゴールドパートナー」を務める富士通。20年夏を笑顔で迎えられるかどうかは、館林の新棟が計画通りに顧客の信頼を勝ち取ることができるかにかかっている。