APBは、全樹脂電池を開発している。全樹脂電池とは、電極を含めてほぼ全てを樹脂で形成するリチウムイオン電池の一種。従来のリチウムイオン電池に比べて高い安全性、低価格、高エネルギー密度で利点を持つ。全樹脂電池は、慶応大学特任教授の堀江英明氏が考案、2018年にAPBを設立、三洋化成の子会社として出発した。2020年に福井県越前市に工場を新設した。第三者割当増資でJFEケミカル、JXTGイノベーションパートナーズ、大林組、慶応イノベーションイニシアティブ1号投資事業、帝人、長瀬産業、横河電機などが出資した。さらに30GWh/年程度の量産工場を新設する。2022年12月には三洋化成は、APBの株式一部を福岡の半導体開発スタートアップTRIPLE-1(トリプルワン)に売却した。三洋化成の出資比率は44.2%から10%に下がった。2023年3月にはサウジアラビアの国営石油会社Saudi Arabian Oil Company(サウジアラムコ)と提携を発表した。製造の難しさが課題としてあるようだ。
APBは、All Polymer Batteryの略で、全樹脂電池の専業メーカーの会社名。代表取締役CEOは堀江英明氏。本社は福井県越前市。東京にも事業所を設置している。