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ベアリングの電食 その2

2020-07-28 19:33:56 | ベアリング、回転機、エンジン
ベアリングの電食すなわち電位差腐食について、福田交易のWebサイトに詳説がある。
 
モーターにおける軸電圧・軸電流対策はベアリング損傷防止のために重要である。インバーターモーターで流れるベアリング電流(電圧)は3種類ある。これらの電圧すなわち電位差はベアリング内部での一瞬の放電、突発電流を引き起こし、ベアリング損傷につながる。
(1) 静電容量によるEDM電流(対地軸電圧) ⇒EDM電流は英語表記でElectrostatic Discharge Machining Bearing Currents
(2) 高周波循環電流(軸端間電圧)
(3) 分離ベースによる軸受電流(筐体間電圧)
 
その対策としては以下が挙げられている。
(1) 軸アース ⇒カーボンブラシ、アースリング
(2) 軸絶縁 ⇒絶縁ブラケット、絶縁ベアリング
(3) コモンアース ⇒一般的なアース線、高周波アースストラップ
 
「ベアリング交換時、グリースが黒かった」「電食は起こっていないけど摩耗・なし地などは起こっている」といった回転機でも、軸電圧の放電が原因で軌道面や転動体が損傷し、それにより潤滑剤中に異物を生成、その異物により、結果的に摩耗・圧痕・なし地などを引き起こしていることもある。
 
電食診断法として、軸電圧測定が挙げられている。
 
ベアリングの電食は、インバーターモーターの宿命。インバーター制御機器が増えるにしたがって、ファンなどのモーターにおけるベアリングの電食対策は必須である。NSK(日本精工)では、電食防止のためのセラミックボールベアリングを商品化している。
 
ちなみに電食を英語でelectrical erosionと言う。
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