サーラ Notes

見えない世界から伝えられてくる
メッセージや提案を
より豊かで幸せな人生へのヒントにして頂ければ幸いです

心を育む~自発的…~追伸

2014-04-12 |  ├ 事例
前回のブログを読まれたMさんからメールがきました。
多くの方にとって示唆に富む内容だと感じましたので、再びブログでのシェアリングをお願いしました。


ブログを読んでいてこの間、Aに言われたことを思い出しました。
『父さんも母さんも、どうしてもっと私を信頼しないのか?
今まで私なりにある程度考えて、ここかなぁと思う大学を出したつもりだ。』

このAちゃんの言葉に、Mさんは次のように返したそうです。
『それはAが、母さん達を信頼させるような態度じゃないからよ』

そしてお父様も、Aちゃんのことがよく理解できないようで、コミュニケーションの不足を感じておられるそうです。



ここで皆さんには
『信頼するとはどういうことなのか?』ということを、改めて見つめ直してもらえたらと思います。

この社会で学歴や点数や肩書きに重きを置くことに慣れてきた人間には、ハッキリ分かる態度や言葉で安心したい傾向があるようです。
ただ親御さんの中には、態度や言葉ばかりを求めることによって子どもさんを追いつめて、素直な心を言えなくしている方が在ります。
そして親の意見を押しつけられたり心を傷つけられたりしないために、子どもが壁を作らざるを得ない状況にしている方も在ります。

先ずは、安心したい親の心の中に、親自身の個性に彩られた
「安心できる子ども像」があることを知っている必要が
あるのではないでしょうか。そしてまた「口ばっかり」とか「人が見ているといい格好して」の表現に見るように、
態度や言葉が余り当てにならないことも思い出してもらえたらと思います。



★子どもと心の交流をして、子どもなりに自分の将来を考えている”姿勢”を信頼していく


今回『子どもを信頼する』ために、最も皆さんにお勧めしたいことは『子どもと心の交流をする』ことです。
それは、
人間は頭(思考)で満足して落ち着く存在ではなくて、心で満足を感じて落ち着いていく存在だからです。

心の交流とは
『心で感じていることを言葉にして伝え合う』ということです。

Aちゃんのように口数の少ない子どもさんには、先ず親側の”素直な心”を言葉にしてみてはどうでしょうか。

「Aがちゃんと考えていることは分かるし、これまでのAの過ごし方を振返ってみると、Aをもっと信頼していいんだと思う。
ただ親だって人間だから、察することだけで安心するというのはとても難しいことなんだ。

大学選択になると学部的にも地域的にも一気に広がるし、将来を考えることでもあるから、
Aにはよかったなと感じる大学に進学してもらいたい。
だからこそ心配も大きくなるし、もちろん経済的なことも考えていかないといけない。

Aが、大学生活というのをどんな風に考えていて、今、受験したいと思っている大学をどうして選んだとか~
学校のみんなや先生はこう言っているけど、Aはどう思っているかとか~
そんな会話をしてくれたら、お父さんやお母さんは、もっと安心して見守っていられると思う。
それにAより長く生きてきているお父さんやお母さんだからこそ、言ってやれることや、
応援してやれることに気付けるかもしれない。」


子どもと心を開いた会話をする時にとても大切なことは、自分の考えを分かってもらおうとし過ぎないことです。
子どもの心を知っていこう感じていこうとして行う会話であることを忘れないことです。
そして<<心を育む~言葉~>>でも紹介したように、心で感じていることを素直に言葉にして、
子どもの心に届けようとすることです。



★言葉の向こう側、態度の向こう側を、察しながら感じながら想像しながら、
今の自分なりに懸命に答えを出そうとしているその”姿勢”を信頼していく



心を交流させる会話というのは、自分の心を感じながらそれを言葉に置き換えていく作業ですから、慣れが必要です。
幼い頃からこんな会話を積み重ねていると難しくはないですが、そうでなければ親にしても子どもにしても慣れていく積み重ねが必要です。
またAちゃんのように、自分のことを饒舌に語るタイプではなかったら、親側の『察しようとする』心が尚いっそう大切だと思います。

「ちゃんと考えているようだ~」
「今のAなりに答えを出そうとして考えているようだ~」
「将来といってもまだまだ漠然としているだろう。でも自分なりに将来の仕事に繋がる学部を選ぼうとしているんだな~」
「やみくもにレベルの高い大学を目指そうとするのではなくて、自分らしく在れる学校を探そうとしているんだな~」


こんな実感が心に広がれば、ハッキリした言葉や態度がなくても心は安定へと動いていくはずです。



思春期は、自分とはどんな人間なのか、生きていくとはどんなことなのか等を知っていこうとする時期です。
そんな時期に、自分の幸せを願ってくれている身近な人と、素直な心で色々な話ができるというのは、
人としての豊かで安定した土壌を作っていく大きな一助になります。

私は、Aちゃんと数回お会いしてお話したことがあります。
どんな問いかけにも、その場逃れでも表面的にでもなく、自分にとっての本当のことを伝えようとして、
一所懸命に言葉を探して応えてくれます。瞳の奥にいる私に焦点を合わせるようにして、私の目を見つめられます。
高校三年生にして自分を持っているだけではなく、自分を大切にするということを身につけておられます。

冒頭のAちゃんがお母様に言われた言葉、みなさんはどう感じられたでしょうか?
…自分なりに考えているからもっと信頼して欲しい…

我が子が、こんなことを伝えてくる高校三年生に成長していたら、嬉しくはないでしょうか?






*ここに紹介させて頂いている個人的な内容は、ご本人に了解を得て掲載しています。






心を育む~自発的な動き~

2014-04-08 |  ├ 事例
心を育みましょうという子育てへの提案は、今回で終了です。
最後にあたって、子どもの『自発的な動き』を大切にしましょうという提案です。


自発の力とは、内側から動き出す力、何かしようとする力、なんとかしようとする力です。
それが「ねばならない」「~した方がいいだろう」という頭(思考)からの強制や判断ではなくて、
ハートからの欲求として起こってくることが大切です。

ハートは深い自分(魂としての自分)と繋がる場所ですから、そこから動くからこそ、他者や周囲に翻弄されない、
自分らしい人生を創っていくことができます。


ここであるお母様Mさんからのメールを紹介します。
Mさんからは、4月から高校3年生に進学された娘さんAちゃんに関する相談を頂きました。


Aですが、ドライブがてら、目下のところなんとなく考えている地方の大学を見に行ってみようかと言っています。
無駄になるかもしれませんが、旅行気分なら気楽に行けるかなぁ~と思っています。

私からは、とてもいいことだと思うという返信をさせて頂きました。
それは何よりも、Aちゃんの中に『来年は大学なんだ』という意識を高める、一つのキッカケになるからです。
すると『どこを受けようか』という自発的な意思が高まり、大学を身近なものとして探し始めることにもなるからです。
また、色々な大学を見たり雰囲気に触れることは、大学を決めていく時に大切な内的な感覚を目覚めさせますし、
入学した後の心の充足感や安定にも繋がることだからです。

すると次のような返信をMさんが送ってくれました。

正直、Aの腰の重さについつい、苛立ちをおぼえてしまいます。
のんびりしたAを適度に促すのは、なんだか難しいです。
とりあえず、サーラさんのアドバイス通りに時間を見つけて、色々見に行ってみます。



このMさんの返信メールを読んで、皆さんはどう感じられるでしょうか?
強く伝わってくるのは、MさんのAちゃんのこれからに対する不安と、今のAちゃんの態度に対する不満足です。
そして何とかAちゃんを動かして、お母様自身が自分の中の不安と不満足を消していこうとされているのが分かります。

子どもが活き活きとした自分らしい人生を創っていくには、何よりも
魂としての内的な力に結びついた『自発力』が大切です。
そのためには幼い頃からの
『自分で感じて考えて、選んで決めて、そして動いて経験していく』ということが必要です。
これは何度もお伝えしていることです。
<<自発力(2012/05/03)>>
<<僕に必要なこと(2012/05/03>>

「見に行きたい大学があったり、お母さん達に出来ることがあったら何でも言ってね~」等と、応援している気持ちを表したり、
キッカケを作ってあげる様なこともお勧めできることです。
でも、行動するよう先回りし過ぎたり、お尻を叩くようなことばかりしていたのでは、子どもの生きて行く力は育ってはいきません。


『自発の姿にも個性があります』

自発というと伸び伸びと、活き活きとそれを表現する子どもをイメージされるでしょうが、でも、子どもには個性があります。

周囲からよく分かるように表現する子も、自分の心に持って他には見せない子どももいます。
また、態度や言葉で表現するといっても、迷っている途中の自分の心との会話を、親との会話で行う子どももいます。
こんな場合は、その時々で変わっていく子どもの話に翻弄されてしまったりもします。
だからこそ、自分の子どもの個性や表現の傾向を分かっていることは、とても大切なことです。

Aちゃんの場合は、ゆっくりとゆっくりと味わいながら考えを深めながら、着実な歩みを進められるお子さんです。
だからAちゃんのようなお子さんの場合、他者や世の中に振り回される度合いが少なく、ご自分の心で納得される選択をされますから、
一度決めたら揺らぐことも少ないです。

お母様のMさんは、何でも早く白黒をつけていきたい傾向が強い方ですから、Aちゃんは「腰が重いのんびり」に見えると思います。
でも私から見ると、Aちゃんは高校生活の中で、自分という個性を見つめながら味わいながら、
一歩一歩しっかりと自分の意思で歩みを重ねてこられています。思春期の理想の過ごし方です。
これまでのAちゃんの歩みを振返れば、お母様さんは、これからの歩みを信頼して見守れるのではないかと思います。




四月から高校三年生となられたお子さんをお持ちの方も多いと思います。
高校卒業後の進路を考えることは、自分が大人になった時の生き方を考えていくことです。
子どもにとったら『自分の人生に真摯に向き合っていく』という経験を重ねられる、得難い機会なのです。

どうぞ子どもの『自発力』が動いて、子どもらしい人生を見つけていくことを楽しみにされながら、
気長に見守られていかれますように!





*ここに紹介させて頂いている個人的な内容は、ご本人に了解を得て掲載しています。