●「にごりえ」
◆樋口一葉の短編小説。1895年9月、「文芸倶楽部」に発表。
http://p.tl/eps4
山梨県立文学館所蔵の未定稿によれば、当初の草稿では「ものぐるひ」「親ゆずり」の仮題が付けられている。
銘酒屋の遊女お力が、落ちぶれて妻子とも別れた源七と情死するまでを描く。作者の住む丸山福山町を舞台に、ここに生きる住民を描写している。
◆にごりえ (映画) - Wikipedia http://p.tl/ktl5
1953年の日本映画。
http://www.youtube.com/watch?v=mHmVSlsokws
樋口一葉の短編小説『十三夜』『大つごもり』『にごりえ』を原作とするオムニバス映画である。
・にごりえ
銘酒屋「菊乃井」の人気酌婦・お力に付きまとう男・源七。源七はお力に入れ上げたあげく、仕事が疎かになって落ちぶれ、妻と子と長屋住まいをかこっている。お力と別れてもなお忘れられず、いまだに仕事には身が入らない。妻には毎日愚痴をこぼされ、責められる日々。一度は惚れた男の惨状を知るがゆえに、お力も鬱鬱とした日を送っている。ある日、源七の子が菓子を持って家に帰る。お力にもらった菓子と知り、妻は怒り、子を連れ、家を出る。妻が戻ってみると、源七の姿がない。菊乃井でもお力が行方不明で騒ぎになっていた。捜索中の警官が心中らしい男女の遺体を見つける。女には抵抗のあとが認められた。
◆恭子
ありがとうございます。十三夜のおせきは高級官僚の奥様になっても見せ掛けばかりで精神的に堪えられず、婚家を飛び出したいと思っている。
幼馴染で慕情を抱いていた六之助と偶然会い、精神的に虐げられている環境は同じ。別れてもふたりは将来精神的に強くなるでしょう。
おおつごもりのおみねは善良で働き者の娘。神様が味方してくれた。
にごりえのおりきは一途に思いつめているゲンさんを袖にして落ちぶれさせ、金持ちの旦那に乗り換えようとしている計算高い女性。あまりにも幼いときに貧乏しすぎて心を失った。
現代に通じる女性の変遷を見る気がしました。
◆にごりえ http://p.tl/f8Nx
「にごりえ」は八つの章からなる小説です。遊郭の看板娘であるお力が結城に引かれていく姿を描きながら、源七の物語が併走するという構造になっています。
◆樋口一葉 にごりえ - 青空文庫 http://p.tl/yL9h
おい木村さん信(しん)さん寄つてお出よ、お寄りといつたら寄つても宜いではないか、又素通りで二葉(ふたば)やへ行く氣だらう、押かけて行つて引ずつて來るからさう思ひな、ほんとにお湯(ぶう)なら歸りに屹度(きつと)よつてお呉れよ、嘘つ吐きだから何を言ふか知れやしないと店先に立つて馴染らしき突かけ下駄の男をとらへて小言をいふやうな物の言ひぶり、 ...
◆にごりえ 世界大百科事典
樋口一葉の短編小説。1895年(明治28)9月《文芸俱楽部》に発表。小石川柳町界隈の〈新開〉と呼ばれる銘酒屋街にある菊の井という店に抱えられているお力を主人公に,その鬱屈した生のかたちと悲惨な死を描いた作品。お力をめぐる2人の男性,富裕な嫖客結城朝之助と,長屋住いの土方の手伝いに落ちぶれ,お力に無理心中を迫る源七とを鋭く対立させながら,明治社会の底辺に生きるお力の暗い宿命がえぐりだされる。死の世界を象徴するお盆や閻魔(えんま)の斎日などの習俗に加えて,半井桃水(なからいとうすい)との恋に傷ついた一葉自身の切迫した心情がお力に投影されており,さまざまな謎をはらんだ奥行きの深さが,独得な魅力をつくりだしている。
◆にごりえ デジタル大辞泉プラス
1953年公開の日本映画。監督:今井正、原作:樋口一葉、脚色:水木洋子、井手俊郎。出演:淡島千景、久我美子、丹阿弥谷津子、芥川比呂志、杉村春子ほか。第27回キネマ旬報ベスト・テンの日本映画ベスト・ワン作品。第4回ブルーリボン賞作品賞受賞。第8回毎日映画コンクール日本映画大賞、監督賞、女優助演賞(杉村春子)受賞。
最終更新日:2013/01/18