●錠前
◆じょう‐まえ 〔ヂヤウまへ〕 【錠前】
戸やふたなど、開けたてする所につけて、他人が勝手に開けられないようにする金具。錠。「―をおろす」「―屋」
◆錠前(じょうまえ)または錠(じょう)http://p.tl/PuCI
扉などにとりつけて締める機械的または電子的道具。物体(鍵、カードキー、指紋、RFIDカード、セキュリティトークンなど)または秘密情報(キーコード、パスワードなど)またはそれらの組み合わせによって開く。
典型的なピンタンブラー錠やウェハータンブラー錠では、安静位で錠前が締まる。鍵(の錠前に差し込む部分)にはどちらかの側(あるいは両側)に一連の溝があり、差し込める錠前が限られている。鍵を錠前に差し込むと鍵穴の突起と鍵の溝が揃い、シリンダーに鍵を完全に挿入することができる(合わなければ入らない)。次に鍵の一連の歯や切欠き(bitting)が錠前内部のピンやウェハーを上下に動かし、内側のシリンダーと外側のシリンダーの境界(shear line)に対してそれらが揃うことでシリンダーまたはカムを回せるようになり、開錠される。
日本では江戸時代に仕事が激減した刀鍛冶によって錠前の高付加価値化が行われ、和錠と呼ばれる豪華な装飾と(当時の日本では)高機能な防犯性を備えた独特な錠前が作り出された。これは開錠の仕組みその物は当時の一般的な板バネ式だが、複数の鍵を使わないと開かない物(1つの、もしくは複数ある鍵穴に形状の違う複数の鍵を手順通りに差し込む)や、鍵穴を複雑なからくりで隠した物、そのからくりを解くと音が出る仕掛けになっている物など、趣向を凝らした作りになっている。
その後、今も見かけるウォード錠が開発された。ウォード錠の鍵のデザインが現代の鍵の元になっている。高いセキュリティが要求される場合は、錠前がある場所を隠したり、偽の錠前を設置して盗賊に時間を浪費させるなどの対策を施した。
◆錠前師と鍵師 http://p.tl/2DfM
錠前(錠)とこれを開く鍵を製作する者を錠前師(じょうまえし)、また各種錠前の機構を理解した上で、これに対応する鍵を用いずに器具等で開錠するための専門技能を持つ職能者を鍵師(かぎし、lock-smith)と称する。
また、これらをひっくるめた専門職(主にはメーカーの出張所や市井の店舗)を指す言葉として鍵屋(かぎや)という呼称が使われる事もあるが、これは現在では地名や花火屋の屋号に由来する花火の時のかけごえ[5]に流用される事が多くなったため、現在では職業を指して使われることは稀である。
錠前師および鍵師は、ほとんどの国では専門の養成過程を持つ学校(専門学校・工業系大学など)ないしは、錠前メーカーにおける職業研修を受けた上でなるものとされている。
日本の場合においては各錠前メーカーの他、日本鍵師協会において専門技能者の養成が成されており、技能保持者向けに検定試験(資格試験)が実施されている。また日本では「錠前師」「鍵師」の両語は日本鍵師協会の登録商標とされている。
◆ピッキング行為(ピッキングこうい、英語picking)http://p.tl/jnzc
錠前を、鍵を使わずに、また破壊せずに、ピックなどの器具を用いて開錠する行為である。
なお、鍵を使わない開錠行為には、ピッキングの他に、錠を破壊して開ける破錠などがある。
◆バンプキー(bumpkey,bump key) http://p.tl/nrrO
鍵を使わずにシリンダー錠、とりわけピンシリンダー錠を開けるために用いられる特殊加工したキーである。
このバンプキーを用いて開錠する方法をバンピング(bumping)と言う。ピッキング、カム送り解錠、サムターン回し、カギ穴破壊といった鍵を使わずに錠前を開けるために、仕事(錠前師)あるいは不正(犯罪)に用いられて来た代表的な開錠手法に続く新たな手法を指す。この手法を用いれば、古典的なピンシリンダーは原理的に全て開錠可能となる。その開錠操作には、熟練した技術や特殊工具を必要とせず、以前に社会問題となったピッキングよりも簡単でしかも短時間で開錠可能なため、犯罪に用いられて再び大きな社会問題となるとされていたが、21年3月現在警察庁においてバンピング犯罪の摘発事例はなく国内錠前メーカーの作る日本ロック工業会でも19年4月時点で日本国内において犯罪として発生する可能性は、非常に低く過敏な心配は必要ないと発表している。
警察庁、日本ロック工業界、日本ロックセキュリティ協同組合、等鍵に関してオフィシャルと言われる団体は全てバンピングの発生に対して否定的なコメントを出しているが、テレビなどに出演する一部の防犯事業者が特定メーカーのシリンダーだけが対策済みであると発言する異様な状況になっている。
客観的に見れば70年以上前から有る手口に対して世界でたった一つのメーカーを除いて対応していないというのはあり得ない。
事実国内最大手錠前メーカーの最多出荷グレードであるローターリーディスクシリンダーやプログレッシブシリンダーはバンピングでは対応できない事に触れている番組はない。
◆鍵(かぎ)http://p.tl/hQwQ
錠前を操作するための器具である。
鍵と錠前は扉や物品などに取り付けて、鍵を開けられる人間以外の使用を制限するための道具。人身や財産の保護、保安などの目的で用いる。典型的な鍵は、錠前の鍵穴に差し込まれる個々に形状の異なるブレード部分と、鍵穴には入らず手でつまんでブレードを回転させるのに使う頭部から成る。
ブレード部は一般に一つまたは少数の特定の錠前にしか合わない。
日常会話では、鍵と錠前をまとめて「かぎ」と呼ぶ場合が多い(例 : 「かぎを掛ける」)が、本ページでは主に鍵について記述する。
鍵は、建物や自動車といった財産について、完全ではないが(ピッキング行為参照)安価なアクセス制御手段を提供する。そのため、鍵は現代の先進地域ではありふれたものであり、世界的にもよく使われている。
◆鍵 (暗号) http://p.tl/Cg_i
暗号技術において、鍵(かぎ、key)とは、暗号アルゴリズムの手順を制御するためのデータである。
鍵は、同じ暗号方式を使用しながら利用者毎に暗号化の手順を異なるものにするために考え出されたものであるが、暗号だけではなく、デジタル署名やメッセージ認証コード(Keyed-hashなど)でも使用される。擬似乱数で用いられるシード(種)も鍵の一種である。
アルゴリズムが公開されている現代暗号においては、鍵が第三者に渡ることは、暗号文の秘匿性などが失われることを意味するので、鍵は非常に重要な役割を果たしている。
◆暗号理論(あんごうりろん)http://p.tl/IIFK
暗号における暗号化 (encryption) および復号 (decryption) と暗号解読 (cryptanalysis) を扱う理論のこと。
暗号は、cryptography、cipher、codeと対応する言葉であり、秘密の表記そのもの、またはその表記法を指すことがある。
暗号理論では主に次の二つを扱う。
1.暗号系 (cryptosystem) の構成方法や性能・安全性などに関する研究
2.暗号や電子署名といった守秘 (confidentiality) や完全性 (integrity) を実現する、暗号アルゴリズムや暗号プロトコルの研究
暗号理論では、主として、アルゴリズムやプロトコルによってセキュリティ機能を実現する研究(情報セキュリティ)がなされており、OSやネットワークの特徴を生かしてセキュリティ機能を実現する研究(コンピュータセキュリティやネットワークセキュリティ)と区別される。
暗号理論には、情報理論、符号理論、計算複雑性理論といった計算機科学、数論や代数幾何、離散数学といった数学、時には力学系などの物理学の知見が用いられることもある。