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有馬在住

有馬温泉の旅館で働くスタッフのブログ。
有馬温泉・神戸・六甲山の自然や文化を紹介します。

善福寺の紅葉 11月19日

2007-11-19 16:40:40 | 寺社仏閣

善福寺の紅葉

有馬温泉の紅葉のご紹介です。

太閤通りに面する善福寺は、黄色や赤、オレンジにきれいに紅葉しています。

善福寺は、桜の名所として有名ですが、紅葉もとてもきれいです。

 

善福寺の紅葉

善福寺は、行基が開基した曹洞宗の寺で、その後、仁西上人が再興しました。古来、有馬温泉の一之湯の灯明は、この寺から掲げたと伝えられています。ここに祀られている聖徳太子の童子像は、鎌倉時代の優れた作品で国の重要文化財に指定されています。また、阿弥陀如来像は、天竺 (インド)渡りの金仏です。寺に伝わる大ぶりの茶釜は、阿弥陀堂住職の頭の形を面白がった秀吉が千利休に命じ、その形に似せて天下一与次郎という釜作りの名人に作らせたところから、『阿弥陀堂釜』と名付けられています。秀吉は千利休とともに当寺や末寺の阿弥陀堂で度々茶会を開いており、毎年11月2日には太閤を偲んで有馬大茶会の献茶式が行われます。

善福寺の紅葉

善福寺は、桜の名所として有名です。山門をくぐると、樹齢200年を越える桜の大木があります。美しい枝振りで人の目を楽しませてくれる一重の枝垂れ桜で『糸桜』と呼ばれています。この桜の木は、神戸市民の木、および神戸の名木にも指定されています。春にはライトアップされ、太閤通りや阪急バス有馬案内所から美しい桜を眺めることができます。


湯泉神社の秋祭り

2007-10-01 17:05:25 | 寺社仏閣

あいにくの雨

あいにくの雨・・・

楽しみにしていた湯泉神社の秋祭り『神幸祭』の神輿担ぎはあるんでしょうか?

カッパを着込んで湯泉神社に出発です。

「しゅっぱ~つっ!」

神輿

「よいしょ、よいしょっ!」

長い参道の階段を上がって、湯泉神社に到着です。

カッパの上からハッピを着て、神輿の前で撮影です。

湯泉神社

どうやら、今日の秋祭りは小雨決行のようです。

湯泉神社には、有馬温泉を最初に発見したと言われる、大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)、それに熊野久須美命(くまのくすみのみこと)の三神が祀られています。大己貴命と少彦名命が薬草探しをしていたところ、三羽の鳥が傷ついた体を赤い湧き水で癒しているのを見て、温泉を発見したと伝えられており、拝殿の軒下には三羽の鳥の像があります。湯泉神社は、明治時代になって、温泉寺の境内から現在地の高台に移設され、有馬温泉の守り神として人々の崇拝を受けてきました。
平安時代初期に選上された『延喜式』のなかに、492ある大社の一つとして『湯泉神社(ゆのじんじゃ)』と記載されており、その歴史の古さを誇っています。

神輿巡行

湯泉神社から有馬温泉街を神輿が巡行します。

秋祭りは、有馬保育園や有馬小学校の児童、有馬町の皆さんが参加して、盛大に開催されます。朝10時に湯泉神社を出発した神輿は有馬町内を練り歩き、午後1時に神社に宮入りします。

水天宮

途中、神輿は水天宮に立ち寄りました。

水天宮には、穴虫の清水(己貴清水)と呼ばれる清烈な清水が湧き出ていて、湯泉神社の御旅所とされています。神代に、大己貴命と少彦名命がこの地に降臨されたところから、『神地己貴(しんち・あなむち)』と伝えられています。傍らに鎮座石として幅2m、高さ1mほどの石が二つあり、その一つには『青蛾石』という三字が刻まれていますが、江戸末期の修験者の書であるとされています。一般には水神さん、または、お旅所として親しまれており、秋祭りのお神輿は、"あなむちの神地"を経て湯泉神社に向かいます。

ヨイトッ!ヨイトッ!

「ヨイトッ!ヨイトッ!」

有馬温泉では、「ワッショイ!」の掛け声の代わりに、良い湯にちなんで、「ヨイトッ!」という掛け声がかけられます。

「パパァ、僕も持ちたい~」

今年は、まだ小さくて神輿を担げなかったけど、来年こそは、一緒に担ぎましょう!

「ヨイトッ!ヨイトッ(*^。^*)」

大きな掛け声は、今年も出ています。

休憩所

途中、自治会の人たちが各休憩所で、飲み物やおにぎりを配ってくれます。

ありがとうございました!

獅子舞

そのころ・・・

龍泉閣にも秋祭りの獅子頭がやってきました。

「ぎゃ~ こわい~ おにぃ~ (>_<)」

獅子は行列を守護する役目を果たすとして、祭りの神幸祭には獅子舞がつきものです。獅子舞に頭を咬んでもらうと、その年は無病息災で過ごせると言われています。また、子供が獅子舞に頭を咬んでもらうと賢くなるとも言われています。

獅子舞に泣く双子

「ぎゃぁ~」

獅子舞が帰った後、

「おにさん、もうかえったなぁ。ちょっと、こわかったなぁ。」

子供は、強い!

有馬温泉の秋は、まだまだ、始まったばかりです。

湯泉神社の秋祭り 動画


有馬天神社夏祭り

2007-07-24 21:32:40 | 寺社仏閣

有馬天神社へ向かう

有馬天神社で『夏祭り』が行われているというので、子どもたちを連れて行ってきました。

湯本坂から天神泉源のある天神社へむかいます。

頭の中で音楽が鳴ります♪

「き~み~が~いたな~つ~は とおい~ゆ~め~のなかぁ~♪」

いい感じで、提灯が釣ってあります。

もうすぐ到着です。

 

有馬天神社

天神社に着きました。

神社の周りは、地元の子どもたちで賑わっていました。

日本の原風景です。

天神泉源は、有馬温泉の中心『へそ』にあります。

~天神社 (天神泉源)~
金の湯の北東に隣り合って天神社 (天神泉源)があります。979年に京都の北野天神を分けて祀られたと伝えられ、以来、温泉の泉源を守る神様として崇められてきました。しかし、江戸時代に二度の大火に遭い、社殿や宝物がすべて焼けてしまいました。石の鳥居や表額は1748年に作られたものですが、これを寄進したのは、芭蕉や其角の弟子として有名で、淡々風の俳句を流行させた半時庵淡々という俳人です。

そうめん

そうめんや唐揚げ、串カツなどの夜店も、町内の人たちのご協力で出店されていました。

「美味しぃ~(*^_^*)」

かいじゅうがおふろにいるよ

また、有馬小学校、有馬保育園の児童の作品の展示も行われていました。

皆さんとても上手です。

花火大会

子どもたちみんなで、花火大会です。

「きれぃ~(*^_^*)」

天神泉源

日も暮れてきたので、帰ります。(子どもたちは名残惜しそうです。)

有馬温泉には、最近始まった『有馬涼風川座敷』などの大きな祭りもありますが、小さいけれども、古くからの地域に根付いたお祭りもたくさんあります。

さすが日本最古の温泉です。

ところで、最近よく

女帝に出てた~?」って聞かれます。

すみません・・・残念ながら出ていません。

あれは遊泉閣(ゆうせんかく)っていうドラマ内の旅館です。

ちなみに、うちは、龍泉閣(りゅうせんかく)です。


念仏寺の沙羅の花が咲きました。

2007-06-12 20:00:16 | 寺社仏閣

夕方に寺町界隈にある『念仏寺』に行ってきました。

今日の気候は、少し早い夏を感じさせます。

 

「今年もそろそろ咲いているかなぁ・・・。」

 

念仏寺の沙羅の花

 

「こんにちは~!」

念仏寺

念仏寺の住職(以後、げんちゃんと呼びます。ごめんなさい。)が出迎えてくれました。

「今年は咲きましたかぁ?」

「うん、ちょうどよかったわぁ。昨日一輪咲いて、今日は五輪咲いたよ。」

「え~!見せてください!」

「どうぞどうぞ。」

(本当は拝観料500円、ほうじ茶、お菓子付ですが、今回は取材ということでそのまま見せていただきます。)

沙羅樹園

念仏寺の本堂の奥にある『沙羅樹園』に案内してもらいました。

「お!咲いてる!」

沙羅の花がきれいに咲いています。

 

静かな時間が流れます・・・。

 

やっぱり、有馬温泉は初夏がいいです。

雀石

沙羅の木の両脇には、『雀石(すずめいし)』と

蛤石

『蛤石(はまぐりいし)』があります。

「何でこんなとこにこんな石があるんかなぁ?」

「それはなぁ…」

ここからは、源ちゃんのお話です。

「念仏寺と向かいの極楽寺には、もともと、豊臣時代に、太閤さんの湯殿と、ねねさんの別邸があったのを、徳川時代に浄土宗のお寺(念仏寺・極楽寺)を建てて、秀吉の気を消したと思うねん。

ところが、その寺を建立した時に豊臣方の庭師かなんかが、秘密の思いを込めてこの石を置いて、沙羅双樹を植えたと思うねん。

この石は、向かって右を『蛤石』、左を『雀石』と呼んで、中国のことわざ、『雀は海に入り蛤となる』を表現したものと言われてんねん。このことわざは、物事が大きく変化することの例えで、今の徳川政権もいつ大きく変わるかわからないよ・・・という意味を込めてると思うねんな。

だから、その石の間に、沙羅双樹を植えたと思うねん。平家物語の冒頭に出てくる『沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす』は、朝咲いて夕方には散ってしまうことから、世の無常を象徴していると言われとるやろ。だから、この沙羅の木も、『時代はいつか変わる』という意味を込めてると思うねん。

あと、この沙羅の木の後ろには、阪神大震災ごろまで、紅葉の大木もあってんでぇ。」

「そうなんですか!」

「ちょっと前の絵葉書に一枚だけ写ってんねん。」

確かに、木がもう一本写っています。

沙羅樹園の絵葉書

「この紅葉は、芽が出だした時は、赤くて、秋が深まるとともにだんだん緑になっていく種類やねん。珍しいやろぉ。これも、沙羅の花と同じで、諸行無常、世の中のものはいつかは儚く終わっていくと言う意味を込めていると思うねんな。」

「ほうほう・・・」

「さらに、寺の表の額を見てみぃ…」

念仏寺の額

「『石蜃館』って、書いてあるやろ。

この『蜃』っていう字は、蜃気楼のなかの一文字で、蜃気楼は、もともと、大蛤から気がでてると思われていてん。念仏寺の中でも、この蛤石の位置付けが結構重要やねんなぁ。」

有馬温泉の先達の太閤秀吉への思いが、この沙羅樹園に込められているのかもしれませんね。貴重なお話をありがとうございました。

この念仏寺では、6月17日(日)、18日(月)の2日間、沙羅の花と一弦琴の鑑賞会が開催されます。