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有馬在住

有馬温泉の旅館で働くスタッフのブログ。
有馬温泉・神戸・六甲山の自然や文化を紹介します。

善福寺の糸桜 4月6日

2008-04-06 19:23:03 | 寺社仏閣

善福寺の糸桜

4月6日の有馬温泉・善福寺の糸桜の様子です。

三分咲きぐらいです。

 

善福寺の糸桜

善福寺は、行基が開基した曹洞宗の寺で、その後、仁西上人が再興しました。古来、有馬温泉の一之湯の灯明は、この寺から掲げたと伝えられています。ここに祀られている聖徳太子の童子像は、鎌倉時代の優れた作品で国の重要文化財に指定されています。また、阿弥陀如来像は、天竺 (インド)渡りの金仏です。寺に伝わる大ぶりの茶釜は、阿弥陀堂住職の頭の形を面白がった秀吉が千利休に命じ、その形に似せて天下一与次郎という釜作りの名人に作らせたところから、「阿弥陀堂釜」と名付けられています。秀吉は千利休とともに当寺や末寺の阿弥陀堂で度々茶会を開いており、毎年11月2日には太閤を偲んで有馬大茶会の献茶式が行われます。

善福寺の糸桜

山門をくぐると、樹齢260年を越える桜の大木があります。美しい枝振りで人の目を楽しませてくれる一重の枝垂れ桜で「糸桜」と呼ばれています。有馬名所の一つと言われ、神戸市民の木、および神戸の名木にも指定されています。4月中旬まで、夜間はライトアップされ、太閤通りや阪急バス有馬案内所から美しい桜を眺めることができます。


有馬温泉・林渓寺「にむしんの梅」

2008-03-19 08:56:06 | 寺社仏閣

林渓寺「にむしんの梅」

林溪寺の「未開紅」が咲きました。

未開紅は、八重咲きの紅梅で、樹齢200年以上の古木です。

この名称の起こりは、1781年、本山19世乗如上人(本願寺の門主)が有馬入湯の折に、梅の蕾の紅色が殊に深く、美しいのを見て名付けたものと言われています。

また、この梅の実を食べると子宝に恵まれるという言い伝えがあり、別名「はらみの梅」、「にむしんの梅」とも呼ばれています。

林溪寺には、未開紅の他にも、白梅やしだれ梅もあり、見頃を迎えています。金の湯前から湯本坂を少し上ると、林溪寺に到着します。昨日はお天気もよく、澄んだ青空に白や紅の梅の色が映えてとてもきれいです。梅の香りも楽しむことができます。

林渓寺の梅

林渓寺の梅

林渓寺の梅

林渓寺の梅


有馬山温泉寺伝来 銅製経箱を訪ねて

2008-02-15 20:18:39 | 寺社仏閣

温泉寺銅製経箱

太閤の湯殿館で開催されている『有馬山温泉寺伝来 銅製経箱 里帰り記念展示会』に見学に行ってきました。

「お!これが観光協会がオークションで手に入れた銅製経箱かぁ!」

・・・

今回は、学術的な話が多いので、有馬温泉観光協会のページから、説明文を抜粋させていただきました。

■温泉寺の「焼け経」とその経箱の由来について(焼けた経典は行方不明)

享禄元年(1528)の大火で、温泉寺薬師如来像の頭部が焼け落ち、その中からメモが見つかった。そのメモをもとに温泉寺の如宝塔(にょほうとう)の下を掘ると、金・銀・銅の三重箱に納められ、経箱の蓋(ふた)には「金紙金字一乗妙典、大慈大悲(だいじだいひ)両界曼荼」と記された経箱と経典等が見つかった(『実隆公記』享禄2年3月8日条)。昔から有馬には、平安時代末期の僧 尊恵(そんえ)が閻魔王宮(えんまおうきゅう)に行き、閻魔王から法華経・両界曼荼羅(りょうかいまんだら)を贈られた、という縁起が伝えられていた(清澄寺蔵『冥途蘇生記』、『温泉行記』宝徳4年4月11日・22日条等)が、その経典が発見されたとして大変な話題となり、後奈良天皇が叡覧され、またこれを機縁に温泉寺再建の勧進が行われ、京都の公家など多くの人々が復興に参画することになった(『実隆公記』享禄2年3月8日条、「温泉寺勧進帳」他)。

実は、鎌倉時代(13世紀)以降、閻魔王の勧進に結縁するため、閻魔王宮の東門にあたると信じられた有馬・温泉山の如法堂の下に如法経を埋納することが行われていた(『是害坊縁起(ぜがいぼうえんぎ)』」、「有馬温泉山経塚 金銅板製経箱銘文」)。温泉寺伝来の銅製経箱もその一つで、尊恵と閻魔王の伝承にそって埋められたものと考えられる。経箱の蓋にある「金紙金字…」は、尊恵が国中を勧進し、金・銀・銅の三重箱に納めて有馬に埋めるよう閻魔王から勧められた伝承、また「大慈大悲…」は、尊恵が閻魔王から贈られた両界曼荼羅の伝承にもとづいている(如法経:法式により清浄に写経すること、またその経典や安置・埋納する供養のこと)。

発見以降、尊恵将来の閻魔王宮経として有馬の名物の一つになり、元禄5年(1692)までその存在を記録で確認できる(温泉寺蔵「月潭道澄偈頌」)が、その後の火災で経典は蒸し焼きになったようである。文政3年(1820)時点では、「焼け経」と呼ばれ、金襴(きんらん)の袋に焼けた経典を納めた経箱が伝来していた(『遊経漫録』)。

■銅製経箱の美術工芸的価値について

内箱(27.2×17.7×12.7cm)と外箱(28.1×18.8×14.0cm)の2点からなり、蓋(ふた)には両箱とも蓮台(れんだい)上の短冊形(たんざくがた)に「金紙金字如法妙典、大智大悲両部曼荼」と彫りつける。また内箱は短冊形の周囲を魚子地(ななこぢ)に蓮華唐草(れんげからくさ)で飾り、蓋表、側面を蓮華唐草で装飾する。一方、外箱の蓋表、側面は散華(さんげ)で装飾し、内箱と意匠が一部異なる。また内箱は鍛造(たんぞう)、外箱は鋳造(ちゅうぞう)によって造られたパーツにより、それぞれ組み立てられており、製作技法も異なっている。製作年代ついては、両箱が同一時期なのかどうかなど、今後の調査に待つところが多いが、内箱は南北朝から室町時代前期と思われる。

中世の銅製経箱の残存例は、吉野金峯山(きんぷせん)経塚出土品(平安時代 国宝・重文)、比叡山横川(よかわ)如法堂出土品(平安時代 国宝)、厳島神社平家納経(平安時代 国宝)、有馬温泉山経塚 金銅板製経箱(1271年 銘文「依閻魔法皇勧進 奉納温山如法経」「文永八辛未八月三十日 勧進比丘俊英」「如法経箱 温泉山」)、京都 要法寺所蔵経箱(1555年 重文)など僅かであり、その点からも、今回の銅製経箱は貴重なものといえる。

■ 専門家のコメント
安藤佳香(よしか)先生(神戸市文化財保護審議会審議委員 佛教大学教授)

内箱の蓋(ふた)表と側面に蓮華唐草(れんげからくさ)、外箱の蓋表と側面に散華(さんげ)を描き、内外両箱とも蓮華づくしの文様でうめ尽くされている。インド以来、聖なるものを生み出す「生命創造の華」として信仰されてきた蓮華に彩られたデザインは、内に納められた経典の尊さを眼にみえるかたちで示している。鏨(たがね)で丁寧に彫られた内箱の蓮華唐草文は、南北朝時代、室町時代の金工品にみられる文様と類似する粘りのある素晴らしい趣をみせる。内箱、外箱の製造技術の相異など、なお、慎重に検討すべき問題はあるが、遺品の少ない中世に製作された銅製経箱として貴重である。有馬に伝来したという由緒の確かさ、尊恵説話との関連も興味深く、美術史学のみならず、歴史学、国文学など様々な方面から今後、研究されるべき作例である。

■学術的内容についての問い合わせ先
神戸市立博物館 担当 問屋さん・川野さん TEL 078-391-0035

太閤の湯殿館

さて、太閤の湯殿館では、今回の展示会のほか、太閤秀吉ゆかりの品々が展示されています。

温泉寺銅製経箱

今回の展示会の詳細です。

開催期間:2月14日(木)~24日(日) ※最終日は午後3時まで
午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)
場所:太閤の湯殿館
(〒651-1401 神戸市北区有馬町1642  TEL 078-904-4304)
入館料:一般200円、児童及び生徒100円(太閤の湯殿館入館料)
内容:銅製経箱2合とともに、関連資料を写真パネルなどで紹介。

温泉寺

また、太閤の湯殿館のすぐ隣に、温泉寺があります。

奈良時代に行基が開き、仁西が中興したと言われる温泉寺のお堂の両脇には、鎌倉時代末の作とされる五輪塔が2基ありますが、左側が平清盛(総高267cm)と右側が慈心坊尊恵(総高232cm)の五輪塔と伝えられています。

温泉寺

本堂内には、金色に輝く薬師如来像が、日光菩薩、月光菩薩と十二神将とともに祀られています。

日本最古の湯・有馬温泉には、たくさんの歴史資料がまだまだあります。これからも、機会があれば、紹介していきたいと思います。


有馬山温泉寺伝来 銅製経箱 里帰り記念展示会

2008-02-02 13:13:04 | 寺社仏閣

有馬山温泉寺伝来 銅製経箱

有馬温泉では、このほど、有馬の温泉寺に伝来した経典を納めていた銅製経箱(どうせいきょうばこ)2合(ごう)(金箱と銀箱)を、取り戻すことができました。長らく所在不明になっていましたが、(社)有馬温泉観光協会が京都のオークションに出品されたものを落札し、地元に残すことになりました。

銅製経箱は、閻魔王(えんまおう)から贈られたという伝承のある経典を納めていたものです。1528年の大火の時に発見され、大変珍しいものだと話題を呼び、その後の復興の契機になりました。有馬温泉の歴史にとって重要なものであるとともに、中世の数少ない銅製経箱の一つとして貴重な美術工芸資料でもあります。

有馬山温泉寺伝来 銅製経箱

お披露目の展示会を行います。この機会に、有馬温泉の歴史と文化に改めてお触れください。

有馬山温泉寺伝来 銅製経箱 里帰り記念展示会

開催日:2008年2月14日(木)~24日(日)

時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)※最終日は15:00まで

場所:太閤の湯殿館
神戸市北区有馬町1642
TEL 078-904-4304

入館料:一般200円、児童及び生徒100円

内容:銅製経箱2合とともに、関連資料を写真パネルなどで紹介。

開催期間になりましたら、太閤の湯殿館を訪ねて、詳しくご紹介したいと思います。


鷲林寺

2008-01-27 01:10:00 | 寺社仏閣

鷲林寺

有馬温泉から「西宮北有料道路(250円)」経由で西宮市街地に向かうと、盤滝トンネルがありますが、このトンネルを通り抜けて三つ目の信号を右に入った所に鷲林寺があります。

 

鷲林寺

ここは、833年、弘法大師(空海)によって創建された高野山真言宗のお寺ですが、古来、“のどの病封じの観音さん”として庶民に親しまれています。

鷲林寺

観音堂の下にある墓地には、武田信玄の墓と伝えられている、西宮市内で最古の石造物である七重塔があります。

鷲林寺

ここの境内には数百本の紅葉樹木があり、毎年秋になると大勢の観光客が訪れます。山モミジ・カエデ・ブナ・ヌルデ・イチョウなどが綺麗に紅葉します毎年、「モミジ祭り」が行なわれ、11月中旬より午後6~10時まで境内の紅葉シーンがライトアップされます。闇にライトで浮かび上がるモミジは、それは見事です。