イーハトーブ国王の巡回

国王自ら王国内の野草や動物などの健全性を調べた記録である。度々記録に出てくるテニスは王国の国技であることを申し添える。

キカラスウリは芋をつくる キカラスウリ その2

2014-11-12 22:00:14 | 趣味・特技
キカラスウリは雌雄異株で、雌株は先に紹介したように黄色い長さ10~15cm程の実を結ぶ。しかし、それだけではなく地下には芋状の塊根をつくるという。そのために成長途中で地上部が刈り取られても再び地下から芽を伸ばして来ることが可能なのだ。しかし、どんな芋をつくるのだろうか。スコップを持ち歩いてあちこち人の土地を掘り起こすわけにも行かないので、自分で栽培してみることにした。

<栽培日誌>

キカラスウリ実。



実を半分に切ってみた。



キカラスウリの種。種子は黄色いゼリー状のものに覆われている。それを剥がすと中から黒い種子が出てくる。



6月13日 小さなビニールポット3個に3粒ずつ種を蒔いた。

7月22日 やっと発芽した。しかし、発芽したのは4株だけで、他はまだ発がしない。最初の発芽までなんと40日もかかった。



7月28日 苗を畑に植え付けた。



8月12日 大分つるが伸びてきた。



同上



9月7日 つるは伸びても放っておくと自分では支柱に巻き付いていかない。むしろ地面を這ってどんどん広がっていく。ツルを引っ張って見たら、ところどころツルの途中から白い根を伸ばしていた。こうやってあちこちに根を張って広がっていくのだろう。葉の数cm上の茎から横に伸びた白いのが地中に入り込んでいた根。



同上。脇に見える大きな葉と黄色い花は、隣に植えたキュウリ。



10月25日 ほぼ生育は止まった。しかし、同じウリ科のキュウリやゴーヤなどが成長期には凄まじい勢いで伸びるのと較べると葉も3~5cmと小さく、ツルもせいぜい50cm程度しか伸びず、非常に物足りない感じだった。



11月12日 ツルが枯れた。いよいよ掘り起こしてみることにした。



掘ってみると地表から10cmも下の方に芋を作っていた。予想していたよりもかなり深かったので、スコップで簡単に掘り起こせるだろうと思ってやってみたら、最初の株は途中で芋がちょん切れてしまった。残念!畑の土は20cmほどはあるが、それ以下になると粘土と大きな砂利石が混じった固い土になるのでその下まで上手く掘り起こすのは困難だった。そんなわけでせっかくの大きな芋は発見できずに終わった。

比較的小さな芋を掘り起こしたところ。



掘り起こした芋。大きなものから小さなものまで様々だった。これらの芋は場所を変えて畑に再び植え付けた。来年の夏はキカラスウリの花が楽しめればいいな。

恥ずかしそうに白い小さな花を下向きに咲かせる ウメガサソウ

2014-11-06 20:58:09 | 趣味・特技
ツツジ科(Ericaceae); ウメガサソウ属(Chimaphila); ウメガサソウ(C.japonica)
学名: Chimaphila japonica
和名: ウメガサソウ(梅笠草)

 大天場山の杉林の中でウメガサソウを見つけた。他の草も生えているが、神社に通ずる道端なので草丈は低く管理されている場所だ。
 草丈は10~15cmほどしか無く、小さな直径1cmほどの花を下向きに咲かせる。合弁花で深く5つに裂けている。受粉すると徐々に上を向いてくるのだという。細長い萼が5枚ある。葉は2~3cmの披針形で尖った鋸歯がある。緑色が濃く常緑で硬そうな感じの葉だ。
 名の由来は下向きに咲く花の姿を笠にたとえたものだという。
 以前はイチヤクソウ科に分類されていたように、既に紹介したカラフトイチヤクソウとも近縁であり花や葉の雰囲気は良く似ている。

 大天場山の中にある八雲神社のすぐ近くの杉林の中でウメガサソウを見つけた。梅に似た白い花が恥ずかしそうに下向きに咲いている。(釜石市八雲町大天場山、2014年6月20日)



横から撮影。(同上)



花を拡大。雄しべは10本あり、雄しべの根元あたりの花弁はピンク色に染まっている。(同上)
 

立派な葉(歯)があるのに花を咲かせる オオウバユリ

2014-11-05 22:16:37 | 趣味・特技
ユリ科(Liliaceae); ウバユリ属(Cardiocrinum); ウバユリ(C. cordatum); 変種、オオウバユリ
(var. glehnii)
学名: Cardiocrinum cordatum var. glehnii
和名: オオウバユリ(大姥百合)
英名: Heartleaf lily

 最初はウバユリだと思っていた。しかし、図鑑を見てみると、ウバユリは関東地方以西に多く、オオウバユリは花の数が多く、全体にウバユリよりも大型で中部地方以北に生育するとある。しかし、色々調べてみても大きさ以外に決定的な区別点が記載されていない。スッキリしない点もあるが、今回は見つけた場所や大きさなどからオオウバユリと判定した。
 ウバユリという名は花が咲く頃には葉が無いことを歯が無いとしゃれたことから来ていると記載している物が多いが、実際には花が咲いたオオウバユリにはしっかりと葉が着いている。名前の由来についてはどうも疑わしいような気がする。
 木の茂った薄暗い場所に生育している。群生していることも多い。残念なことに、遊歩道の道端に生えているものは雑草と見なされてせっかく出てきた花茎も、ある程度伸びたところでちょん切られてしまうことが多い。いつも思うのだが、きれいなことだけが環境整備ではないのにな。子育てと同じで放っておくことも大切なのだ。どうして躍起になって草刈り機で皆切ってしまうんだろう。環境保全とは自然に生えてくる植物を守ることでもあるはずなのにな。そんなこともあり、遊歩道が整備された地域ではオオウバユリが花穂を伸ばし、花を咲かせ、実を結べるのは本当に運の良い個体だけである。実際は少し気を配ればたくさん生えているので、花期になれば群生する姿も見られると思うのだが、残念だ。
 「鱗茎はデンプンを含み、食用にできる。北海道では、アイヌによりトゥレプの名で食用にされ、アイヌ民族が用いる植物質の食品の中では穀物以上に重要な位置を占めていた。」とのことである(ウィキペディア参照)。いつか鱗茎を食べてみたい。
 オオウバユリは一回繁殖型多年草といい、一生の間に一回だけ花を咲かせて死んでしまう植物とのことである。

5月、オオウバユリの葉が広がりはじめた。ウバユリの属名Cardiocrinumはcardia:心臓とcrinum:ユリを一緒にした名前だ。その名の由来は葉がハート型をしているところから来ている。(盛岡市太田、2014年5月25日)
 

7月、こちらは礼文島で見つけたオオウバユリ。かなり巨大だ。(北海道礼文町礼文林道コース、2014年7月15日)


羽山の里にはたくさんオオウバユリが咲いていた。(岩手県北上市和賀町岩沢地区羽山、2014年7月27日)


同上


同上。花が終わった直後は子房が横向きのまま。(同上)


少し時間が経つと立ち上って子房が上を向く。(同上)


9月になると実が熟して、果が割れた。(盛岡市太田、2014年9月28日)

キウイフルーツの親戚、ジャングル好きの方にお勧め サルナシ

2014-11-03 20:15:06 | 趣味・特技
マタタビ科(Actinidiaceae); マタタビ属(Actinidia); サルナシ(A. arguta)
学名: Actinidia arguta
和名: サルナシ(猿梨)、シラクチカズラ、シラクチヅル、コクワ

 30年以上も昔の話になるが、サルナシの実をどこかからもらった。その頃は色々な木の種を集めては蒔いてみるのが趣味のようになっていたので、これからも種を取り出し蒔いてみた。たくさん芽が出てきたので植えてみたら、うまい具合に雄株と雌株が生えてきた。それ以来雄株と雌株を1本づつ庭に植えている。
 サルナシの木は非常に丈夫で、放っておくと元気にどんどん伸びる。春になるとキウイの花とそっくりの白い花がたくさん咲く。花も面白いが、人によって見苦しいと感じる向きもあるかも知れないが、くるくる巻いたつる性の枝もなかなか風流だと思う。
 もともとキウイフルーツはサルナシと同じマタタビ属に属するシナサルナシから品種改良されたものだ。従って、サルナシもキウイフルーツの親戚筋に当たり、果実に毛が無く、2~3cmとかなり小振りなだけで、実の形や果実を切ったときの断面や色などもキウイフルーツとそっくりだ。味も良く似ている。果実は果実酒やジャムなどの加工にも向いている。
 農薬も肥料も要らず、沢山実が成るが、放っておくとジャングルのような庭になってしまうが、まめに剪定する方や、ジャングル好きの方にはお勧めの木だ。


6月初めのサルナシ。雄株。たくさん花が咲いた。(花巻市桜台、2014年6月2日)


花を拡大。雄花。(同上)


雌株。(同上)


花を拡大。雌株。(同上)


7月になるとサルナシの実が成った。(同上、2014年7月13日)

地中に地上よりも大きな豆を実らせる ヤブマメ その2

2014-11-02 21:09:49 | 趣味・特技
 ヤブマメを栽培してみた。目的はヤブマメが地中に閉鎖花を作り、地中に豆を作るというのでそのことをぜひ確認したかったからだ。
 発芽は極めて不揃いだった。豆を小さなビニールポットに蒔いたがかなりの間隔を置いて気まぐれに発芽した。苗が生長したあとで畑に植えた。個体差はかなりあったが、大きくなった株ではツルが支柱に巻き付きながら伸びて1.5m程に成長した。実はかなりたくさんなった。さて、問題は地中に作る豆だ。10月末に掘り起こしてみたら出てきた出てきた。不定型なデコボコした豆が根の回りについている。薄皮を剥いてみると、地上のマメ鞘の中の豆とそっくりのウズラの卵のような斑紋ある豆が出てきた。但し、サイズは地上の豆よりもかなり大きく、地上の豆が3.5mm程度なのに地中の豆は6mm~1cm程ありかなり大きい。この豆をアイヌが食べたという。確かにこのサイズならばたくさん採れれば食用になると思う。しかし、今回は5株の苗を植えたが、収穫できた地下の豆は11gほどだった。植え付ける密度を高くしないと量は確保できないが、つる性なので栽培するとなるとちょっと面倒かも知れない。

5月22日 播種

6月18日 一株発芽。発芽は揃わずばらばらで、発芽率も良くない。(花巻市桜台、2014年6月18日)



6月30日 生長した苗を選んで5株植え付けた。

8月12日 手前で支柱に巻き付いている5株がヤブマメ。成長は不揃いだが、手前の2株は50cm程度まで成長している。(花巻市桜台、2014年8月12日)



8月26日 かなり大きく成長してきた。手前の2株は良く成長しているが、奥の方の3株はあまり成長が良くない。(花巻市桜台、2014年8月26日)



10月4日 豆がなり始めた。(花巻市桜台、2014年10月4日)



10月31日 根を掘り起こしてみると、あったあった!地中に豆が成っていた。(花巻市桜台、2014年10月31日)



収穫したヤブマメ。確かに粒は大きいが全部で11gしかなかった。(同上)



11月1日 地中の豆と地上の豆鞘を比較。(花巻市桜台、2014年11月1日)



地中の豆は皮を被っている。薄い皮を剥いてみると、中から地上の豆とそっくりのウズラの卵のような模様の豆が出てきた。(同上)



地上の豆と地中の豆を比較。色と模様はそっくりだが大きさがまるで違う。地上の豆が3.5mm程度なのに地中の豆は6mm~1cm程ありかなり大きい。これだけ大きければ確かに食べ応えはありそうだ。(同上)