今日は、図書館まで散歩しました。
往復4キロ程で、程好い距離です。
見知らぬ娘を追い越していくと、その娘が、「おはようございます!」と挨拶してくれました。清々しい
「昭和の犬」を返して、また新しい直木賞受賞作を借りてきました。
最近は、直木賞受賞作ばかりを読んでいるのです。
「昭和の犬」は、2013年下期の受賞作。
姫野カオルコ 著作 「昭和の犬」 幻冬舎
昭和33年生まれの女性、柏木イクの半生の話です。滋賀県の香良市?生まれ。
父親は、戦後シベリアに抑留されていた人だった。辛い思い出があり、悪夢を見てうなされる事もあったようで、ときおり割れる?人だった。母親は、そんな夫に絶望していた人だった。まだ戦争の悪い思いが残っていた時代の話!!
イクの幼女時代、少女時代、青春時代、大人になってからの両親の介護の時代と描かれていて、それぞれの時代に、イクと関りを持つ犬たちがいた。
幼女時代、昭和38年頃の滋賀の田舎では、犬は放し飼いだったのだろうか。
その頃飼っていたトン(東)という犬は、野良犬同然で、イクに噛みついている。
その次の犬、ペイ(北)は、イクの友となった犬だが、これもある日突然帰ってこなくなった。
母が、「今ごろペイは赤いウインナーにされとるわ」といったそうだ。
東野さんの小説「流」を読んだ後なのでか、余計に戦後を感じてしまう。
コリーを時代のステータスみたいに飼って、しつけが出来ずに手放す人の話。
高校の中を走り回る、ドーベルマンの話。
そして大学生となって東京に出て行く。
犬の散歩係を条件としたところへ下宿。散歩係は犬の教育係になったり(笑)
東京で就職するが、下宿生活を続ける。そして知り合う犬猫の話を織り交ぜて・・
49歳の時に母が亡くなる。
その頃、ペイに似た犬と知り合う。
病後だったイクが、その犬に癒されて回復していくって話は、なるほどと思う。
犬の事、昭和から平成を生きる女性の事。
これは、作者の自叙伝なのだろうか?
姫野カオルコさん滋賀県甲賀市、昭和33年生まれらしい。
自叙伝でなくとも、作者の何某らの生活がにじみでた作品なんだろう。
この小説のお気に入り度:★★★★☆
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