黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

長崎さるく #17 駅前の運河

2009-07-07 01:25:17 | 長崎さるく
ちょっと前にアップした、
シリーズ『長崎さるく』の続編です。
まずは長崎へ行ってそこを通るたびに、
いつも気になっていた運河の話から。

JRの長崎駅前から少し南へ歩くと、
時が止まった運河があります。



Mapionを見ると、
画像の位置は埋め立てられている様に表示されますが、
実際は埋め立てられてはなく、
画像の様に開渠の水路がちゃんとあり、
既に使われていない様子ですが、
桟橋も残っています。



両岸に煉瓦で基礎を作り、
そこにコンクリートで増築したような造りの桟橋で、
特に北岸は煉瓦の遺構しか残っていません。





やがて運河は駅前のメイン通り、大波止通りの下をくぐり、
道を越えたところで再び顔を出すものの、
その先ですぐに暗渠になってしまいます。
Mapion
この日は水位が高く、
運河の様子が少し分かりにくいですが、
けっこう深く、幅もそれなりにあります。




そして暗渠になったとたんに、
まるで暗渠の門の様に建物が建ち、
運河の幅一杯に一杯飲み屋的な店が軒を連ねます。
これだけでも不思議な光景ですが、
これからしばらく上流へ続く暗渠の上に、
かつて活気があった大市場がのっかています。

■ 追記 JUL.12, 2009 ■

コメントを頂いたちび太郎さんによると、
この煉瓦遺構は長崎市内の路面電車のかつての橋の跡だそうです。
昭和24年に路線替えで廃止され、そのまま残っているとのこと。
50年前からこの状態なんですかね。
▼ちび太郎さんの記事
大波止で見つけたもの(報告)

■シリーズ:長崎さるく■
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5 Comments

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長崎さるく (ちび太郎)
2009-07-10 18:31:02
いつも楽しみに拝見しています。
今回は長崎シリーズが続き、特に興味深い内容でした。

さて、「駅前の運河」のレンガ遺構については、大正4年から昭和24年までの間、㈱長崎電気軌道が通っていた旧大和橋の遺構の一部であることを確認しています。

私の拙いブログですが、5/17・5/19の記事をご覧頂ければ幸いです。
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▼ちび太郎さんへ (廃墟徒然草)
2009-07-12 07:43:24
拙blogをご覧になって頂き、ありがとうございますm(_ _)m

煉瓦の遺構は電鉄の橋の跡だったんですね。
昭和24年まで使われていたということなので、
その後荷揚げ桟橋になり、
やがて大黒・恵比寿市場が作られたのかな、
と思いました。
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▼ちび太郎さんへ2 (廃墟徒然草)
2009-07-12 08:10:48
貴ブログ、拝見しました。
的確なディテールへのまなざし、楽しく拝見しました。
大黒・恵比寿市場の回も拝見しました。
モノクロもまたいいものですね。

また拙ブログをブックマークもして頂いていて、
ありがとうございます。
おっしゃって頂ければよろしかったのですが、
早速当方からもブックマークさせて頂きました。

ところで貴ブログのコメントへの書き込み方法が分からないので、
教えて頂ければと思います。
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Unknown (ちび太郎)
2009-07-12 11:26:13
私の一貫性のないブログをご覧いただき、コメントを頂きありがとうございます。
また、リンクのご連絡が漏れていたようで大変申し訳ありませんでした。

私のブログについては、古い記事のコメントはできない設定になっていたので解除しました。
(私自身、仕組みを理解しておりませんでした(笑))
今はどの記事からもコメントできると思います。

思いつくままの「ちゃんぽんブログ」ですが、暇つぶしに覗いてもらえれば幸いです。

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▼ちび太郎さんへ (廃墟徒然草)
2009-07-13 01:48:21
コメント、ありがとうございます。
私は最近市内を見る様になったので、
まだまだ発見があるんじゃないかと楽しみですが、
ちび太郎さんのブログを拝見していると、
その発見の楽しみ、みたいなものを感じて、
とても楽しいです。
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