黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

廃橋、六厩川橋2

2014-09-15 02:35:02 | 廃道
昨年リリースした国内初の廃道DVD『廃道クエスト』、
そして、今年の春にリリースした第二弾『廃道ビヨンド』、
そして廃道三部作完結編となる『廃道レガシイ』を9/2にリリースしました。
今回も前作や前々作同様、作品に収録した物件の探索リポートをアップしています。



御母衣湖の廃道

廃道DVDシリーズの最後の撮影、
そして作品でも最後を飾る廃橋「六厩川(むまいがわ)橋」。
前回の記事でもアップした様に、
橋への陸路のアプローチは非常に困難を極めるため、
御母衣湖をカヤックで横断し(下地図赤線)、
時間を大幅にショートカットしようという作戦です。

確かにカヤックでの湖の横断は時間の短縮にはなりますが、
それでもカヤックに乗れるのは2人。
対岸まで一人運んでまた戻り、また一人乗せて対岸へ。
という時間を、その先の行程とあわせて計算すると、
撮影隊全員が対岸へ渡る時間はありませんでした。
やむなく、オープロの山内さんと日活の牟田ディレクターは探索を断念。
平沼さんと私、そしてオープロの大西さんだけが対岸へ渡り、
撮影をすることになりました。





御母衣湖の廃道

カヤックを降りた後、まずは秋町隧道を目指します。
岩瀬秋町線の廃道まで辿り着けば、
路盤跡があると平沼さんからは聞いていますが、
そこに行くまでは元来道でも何でもない山の斜面なので、
ひたすら薮を漕ぎながらの登山です。





御母衣湖の廃道

しばらくすると道らしき平場へと出ました。
これが岩瀬秋町線跡かと思いきや、どうやら違っていて、
秋町線よりもっと古い時代の廃道だそうです。





御母衣湖の廃道

さらに登り傾斜はきつくなりだし、
なるべく体力を消耗しないように心がけながら進みます。





御母衣湖

岩瀬秋町線だった路盤跡へ辿り着いた後は、
ほぼ平坦な廃道を歩いて秋町隧道を目指します。





秋町隧道

ほどなくして秋町隧道が見えてきました。
鬱蒼とした薮の中、土砂に半分埋もれかけの隧道は、
それほど規模の大きなものではなく、
昭和の小型車輛が二車線で通行出来る程度のものでした。
これまで撮影して来た隧道を思い出してみれば、
この隧道はそれほど危険を孕んでいる様にはみえません。





秋町隧道

ではなぜ、かつて平沼さんがこの秋町隧道を断念したのか。それは、
水没してるからです!
隧道の入口から中に向かって土砂が斜めに流れ込み、
それが原因で隧道内の水が外へ出られず溜まってしまっています。
そして画像の奥に写るレジャーボートが、
今回、水没隧道を踏破すべく平沼さんが用意したリーサルウエポンです。





秋町隧道

空気入れも完了し、
初の秋町隧道踏破に向けて気合を入れる平沼さん。





秋町隧道

オールはカヤックで使ったものを1本持参しての代用です。
計画としては、平沼さんともう一人が最初に渡り、
一人で引き返してもう一人を後から運ぶ、というものです。

しかし!ここでアクシデントがぁ!

さすがレジャーボート。
撮影用の機材や行動食等を入れたリュック2つと重装備の大人二人が乗ると、
ボートはみるみる沈み始め、
隧道水が流れ込んで来るではないですかぁ!





秋町隧道

結局、水没隧道は平沼さん一人で渡ってもらい、
その先も一人陸路で六厩川橋へ行ってもらうことにしました。
それにしてもこの水没隧道、
画像では明るめに写っていますが、ライトを消せば漆黒の闇。
ともすればアナコンダが水中から顔を出しても、、、
前方に見える出口の明かりだけが頼りです。

かたやオープロ班は、秋町隧道の上を山越えすることも考えましたが、
隧道の上に目をやるとかなりな急斜面のためあっさり断念。

一旦カヤックまで戻り、湖から六厩川橋を目指すことに。
距離的だけでの計算では、
カヤックを泊めてある入江から六厩川橋まで1時間位です。





御母衣湖

しかしカヤックへ戻ると、
来る時にとても穏やかだった湖面にメチャ風が吹きまくり。

さらに、六厩川橋付近にカヤックを停泊出来る場所があるかは、
まったく保証がありません。

けれどもここまで来て撮影しないわけにもいかず、
とりあえず強風に向かって漕ぎ出すことにしました。



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