黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

廃道:若郷新島港線の旧旧道

2014-02-25 07:57:35 | 廃道
国内初の廃道DVD『廃道クエスト』リリースから1年、
新作廃道DVD『廃道ビヨンド』のリリースを前に、
作品に収録した物件の探索リポートをアップしています。



今回は新島の北東部に残る都道211号線、
通称、若郷新島港線の廃道の旧旧道です。

廃道・若郷新島港線

画像右寄りの赤いルートが、
この記事で取り上げる若郷新島港線の旧旧道のルートです。
(画像はクリックすると拡大します)
またGoogle Mapへのリンクはこちら → Google Map

前回アップした旧道は、洞門と新島トンネルを中心にした、
比較的歩き易い道でしたが、
さすがに旧旧道となると、道の状態は悪く、
様々な難関が待ち受けています。





廃道・若郷新島港線

航空写真のA地点。
新島トンネルを出て、旧道と旧旧道がまじわる付近で、
ちょうど昼の時間になったので、軽く昼食。とおもいきや、
石井さんがいきなりセンターライン上で食べ始めました。
確かに、センターライン上で食事が出来るのは、廃道ならではの醍醐味。
まあ、オブロ-ダーじゃなかったら、食べたいとも想わないか(笑)





廃道・若郷新島港線

すかさずカメラに収める平沼さん。





廃道・若郷新島港線

そしてこれが旧道と旧旧道の分岐点。
右が新島トンネルから続く旧道で、
左がトンネル完成前に使われていた旧旧道。
現在でも、旧旧道の入口は封鎖される様子もなく、
あたかも普通に通行できる道のようなそぶりを見せています。





廃道・若郷新島港線

航空写真のB地点。
しかしほどなく、こういったぞんざいな扱いの道になり始めます。
右が、旧道と旧旧道の分岐点から歩いて来た道ですが、
あきらかに後付けの様子が感じ取れます。
元来あった旧旧道が土砂崩れで埋まったので、
多少迂回する道を新たに造った跡でしょうか。





廃道・若郷新島港線

しばらく進むと、大量の土嚢群が道を封鎖しています。
しかし、平沼さん曰く、
これらはあくまでも車がこの先に進入しないための土嚢で、
歩行者の進入禁止を促すものではない、と。

をいをい。。。





廃道・若郷新島港線

土嚢群の先にはまた道が続いている様に見えますが、
ほどなく植物に覆われて、その先が見えません。





廃道・若郷新島港線

植物を掻き分けながらアスファルトの道を進むと、
やがてアスファルトが完全に寸断?瓦解?崩落?
している場所へ辿り着きます。
ここから先はもう路面はないので、
草薮に埋め尽くされた崖の側面を進むしかありません。
航空写真のD地点。




廃道・若郷新島港線

暫く薮を漕いで、見晴らしのいいところに出て、
やっと周囲の状況がつかめて来ます。
要するに、崖沿いに造ってあった道の一部が、
路盤のために造ったった平場もろとも、
崖崩れによって崖下に崩落し、
完全にえぐりとられてしまっている、といった状態です。
画像中央の上寄りに見える平たい部分が、
かつて繋がっていた道の路面です。

で、繋がっていた路盤を確認したら引き返して、
反対側からその場所まで行くのかとおもいきや、
このまま崖崩れをまっすぐ行く、といいます。
嫌すぎるorz





廃道・若郷新島港線

航空写真のE地点。
嫌すぎて周囲の画像を殆ど撮影してません。
崖崩れの幅は約20mくらい。
でも、崖の高さは150mはあるでしょうか。
眼下を見下ろすと、多少つかまれそうな木があるものの、
ひとたび転がり出したら、相当の距離を落下しそうです。

私は前作『廃道クエスト』の国道299号旧道で、
危険な崖崩れを体験しているので、
それに比べればまだましだった印象ですが、
299を未体験のオープロのメンバーは、
この新島の崖崩れが、一番のトラウマになったようです。





廃道・若郷新島港線

なんとか路盤へ辿り着き、
今来たルートを振り返ってみました。
画像中央上部の細い柱っが建ってる辺りが、
寸断された路面の向こう側の端です。
そこから薮を漕ぎ、崖崩れの斜面を横断し、
左に写る植物に捕まりながら、
やっと辿り着きました。





廃道・若郷新島港線

しかし、苦労して辿りついた路盤からの光景は、
太平洋の大海原がパノラマで広がる、
とても素晴らしい光景でした。





廃道・若郷新島港線

しばらくアスファルトの道を進むと、
この旧旧道でもっとも標高の高い地点にたどり着きます。
そこには「永遠に幸あれ 吹上げの坂」と彫られた碑が。
前回にアップした洞門も「吹上げ洞門」でしたが、
やはり太平洋に直接面した新島の山肌は、
ひとたび風が吹くと、猛烈に強い風なんだと想います。

(廃道を探索している時に限り)
とても仲睦まじい平沼さんと石井さん。





廃道・若郷新島港線

吹上げの坂からみる旧旧道と新島の山肌。
それにしても、この急斜面によく道を造ろうと想ったものです。






廃道・若郷新島港線

吹上げの坂の碑を過ぎると、緩やかな下り坂になります。
ほどなく進むと、再び路面がなくなり、
ここから先は終点の新島トンネルの入口まで、
殆どの区間、薮に覆われています。





廃道・若郷新島港線

ただし、先ほどの崖崩れとは違って、
アスファルトはないものの、路面用の平場は残っているので、
それほど危険ではありません。
ただ、背丈以上の薮漕ぎがウザいだけです。





廃道・若郷新島港線

途中、落ちてしまったカーブミラーと、
かつてミラーが付いていた支柱があったりして、
ここがカーブだったんだなぁ~、と想いながら、
まったくカーブか直線かもわからない薮を進みます。





廃道・若郷新島港線

ところどころ、ほんの数メートルだけ、
アスファルト面が残っているところがあります。
センターラインも残っているので、
やっぱり道だったんだと、改めて確認します。

そうこうしているうちに、
やっと新島トンネルの南側の出入口へ辿り着きました。

距離的には片道1Km、往復でも2kmほどなので、
それほど時間がかかる行程ではありませんが、
その短い区間に、洞門、隧道、崖崩れ、薮化道路、と、
道にまつわる多くの要素がコンパクトに収録されたこの廃道は、
まさに廃道の宝石箱だと想いました。



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2014年3月4日 release !

廃道ビヨンド





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廃道ビヨンド

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