蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

人口ブラックホール  (bon)

2014-04-19 | 日々雑感、散策、旅行

 ブラックホール(black hole)とはもともと、宇宙の中で、極めて高密度かつ大質量で、強い重力のために
物質だけでなく 光 さえも脱出することができない天体のことで、1967年に米物理学者ジョン・ホイーラーにより
命名されているのですが、 すべてを吸収してしまう巨大なホールに見立てて、日本の人口減少問題に
なぞらえて、 “人口ブラックホール ”と呼ばれる深刻な現象を指しています。

 元、総務相、岩手県知事の増田寛也氏がそう名付けて、警鐘を発しています。
彼の言葉から、 「東京一極集中が人口減少の主因だ。全国から多くの人が首都圏を目指し、そこで疲れ果て、
孤独に年老いていく。 そうした人生の形を量産する価値観が、日本の人口減少の背景に横たわっている。
地方から東京など首都圏に人口が吸い寄せられたあげく、東京自身もまた、衰退の危機に直面している。
この事を、“人口のブラックホール”名付けた。」

 

 早速、厚労省の調査結果をひも解きながら、ああだ、こうだとブツブツ言いながら、膨大な統計・推計データを
見てひとり 感心するばかりで、なかなか記事としてまとまらないうちに時間ばかりが過ぎてしまいました。
それでも、いくつか思い当たるデータもあり、それを抜粋してグラフ化してみました。


             

  平成22年(2010年)から50年までの推計データです。

v総人口は、2010年:1億2805.7万人、2013年で、1億2724.7万人で初めて65歳以上が25.1%と
総人口の25%を超えました。
2024年には、1億2140.3万人で、65才以上が30.1% と3割の大台を超え、2060年では、総人口が
8673.7万人と寂しくなり、65才以上は何と4割(39.9%)に届く推計となっています。

 

 更にこの先、2061年から2110年までを見ますと、(出生中位、死亡中位の推計)

            総人口     0~19   20~64   65~74   75~

     2061年  8568万人   12.7%    47.3%    13.0%    27.0%

     2080年  6587.5     12.7%    46.3%    14.3%    27.0%

     2110年  4286.0     12.6%     46.1%    14.0%    27.3%

 

で、この50年間では、0~19才は12.5~12.7%、20~64才の生産年齢人口は46.0~47.3%、
65~74才は13.0~14.3%で増加、75才~は、27.0~27.9%で伸びは緩やかです。

 100年後の日本の人口は、今の1/3程度になっていて、65才以上は4割を超えている計算になっています。

 先のブログ「婚学」(2014.3.7)から、日本の人口推計グラフを再掲します。

    グラフ(日本の人口推計)
         


 そして、婚学での記事にも言っている通り、人口減少を食い止める方法の重要な要点は、結婚するカップルを
増加させること、そして、その結婚年齢を早める(若くする)、早めに子供を作る・・そんな提言をピックアップ
しています。 そのための環境つくりを推進して行く必要があるとしています。

 そして、更に今回、それらのポイントに加えて、面的な視点で問題を捉えて、首都圏一極集中が結局は
人口減少の大きな要因であり、しかも、首都圏自身もブラックホールとして消滅の運命にあるとの見方から、
地方への分散施策が必須である・・ そのための具体的施策を早急に検討樹立し、実行推進する必要が
あるとされている。

 “20~39才の女性人口の動向が将来人口に直結する。2040年までに、若年女性が5割以上減る自治体が
896ある。人口の再生産力を失ったまま1万人を割る523市町村は、自治体として立ち行かず 消滅
可能性があるという。” (増田氏らの推計結果)

 

 人口ブラックホール、確かに首都圏などでは経済活動には有利であるし、雇用も潤沢で、生活もしやすく、
文化や娯楽面でも魅力的であり、これまで世界のどこでも これらの集中が起こっていたし、これが自然の姿
だと思いますね。  大都市に人口が集まるのは世界各国に共通した傾向だといっても、 “先進諸国では、
ロンドンでもパリでもニューヨーク、ベルリンでも大都市への人口流入が時代とともに収束しているのに対して、
日本では東京圏への人口流入がいまだに止まっていない” と言われています。 
これが大問題だというのです。

 所得と出生率で見てみますと、“地方から東京に若者が集まるのは所得格差や雇用状況のせいだという。
東京の平均所得は全国の都道府県トップの440万円(2012年)。 しかし出生率は最低である(自治体別では
東京都目黒区の0.74が最低)。 一方、出生率のトップ10の自治体には鹿児島県、沖縄県、長崎県などの
離島の町がずらりと並ぶ。 これらの町の平均所得はおおむね200万円以下で、東京の半分にも満たない
ところがほとんどだ。 なぜ経済的条件に恵まれない町で出生率が高いのだろうか。” (農文協の主張)
との記述もあり、 一概に、所得=豊か=出生率とはなっていないことが分かります。 
同主張では、 “生活の充実度を決めるのは収入の多寡ではなく、家族のあり方、ムラとマチの関係のあり方、
そこでの人間関係という目に見えない 「資産」 なのである” と結ばれています。

大きな、かつ多面的な問題ではありますが、研究と実践施策を作り出して欲しいですね。

 
 

 

 

 

 

 


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