ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

CDのボックス・セット

2012年10月22日 | ミュージック
○ Magic Voices / Singers Unlimited (シンガーズ・リミテッド)
 所有するCDの中で、いわゆるボックス・セットと言われているものがいくつかある。その中で一番のお気に入りはシンガーズ・アンリミテッドの全集Magic Voicesである。1998年リリースのドイツMPS盤。
 彼らは、1950年代に活躍したグループ「ハイ・ローズ」のメンバーだったジーン・ピュアリング(Gene Puering)とドン・シェルトン(Don Shelton)の2人に、紅一点ボニー・ハーマン(Bonnie Herman)とレン・ドレスラー(Len Dresslar)を加えて、1967年にシカゴで結成された。ドイツのMPSレーベルに1971年に最初の録音を行って以来、1980年までに15枚のアルバムを発表、マルチトラック・レコーディングで音を重ねることによって、4人とは思えない多彩なハーモニーを形成するのが特徴で、聞く者を魅了する。
 私のiPod での再生回数の記録を多い順に並べると、1位と2位がシンガーズ・アンリミテッドとなることが多い(Put Your Dreams Away, A Time For Love の2曲)。もともとこのグループは人の声ってやっぱりすごいな、と思わせるほど素晴らしい歌声を聞かせてくれる。さらに多重録音を駆使し、巧みな和音による最高のハーモニーを聞くことができる。基本的にはジャズ的アレンジによる場合が多いが、曲自体はポップスの名曲やクラシック、さらにクリスマスの賛美歌までレパートリーも広い。
 81年のEasy To Love 以来アルバムを出さなくなって久しいが、活動中のクリスマス・アルバム以外の全アルバムがこのボックスには収録されている。CDは7枚組で、47ページに及ぶ写真と解説が盛り込まれたブックレットが付属。曲は残念ながらアルバム毎ではなく、分散して収録されているものもある。
 私が特に好きなアルバムは、①Invitation、 ②Sentimental Journey そして、③Eventide の3枚である。①はアート・ヴァン・ダムのアコーディオンが伴奏のメインを務め、それが何とも心地よい。②は私風に言う「夢弦(むげん)」サウンド満載の一枚で、一連のスタンダード・ナンバーにおけるストリングスと歌のハーモニーで心が洗われる。③はアルバムとしては地味な存在かと思うが、ジムノペティ、アリアなどのクラシックからフィーリングのようなポピュラーソング、さらにジーン・ピュアリングのオリジナル曲も含まれた多彩な選曲。そしてハープ演奏が幼少の頃に聞いた「引き潮」を思い出させノスタルジックにさせる私の一押しのPut Your Dreams Away が収録されたアルバムである。
 私はこのボックスCDをアメリカのタワーレコードから購入した。当時、国内のサイトでこのようなマイナーなCDを購入することはできなかったと思う。インターネット普及し始めの頃だが、直接海外に、それもネットをとおして簡単に注文することができる時代の到来に、大変驚き喜んだものである。ただ、長距離を経たせいか、届いてみると中のCDケースが何カ所か破損していた。CD本体にそれが及ばなかったのは幸いであった。
 現在彼らの活躍がないのは残念だ。そんな中で、最近 The Swingle Singers のアルバムを聴いた。古いグループだが、メンバーが代替わりし地道に活動をしている。そして、男女8名のメンバーが醸し出すハーモニーが美しい。ロンドンの地下鉄で客を装っていきなり車内で歌い始めるなどというお茶目なこともしている。(YouTube) 注目したいグループである。

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