ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

A Momentary Lapse of Reason / Pink Floyd : ピンク・フロイド「鬱」リミックス&アップデート・ヴァージョン

2021年11月07日 | プログレ

 ピンク・フロイドが87年に発表したA Momentary Lapse of Reason(邦題「鬱」)のリミックス&アップデート・ヴァージョンが単体でリリースされた。19年に発売されたThe Later Years のボックスセットに含まれていた音源の単独発売である。

  

 このオリジナル版が発売された当時はまだレコードが主流で、私も輸入盤を購入していた。ロジャー・ウォーターズとの別離を経て残り3名がクレジットされた(厳密にはリック・ライトはゲスト参加)新生ピンク・フロイドのアルバムということで大変期待していたと思う。針を落として1曲目のSIGNS OF LIFEからフロイドらしいオープニングで、また全体的にギルモアの独特のギターサウンドが聴かれ充分に満足したことを覚えている。LEARNING TO FLYのような地味だと思われた曲も、後のライブ映像を見て改めて好きになったりしたものだ。

 今回のヴァージョンではニック・メイソンの新たなドラミングが加味され、またリック・ライトの使われていなかったキーボード・サウンドを復元したのが「アップデート・ヴァージョン」の意味らしい。実際どこがどのように変わったのか?これを判断するのはなかなか難しいと思ったのだが、試しにアルバム最終の曲で、私の大好きなSORROWを新旧で比較してみた。

 まず気がついたのはドラムのスネア音である。旧ヴァージョンでは深くリバーブがかけられており、これは80年代のロックサウンドでは必須な音処理であった。が、アップデート版ではそれが無くなり、生音のようなサウンドである。また、曲の終盤のキーボードが旧ヴァージョンではデジタルシンセがメインに聞こえるが、アップデートではオルガンがメインになっており、これは間違いなくリック・ライトの奏法である。ここだけで判断すると、80年代の打ち込み+デジタルサウンドが本来のバンドサウンドに変わった(戻った)処理をしていると思われる。実際、ニック・メイソンのインタビューを読むと、「リックの仕事の一部を改めて取り入れる機会を得たのも良かったね。(中略)バンド感を圧倒的なものにしてくれた気がする。このリミックスのメリットの1つがそうであるといいね!」と語っている。(SONY MUSIC https://www.pinkfloyd.jp/artist/PinkFloyd/info/532843

 アルバム・ジャケットの写真も変更されている。今ならこの砂浜に置かれている無数のベッドはCGだろうと思うかもしれないが、本物を使ったヒプノシスの作である。旧バージョンでは右奥に数匹の犬がいるが、新バージョンでは海水が流れ込んでいる別ショットが使われている。これもリアルな場面なのだそうだ。そして飛行機が大きく写し出されているのだが、旧作のジャケットをよく見ると奥の方に小さく飛んでいる。だが、今回使用されたのはそれではなく新たに撮影された機体とのことだ。オリジナルのアートワークを大胆に変えたことで、まさにアップデートの意味合いが深まっていると思う。

 なお、私が今回購入したのは輸入盤の1CDと2枚組のLPである。LPの方は180g重量盤でハーフスピード・カッティングの45回転仕様。当然のことながら音は抜群に良い。そして付属のブックレットも大きく見応えのあるものとなっている。


アコギ談義その4 YAMAHA FG-400D

2021年10月29日 | ギター

 ヤマハのFG愛好家には80年代の名器と謳われているらしいFG-400D。妻が高校生の頃買ってもらったという一本である。かつて、もう弾くことはないので処分してと言われたことがあるが何とか確保。ただ、私も詳しいことは知らなかったのでネットで検索。

 トップはエゾ松単板、サイドバックはパリサンドル(合板)。ネックはナトー、指板と下駒はローズウッド。ペグは前期TM-30Dのゴールド仕様、というスペックである。長年放置しており弾きづらい状況が生じていたためリペアに出したことがある(ここに記載)。そして、弾きやすく、きらびやかで大音量を出すギターとして戻ってきた。

 エゾ松は北海道で取れ主にピアノ用の響板材とのことだが、そのためかヤマハがギターのトップ材として使用。今は貴重で、ギターには使われていないと聞く。見ると所々黒く変色している部分があるが、逆にそこが良い雰囲気を出している。サウンドホール周りやバイディングの装飾、ゴールドのペグも豪華。バックの木目も際立っており目を引く。メインとして毎日弾くわけではないが、時々味わってみたい音色と魅力を持つギターである。


ザ・ビートルズ LET IT BE スペシャル・エディション版が到着

2021年10月24日 | ザ・ビートルズ

 10月15日のリリースに伴って数日遅れでLET IT BEの50周年スペシャル・エディション版が到着した。同時に久しぶりにレコード・コレクターズの11月LET IT BE特集号も買ってみた。今回のスペシャル・エディションについて何の予備知識もないので同雑誌の力を借りようと思ったのである。

  

 さて私が注文したのはリミックスの音源+アウトテイク・ハイライトの2枚組CD版である。まずジャイルズ・マーティンによりリミックスされた音源は、最初に聴いただけではオリジナルミックスとの違いが分からなかった。I’VE GOT A FEELING の最後でジョンとポールが違ったメロディを同時に歌う部分があるが、確か左と右に明確に分かれていたが、今回は中央に寄っているかな?と思った程度である。ということでレココレを紐解く。76ページからのスペシャル・エディション解説(文・小山守)によると各楽器の分離が薄まって丸みを帯びた音像になっていて、同時にヴォーカルの生々しさがいっそう際立っている、特に数曲で聞かれるオーバーダビングされたストリングスの音が全体に溶け込んだ質感になっている、という。それを読んで、やはりI'VE GOT A FEELING のヴォーカル処理もそういうことかと、改めて聞き直してみた。でも、やっぱりあまりわからないな、、、まあこのアルバムは、変わりすぎない方が良いのかもしれない。それにしても、収録時間はトータル35分程度しかなかったのですね。

 ディスク2の方は多分初めて聞くものばかりだ。リハーサル的ではなく完全演奏のテイクが多いのが良かった。これもレココレに詳しい解説が載っているのでとても参考になった。音源についてのみではなくレココレの特集記事ではLET IT BEが出来るまでの背景なども改めて説明されていて、読み応えのある内容であった。

 なお、付属のブックレットにポールの言葉や、詳しい解説、そしてレコーディングの詳細などが記載されている。時間のある時にじっくり読んでみたいと思う。

 そして来月いよいよ映像版GET BACKがディズニー・プラスで配信される。楽しみに待ちたい。


祝!ジェネシス復活コンサート!!"The Last Domino? Tour"

2021年10月11日 | プログレ

 一番好きなロックバンドであるジェネシスが先月末からとうとう復活コンサートThe Last Domino? Tourを開始した。延期に次ぐ延期があったが、まずは開催を祝したい。そして、YouTubeのサイトではそのライブの模様をアップしてくれている人達がいて、全容がつかめる。何と有難いことか!それにしてもイギリスでは普通に客が入り、普通に盛り上がっている。もうそんな状況になっているのかと、まずはそちらに驚いた。

 ジェネシスのライブは、バリライトの開発に関わった経緯もあり照明にはいつも凝っている。今回もドミノ風のオブジェが天井に設置され、そこから縦横無尽に光が飛び交う。動画を通してもその様子はわかるが、やはり会場内で経験してみたかった!

 オリジナルメンバーのマイケル・ラザフォードやトニー・バンクスは70歳を超えているだろうが、昔と変わらないスタイルで楽器に向かっている。フィル・コリンズは脊髄手術の後遺症?からほぼ椅子に座ったままヴォーカルに専念する。サポートギタリストのダリル・スターマーは割と元気にギターを弾きまくり、そして今回はフィルの息子であるサイモン・コリンズがドラムで参加。彼のドラミングは父親とは違って重たい感じのトーンだが、複雑なジェネシスの曲をこなしているのはさすが父親譲りだ。

    

 ところで動画を見ていてオープニングのBehind The Lines でマイクが手にしているベース・ギターに目が行った。驚いたことにどうもYAMAHAのモーションベースなのではないかと思われる。私が持っているベースギターが古いヤマハMB-40なのだが似ている。いわゆるP/Jピックアップ(プレジション型とジャズベース型の両方を備えている)であり、ヘッドのデザインがYAMAHA、というかその丸形ロゴマークでほぼ間違いないだろう。私が所有するのは安価なものでコントロール用ツマミの数などが違うのだが、調べてみるとMBベースは90年前後の時代に発売されていて、高価な方ではMB-1やMB-75というモデルがあったようだ。マイクが弾く個体にはゴールドに輝くブリッジが見られ、MB-75と似ている。今このデザインと同じモデルは出ていないので、マイクはセミビンテージのヤマハを使ったのでは、と思われる。それもオープニングで。そういえば、ジェネシスとして初来日した78年の雑誌取材記事で、持ちこまれたアコースティック12弦ギターがAlvarez 製と紹介されていたことを思い出す。これは日本のK.YAIRIの輸出仕様である。実はマイクは日本びいきなのかもしれない。

 ちなみに私の持つMB-40はミディアムスケールのベースギターで、体が小さい私にはちょうど良いかと思って数年前に購入した。だが最近こちらの練習はサボっている。この機会にスラップ弾きの練習を再開しよう。

 ジェネシスの祝!復活コンサートが私のベースギターの話しになってしまった。ライブの写真はYouTubeのこちらから。もちろん、今後もジェネシスの活動に注目していきたい。


アコギ談義3 ギブソンVS マーティン(その2)

2021年10月09日 | ギター

      

 さて、今回のお題のギブソンVS マーティン。と言っても対決しているわけではない。製造年も張っている弦も違うので正確な比較はできないだろう。ただ言えるのは、マーティンM-36のボディはJ-45ほど深くはないにもかかわらず圧倒的に音量が大きいということ。このギターが95年製の26年選手だからだろうか?J-45とは逆に5〜6弦の響きが厚く感じる。意外だったのは試しに張っていたFenderの弦がこの上なくいい音がすること。値段は500円台である上に、数ヶ月交換していなかったので久しぶりに弾いた時に本当に驚いた。もう一度この弦を使って確認しようと思う。

     

 M-36を改めて説明すると、トップはスプルース単板。サイド&バックはローズウッド単板。ネックはマホガニーで指板はエボニー。”0000”(クアドラ・オー)シェイプとも呼ばれ、”000”(トリプル・オー)シェイプよりも一回り大きなサイズで、広く、豊かな低域とレンジを持つという。他にはローズウッドブリッジ、べっ甲柄ピックガード、D-35と同じ3ピースのバック面や、指板のホワイトバインディングなど、個性的な仕様も備えている。

 私の個体は1995年製、お茶の水の楽器店Hobo’sで中古で購入。こちらも試奏なしのネット購入だった。ただ、Hobo’sさんには以前訪問して、店員さんと話をしたことがあった。信頼感と買いやすさがあった気がする。このギターをホームページで見つけた時もメールで何度かやり取りをして状態を確認し、スタッフの言葉を信じて購入に至った次第だ。

 M-36はあのジョージ・マーティンが愛用していたとMartin Club Japanのホームページでは紹介されている。録音スタジオ向きのサウンドと考えられていた節がある。我がギターは25年以上の歳月が過ぎ、トップのスプルースは深い飴色になっている。前回、J-45の甘い木材の匂いについて述べたが、実はこちらも木材の良い匂いがする。これがK.YairiのエレガットCE-1になると完全に木の匂いだけなのだが、この魅力的な香りは何なのだろう?

 J-45はサイドとバックがマホガニーである。実はM-36の前にもう一本、マーティン・ギターを買っていた。こちらに詳細を載せたが、OOO-1である。(現在は息子の所有。)このギターもサイドとバックはマホガニーで、これもなかなか良い音を聞かせてくれる。一方、M-36はローズウッド。どうしてもローズウッドの一本が欲しかったということで購入に至ったわけである。

 ここ10年の間の物価上昇が影響したのか、名のあるアコギの中古価格は今は20万円台になっているようだ。私が探していた頃はまだ10万円台で買えたと思う。当然ながら予算的にはこれ以上は増やせないということになる。目移りはしやすいのだが、今あるものを大切に、いつまでも使っていければと思う。


アコギ談義その2: ギブソンVS マーティン

2021年10月03日 | ギター

 ロンブーの敦氏が、シンガー・ソングライターとして「あいみょんみたいになりたい」という理由でアコギを買いに行く動画がYouTubeにアップされている。楽器店で最初に見たのがテイラーのコーナーだった(すでに一本所有している模様)が、その後店員さんの紹介でギブソンのJ-45を手にしてかなり気に入った様子。それで購入決定かと思いきや、マーティンも見たいということでD-45を試奏する、という展開であった。このように、アコギと言えばやはりギブソンとマーティンの名前が出てくるだろう。そこで、今日の談義テーマはギブソンVS マーティンである。両者のギターにはどのような特徴があり、どちらが良いのか?などを論じたサイトや動画はたくさんアップされている。そこで、たまたま私も両方のギターを持っているので今回談じてみたい。

 この話題として紹介される定番のマーティンのアコギはD-28だろう。だが、私が持っているのはM-36というマイナーなギターである。最初はD-35を所有していたのだが、それがM-36に代わった。一方ギブソンはJ-45。先に購入したということでJ-45から紹介しよう。

    

 J-45についても本ブログで紹介したことがある(こちら)。Rim Shotというアリスのベーヤンさんがオーナーをしている楽器店から購入した2006年製、赤ラベルの中古だが、直に店に行ったのではなく、ネットショッピングである。だから試奏もせず、ただ店の説明と写真を見ての購入だった。いろいろ探して最終的にこれにした理由の一つは「価格」である。上を見れば切りのない中、無理すれば手の届く範囲だったと思う。それでも高額だったので、この時だけはローンで購入した。一度も弾かずに高額なギターを買うなんて、今考えると無謀である。だが、北海道の地方に住んでいた私は近くに楽器店はなかったからネットショッピングだけが頼りだったのだ。思いが叶ったのか、届いたギターはお気に入りの一本となった。最初の一振り?からとってもいい音がしたのだ。当たり外れが分かるわけもない自分だったが、少なくとも、これがギブソンの音なのか!と感動したことを覚えている。そして、他のYouTube動画で言っている人もいるが、ギターの匂いがとても良い。リッケンバッカーの620を新品で購入した時は塗装の甘い匂いがしたのだが、J-45はサウンドホールの中からその匂いがするので、多分木材の香りなのだろう。それにバニラのような香りがミックスされた何とも心地良い匂いなのである。

 話がそれてしまったが、私のJ-45は今年で生誕15年となった。深いボディの振動が体に伝わるふくよかな音なのは購入当時と変わらない。そして、抱えていても弦の美しい響きがストレートに耳に伝わってくる。特に2弦の響きが良い意味で異質で、他の弦にはない倍音が含まれている気がする。これはグレッグ・レイクがギブソンのウエスタン型ギターで弾き語る「展覧会の絵」のThe Sage(賢人)の音と似ているとずっと思っていた。2弦部分だけ後ろにずれているサドルの形(オフセット型)が影響しているのだろうか。(オフセットもオクターブ調整のためと聞いてはいるのだが。)J-45はコード弾きのドンシャリ音、ジャキジャキ音には定評があるが、指弾きのアルペジオも絶対に美しいと思う。特に私のJ-45は5、6弦より1〜3弦の響きが良いように思われる。

 本器にはサドルの下にピエゾ型のピックアップが着いている。現行型はサウンドホールの所に調整つまみがあるように見えるが、06年製には何もない。ボディの中に9Vの電池を装着する袋があって、コードが伸びているだけ。なので、アンプで調整するしかない。今までで一度だけ、バンド演奏のライブでアンプ(Rolandのジャズコーラス)に繋いで演奏したことがある。あの時は観客が800人以上いたのでピックアップ付きのJ-45は重宝した。でも、どのように聞こえていたのか、自分ではよくわからなかったのが悔やまれる。(続く)


アコギ談義その1: K.Yairi の12弦ギター YW600-12

2021年09月12日 | ギター

 最近YouTubeの中で、「初めてアコースティック・ギター(以下アコギ)を買いました」のような動画が好きで見ている。楽器店に行っていくつかのギターを見たり、お勧めを聞いたりしながら最終的に好みの一本を決めて購入。「買っちゃいました〜」と言いながらのヤッター感と、これから練習を頑張るゾー的笑顔がとっても良いと思いながら見ている。こちらも思わず笑顔になっている。

 それは自分が初めてギターを買った時のことを思い出しているからだ。実は最初に買ったのは小学校卒業直後の春休みに入手した当時数千円のガットギターだった。それを中高生の時ずっと弾いていたのだが、あれはどこに行ってしまったのだろう。とにかく、弦高が高くて試練の日々だった。でも「禁じられた遊び」や基本的なコードはマスターできた。ということでその件については以下省略させて頂く。

 本格的なギター購入は大学生の時である。大好きなGenesis のコピーを本格的にしたくてアコギの12弦を探し求めた。6弦ではなく12弦である。その時私にとってアコギとは12弦のことだったのだ。当時は東京に住んでおり、また大学が神田にあったのでお茶の水の楽器店巡りをした。正確にどの店を巡ったのかは覚えていないのだが、購入したのは谷口楽器さんだったと思う。そこで巡り会ったのがK.YairiのYW600-12であった。

   

   (K.yairi の輸出用ブランド Alvalez 製とのこと。)

 その邂逅に至るまでY社製やM社製、その他の12弦ギターはいくつか目にした。一応試奏させてもらうのだが、どれもしっくりこなかった。一番の問題は弾きにくいということ。12本も弦があるのだから指の力も思った以上に必要だった(と思う)。肝心の音色もあまり気に入らなかった(と思う)。ところが、ヤイリのギターは全く違った。まず音が綺麗でびっくりした。このことは今でもはっきり覚えている。そして弾きやすい。それにも驚いた。とうとう見つけた!という感じだった。だから問題は金額。学生の身で高額な物は買えない。確か7万くらいだったと思う。一夏のバイト代でも買えない金額だったはずで、ローンを組んだかと思う(不確か)。だが、多少無理をしてでも欲しかったのだ。購入を決めた時には、今各動画の皆さんが見せてくれた笑顔を私も披露したはず。

 そして、これを書きながら思い出したのは、カワセ楽器の12弦ギター用弦を愛用していたこと。その理由は単に安かったから。12本の弦の中で、3弦の副弦が細くて結構切れやすい。ちょくちょく交換していた。店舗がお茶の水にあったのだが、今も売っているのだろうか。(ググるとホームページがありました。弦も通販で販売中です。失礼しました!)

 ということで、実質的初購入のアコギはK.Yairi YW600-12 1977年製である。言うまでもなくヤイリ・ギターは永久保証。今まで一度メンテナンスに出している。(その詳細はこちらこちらに。)

 さて、最近またアコギを弾き始めたこともあり、これから少しの間アコギ談義を続けていこうと思う。かつて本ブログで自分のアコギを紹介をしたこともあるが、改めて書いてみたい。

   

   ヘッドのロゴは K.Yairi だがペグ裏のマークはAlvarez 。

   指板のポジション・マークが気に入っているが、指板の削れが目立ちます。

   

   12本の弦交換は大変です。

   

   昔のギターケースとロゴ。1977年製なので今年44歳?

 


【特報】ザ・ビートルズLET IT BE のスペシャル・エディションが発売決定

2021年08月27日 | ザ・ビートルズ

 映画LET IT BE のリニューアル・ヴァージョンGET BACK について以前こちらで紹介したが、この映画は当初は今年の8月に公開予定であった。本来なら今頃劇場で見ることができたはず。だが、結局は11月にディズニー・プラスで配信されることになった。宣伝文句は次のとおり。「伝説のロックバンド、ザ・ビートルズの3話構成6時間超の時空を超えた《オンライン・ライブ・エンターテインメント》が、ディズニープラスで独占配信。彼らのラスト・ライブのノーカット完全版とともに明かされる衝撃の真実とは?11月25日(木)・26日(金)・27日(土)ディズニープラスにて全3話連続見放題で独占配信」。何と6時間を超す映像が見られるようだ。当初の映画より長尺となったのか?私はたまたまディズニー・プラスを見ることの出来る環境にあるため、これは楽しみになってきた。

 そして、ビートルズ最後のオリジナルアルバムLET IT BEについては「50年後の後追いビートルズ」のラスト記事としてこちらで紹介した。その時、この時点での記念盤などの動きがあるのか?とコメントしたのだが、8月26日付けで同アルバムのスペシャル・エディション版が発売となる旨発表があった。リリース日は10月15日全世界同時とのこと。突然のニュースに驚いたのだが、なるほど、これは映画の公開に合わせての販売戦略だと思いついた。

   (Universal Music の広告から)

 今回のリリースもいくつかのヴァージョンがあり、詳しくは UNIVERSAL MUSIC JAPANの記事  や TOWER RECORD の記事、そして映像版はYouTubeを参照いただきたい。例によってアウトテイクやリハーサル音源、そしてニューミックスによるサラウンド音源、アナログ盤などが網羅されている。特筆すべきは当初リリースが予定されていたGet Back LPの新マスタリング音源が収録されていること。(これはすでに公開されていたのでしたっけ?)

 リアルタイムでLET IT BE を体験していた私としてはこのラスト・アルバムがとても思い出深くて、大好きなサージェント・ペパーやアビー・ロード以上に食指が動くのだが、やはりスーパー・デラックス・エディションは高価すぎて無理だと結論。いつもの2CDデラックス版の予約に落ち着く。(でも今ならTOWER RECORD さんはポイント15%に加えて国内盤スーパー・デラックス版も10%引きでお得です。)ホワイトアルバムのスペシャル・エディションが発売された時は、それに向けた各雑誌の特集号や冊子が発売された。今回は映画の公開もあるからそのような動きがさらに活発になりそうだ。情報も知識もない私なので、今後に期待しつつ今回はこの特報の紹介のみとしたい。


推理小説読後感その4(ネタバレなし)〜最高の推理小説、今邑 彩作品

2021年08月11日 | ミステリー小説

 「密室大図鑑」掲載の海外ものとして前回紹介したクリスチアナ・ブランド意外に購入したのがエドワード・D・ホック「サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ」(創元推理文庫)より「投票ブースの謎」、そしてジョン・スラデックの「見えないグリーン」(ハヤカワ文庫)である。2冊とも本当に興味をそそる密室の謎を持つ作品なのだが現在未読。最近私の読書法が国内作品と海外作品を交互に読む傾向になっていて、別の海外物を読んでから日本の今邑 彩(いまむらあや)氏の小説に目を通したらハマってしまい、何とホックもスラデックも忘れてしまったのである。

    

 それくらい今邑氏の作品は面白かった。最初に読んだのが「金雀枝荘の殺人」(中公文庫)。実はこれも密室ものであり見取り図もある。加えて幽霊?も登場するというオカルティックな風味が私の好みを刺激した。何より今邑氏の物語はとても読みやすい。ストーリーがスッと入ってくるので途中でやめることができないのだ。そして、推理小説としては定番の「意外」な犯人!そうなると一番怪しくない人物を犯人と仮定して読むことになるのだが、それにしてもこの人はあり得ないよな、と思わせておいて何と!いう展開もある。どの作品もプロットとトリックがよく出来ている。

    

 今邑作品の中で特にハマったのは警視庁捜査一課・貴島柊志が登場するシリーズである。密室状態となった部屋にある鏡の前で途絶える足跡の血痕など、怪奇現象が絡まる「i(アイ)鏡に消えた殺人者」など4作品がある。これらはどれも密室事件。他に北川景子、深田恭子で映画化された「ルームメイト」やクリスティを思わせる「そして誰もいなくなる」、背筋が寒くなる「赤いべべ着せよ…」などを読了(以上すべて中公文庫)。どれも素晴らしい。繰り返しになるが作品の構成が見事で、どんどん読ませる。そして謎の解明と意外な犯人。推理小説としては申し分なし。他にも未読の作品がいくつかあるが、作者が若くして亡くなってしまったのは本当に残念。もっとたくさん今邑ワールドに浸りたかった、、、。

    


ビル・エヴァンス・トリオの最新リリース2作品〜 On A Friday Evening / Behind The Dikes

2021年08月10日 | ミュージック

 最近ビル・エヴァンスの新リリースCDを2枚購入した。ジャズは好きな音楽のジャンルではあるが、ここ最近は限られた時間の中あまり聴く機会が持てなかった。その中、エヴァンスの未発表音源が発売になるということで久しぶりに食指が動いたのである。

 ビル・エヴァンスの作品で私のお気に入りは定番のWaltz For Debby、Moon Beams、そしてハーモニカのトゥーツ・シールマンスと共演したAffinity。この3枚はLPとCDの両方で持っている。さらに亡くなる前年、もしくは数年前のアルバムI Will Say Goodbye、You Must Believe In Springも。総じて激しいものより、My Foolish Heartのようなロマンチックな演奏が好きだ。

    

 そこで新たな音源について。深い考察はできないので単に感想を。1枚目は On A Friday Evening。エヴァンスが、1975年6月20日、バンクーバーのクラブ Oil Can Harry's で行ったライブの音源である。ラジオ番組オンエア用に録音された演奏とのこと。そのオリジナル・テープが45年の時を経て日の目を見たわけだ。何より I Will – や You Must - と同じエディ・ゴメス(b)、エリオット・ジグムンド(ds)とのトリオ編成ということで聴いてみたいと思った。だが、全体的に力強い演奏が多くて、私好みではなかったのが残念。

    

 2枚目は Behind The Dikes。こちらはエディ・ゴメス(b)とビル・エヴァンス・トリオのドラマーとしては最長を務めたマーティ・モレルとのトリオによる1969年オランダでのライブ音源を集めたもの。2カ所の異なる場所でのライブと、最後の2曲は名アレンジャーのクラウス・オガーマンがアレンジしたオーケストラ演奏とトリオの共演。2枚組である。本音源には Waltz For Debby やスタンダードの名曲が並び美しい演奏が満載。とても気に入った。ブックレットも当時の事を振り返るゴメスやモレルのインタビューが載っていて読み応えがある。目下の所ヘビーローテーション中である。


【防備録】東京オリンピック〜札幌の暑い日

2021年08月08日 | その他

 コロナ禍で開催に対し賛否両論あった東京オリンピック2020も、いよいよ今日が最終日。そして札幌でも一部競技が開催され、今週は競歩とマラソンが行われた。暑さを考慮して開催地変更となったはずが、まさかの東京より暑くて高湿度な札幌。本日8月8日の新聞には「札幌真夏日18日連続97年ぶり更新」の記事が。いやぁ〜、北海道も本当に暑い日が続いております、、、。

 週に一度札幌の中央区の専門学校で勤務している私なのだが、7月下旬、行く途中でまずは地下歩道空間にTokyo2020のロゴマークを発見。午前10時過ぎで人通りは少ない。そして競歩とマラソンの発着地となる大通公園に五輪のモニュメントが。こちらも記念写真を撮る人もまばら。ほとんど盛り上がりに欠けている感じだが仕方ない。でも昨日今日のマラソンは沿道に人が密集した模様。何とも複雑な思いを残して終わるオリンピック。ただ、専門学校の学生たちでボランティアで参加した者もいる。その人たちにはお疲れ様でしたと言ってあげたい。

 防備録としてここに残す。

    

    


推理小説読後感その3(ネタバレなし)〜クリスチアナ・ブランド「ジェミニ−・クリケット事件」

2021年08月08日 | ミステリー小説

 「密室大図鑑」で紹介されている作品の中には既読のものもいくつかある。例えばルルーの「黄色い部屋の謎」、カー「三つの棺」「妖魔の森の家」、横溝正史「本陣殺人事件」、高木彬光「刺青殺人事件」など。推理ものが好きな人にはおなじみだ。だが、大方は全く未知の作品である。それらの密室状況を知ると、そんな状況はありえない!と思わせる内容が多い。まるで良質のマジックを見るのと同じ気持ちになる。ただ、マジックではネタばらしはないが、小説の世界では必ず解明される。密室ものの醍醐味はまさにそこにあると思う。

 今回はそうした新たに知った未知の作者の海外作品から一冊。クリスチアナ・ブランドの「ジェミニ−・クリケット事件」。これは短編集「招かれざる客たちのビュッフェ」(創元推理文庫)の中の一編で、有栖川氏によると「密室ものの傑作である」。

    

 建物4階の一室に被害者は椅子に縛り付けられ刺されている。警察が内側からかんぬきがかかった部屋に入った時にはその傷は新しかったにもかかわらず被害者以外誰も人はいなかった、という謎が提示されるが、その解明は見事であった。さらにブランドの作品には、言うならば「怪異」の雰囲気が盛り込まれる特徴があるそうだが、この作品にも不可解な状況が別途加味されている。短編で読み切ってしまうのがもったいないと思わせる作品であった。

  新たに知ったクリスチアナ・ブランド。「招かれざる客たちのビュッフェ」はフルコースの食事をするようにたくさんの短編が構成されている。今のところ読了していないので、それらを食するのが楽しみである。


推理小説読後感その2(ネタバレなし)〜笹沢佐保「求婚の密室」

2021年08月07日 | ミステリー小説

 「密室大図鑑」掲載の国内作品から、今回は笹沢佐保の「求婚の密室」を。笹沢佐保の名前はよく見て知っていたが一度も読んだことがなかったのは前回の山村美紗と同じ。実は「木枯らし紋次郎」シリーズの作者なのだそうだ。しかし有栖川氏によると「本格の傑作・佳作が目白押し」で密室ものにおいても「トリックメーカーぶりを遺憾なく発揮している」作者だと紹介されている。そして「これまで見たことも聞いたこともない独創的なトリック」「どうしてこの手があると気がつかなかったのだ」と有栖川氏を言わせるこの作品を読まずにはいられなかった。結果として、その独創的なトリックは後味が少し悪かったのだが推理小説としては申し分なかった。事件に対する複数の登場人物による異なった解明も描かれ、とにかく作者の筆力にどんどん引き込まれてしまった。

    

 有栖川氏が文中で名作と紹介している「霧に溶ける」も併せて読んでみた。こちらはミス・コンテストの最終選考に残った5人の女性が次々と死傷する。その中に密室が存在するという設定。今とは違う昭和の雰囲気が濃く反映されて、ある意味懐かしさも感じたのだが、密室の謎に加えてアリバイ崩しもありの内容をとても堪能した。

    

 両作品とも見取り図があるのは言うまでもない。特に「霧に溶ける」の密室の解明についてはこの図を見て、それはそうだよなと唸ること必至である。


推理小説読後感その1(ネタバレなし)〜「密室大図鑑」「花の棺」

2021年08月06日 | ミステリー小説

    

 有栖川有栖氏の「密室大図鑑」(創元推理文庫)という書がある。前書きによると「ビギナーにもマニアにも楽しめる密室のガイドブックで、読んでも見ても楽しい本」がコンセプトである。「見ても」というのは磯田和一氏による密室の見取り図中心のイラストが載っていること。国内外から厳選された40作品が紹介された、まさに図鑑と呼べる一冊だ。

 推理小説、特に密室ものが大好きな私はかつて「完全版密室ミステリの迷宮」監修・有栖川有栖(洋泉社)をここで紹介したことがあるが、同じ有栖川氏による本書に掲載されている作品も魅力にあふれた面白そうなものばかりである。その中で特に読んでみたい作品をいくつか入手してみた。軽く読後感を記載しようと思う。

 まず国内からは山村美紗の「花の棺」(光文社文庫)。作者は女優の山村紅葉さんの母上で、よく2時間サスペンス・ドラマの原作者になっていることは知っていた。しかし、これほど本格的な推理小説を書く人だとは知らず新たな発見であった。本作品は後にシリーズ化するアメリカ副大統領の娘キャサリンとそのエスコート役の浜口一郎のコンビが探偵役である。そして京都と華道界という純日本的な世界が舞台となる。この「日本的」というのが、茶室内で起きる密室殺人謎解きのキーワードともなっている。

    

 この作品を読んで山村美紗という作家はトリックメーカーだと知ることとなった。そのため他の作品にも興味がわき読んだのが「京都・十二単殺人事件」(講談社文庫)である。これはキャサリン&浜口が活躍する短編集だが、冒頭の「女富豪密室殺人」が文字どおり密室もの。どちらかというと心理的トリックの作品かもしれないが、キャサリンの解決は鮮やかであった。

    

 そして両作品には私の大好物の見取り図が挿入されている。「密室大図鑑」では二次元に加えて三次元の図も描写されている。あくまでも磯田氏の想像を具現化したものと言うが、作品のさらなる理解の助けとなる。明るいキャサリンと実直な浜口のコンビも捨てがたいキャラで、作品が愛される要素になっていると思う。

 一番面白いトリックの内容に触れることができないので、言葉足らずではあるのだが「密室大図鑑」掲載の作品を今後何点か紹介したい。


FROST* 新作 ‘DAY AND AGE’

2021年05月28日 | プログレ

   

 本日届いたFROST*5年ぶりの新譜、プログレファンである私を久しぶりに興奮させる素晴らしいアルバムだ。例えば1曲目のDAY AND AGEは12分の大作。2コードが繰り返される疾走感あるイントロの後、転調気味に歌が入り、早速その世界に引き込まれる。奥行きのあるサウンドにやがてドラムのソロが続き、これぞプログレという展開。ギターもシンセもテクニカルなフレーズやソロが出てこないのだが、アンサンブルと不思議なサウンドコラージュで充分聞かせてくれる。そして歌が再開しシンセのソロが聞こえ出しながらフェードアウト。凄い、この1曲だけでプログレを堪能できる。

 FROST*はメンバーがジェム・ゴドフリー(key)、ジョン・ミッチェル(g)、ネイサン・キング(b)の3人となった。ドラマーのクレイグ・ブランデルがスティーヴ・ハケット・バンドに加入したためである。そして本アルバムでは3人のドラマーが参加している。その中の一人は、キング・クリムゾンのパット・マステロットだ。18年12月のクリムゾン札幌公演後にそれについてインスタグラムに投稿したら like をくれたことを思い出す(こちらの記事)。

 同氏はアルバム終盤の2曲でドラムをたたいているが、その2曲を含む3曲は切れ目無く続きまるで20分にわたる組曲のようで、曲調も壮大かつ緩急ある構成でアルバムのハイライトとも言える。終曲のドラマチックな展開の中での重たいドラムサウンドが心地よい。

 今回久しぶりに国内盤(Blu-spec CD2)で購入したのだが、ボーナストラックと詳しい解説付きだったのが良かった。ということで、ほんの第1印象の紹介であるが、当分ヘビーローテーションとなりそうな1枚だ。