~経済ニュースの森の奥~ ・・マクロな視点から。

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No35 お金が投資だけに回る “新型バブル景気” の傾向?

2006年01月13日 | 景気
●(1/10総務省発表)・・・11月の全世帯消費支出、実質0.0%で横ばい
11月の全世帯家計調査によると、一世帯当たりの消費支出※は28万4465円となり、物価変動の影響を差し引いた実質で前年同期比0.0%と横ばいだった。実際に支払った金額を示す名目では1.0%減少した。

※消費支出:毎月のモノやサービスの購入金額を調査したもので、1世帯当たりの支出金額を示す。


●(1/12日銀発表)・・・日銀が12日発表した2005年12月の通貨供給量(マネーサプライ)は前年同月に比べ2%増えた。

定期性預金(2.2%減)、郵便貯金(6.4%減)のマイナス幅が大きくなる半面、流動性の高い現金・普通預金(5.5%増)や、投資信託(6.2%増)などの伸びが顕著だった。日銀は「定期預金や郵便貯金が満期になって得たお金を投資信託や外債などに振り向ける動きが広がっている」と分析している。


・・・・・

一世帯あたりの消費は8月まで5ヶ月連続減、9・10月は1~2%の増加に転じたが11月は前年対比0%と、依然力強い回復には至っていません。以前当ファイルで指摘したように一般市民の日常品における節約志向は根強く、まだ内需が全体として伸びない状況にあります。

しかし、世間のカネの動きは、定期や郵便貯金を崩し、現金や流動性の高い普通預金へどんどん回ってきているのです。そして、カネの流通量全体はずっと増えつづけています。

単純に考えると、それらのあふれ出てきた現金はモノやサービスの消費行動に向わず、投資信託や外国債券などの投資へどんどん流れていっているということ。

カネを持っている人ほど「消費」より「投資」なのです。 

15年前のバブル景気のころは「消費」も「投資」も勢いがあった。

当時と比べて現在は・・・
株や投信などの投資マーケットが活況を続けている(今のところ)そのスピードに比べ、明らかに消費回復スピードが遅い⇒ゆえにデフレ払拭がはっきり確認できず⇒金融緩和だらだら続き⇒通貨流通量が更に増え⇒それは「消費」に回らず「投資」へ・・・という、“カネぶくれ”の危険な循環に陥ってはいないでしょうか? 

そうだとしたら、それは投資マネー“バブル”に他なりません。消費や内需にあまり回ってこない、という意味では、15年前と違ったタイプのバブル景気の入口なのかもしれません。

ここで仮定する新型バブルにおいて、15年前と一つだけハッキリ違うといえる事は、マネーを持っている者だけがこの景気ゲームに参加が可能で、バブルによって大儲けできるのも大損するのもマネーを持っている者に限られるということです。

人口比率的に大部分はカヤの外、傍観する以外手立てがないバブル景気になるかもしれません・・・。 しかし泡ですからいつかは破裂します。ということは15年前のようなバブル崩壊による致命的な痛手を直接負う確率も、当時より低いということですね。仕事的にも個人的にも、とばっちりを受けなければ、の話ですが。


1 コメント

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Unknown (通りすがり)
2006-01-19 00:03:27
このブログまだやってるんですね。

もう閉めたのかと思っていました。

がんばって下さい。
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