中国エンタメ小説界を代表し、映像化・ゲーム化などのメディア展開も多数、
そして現代日本にも数々の影響を与えている
武侠小説作家にしてジャーナリストであった金庸先生が亡くなられました。
大学時代に中国文学を学んでいたときには触れることはありませんでしたが
(魯迅とかがどうしても中心になるので・・・)
その後友人の勧めもあって読み始め、その作品のもつパワーの虜となりました。
その作風をあらわすならば、
カンフー映画と大河歴史小説を混ぜて割らないライトノベル。
中国史激動の時代を背景に、達人同士がその絶技をぶつけ合い
美少女・美女ヒロインも続々登場するも多くの場合主人公は鈍感で一途。
数々の悲劇が襲うことがあっても、主人公は誠実に前へと進んでいく・・・
そんな作品から、だんだんと深みのある人物描写を加えていき
最後の長編「鹿鼎記」では主人公は女好きでハッタリだけでピンチを乗り越えていく
そんな作風ともなりました。
また、香港とシンガポールでは新聞社の主筆も勤め、
文化大革命や天安門事件などでは共産党批判を正面切って行うなどの
言論人・政治評論でもその名を轟かせておりました。
氏の小説は現代に至るまで何度も映像化・テレビゲーム化なども行われ
中華圏においては絶大な人気と知名度を誇り、
日本においても映画化作品などを経由して多くの影響を与えています。
(今川泰宏監督の「ジャイアントロボ」「Gガンダム」あたりがわかりやすいのでは)
現在は徳間文庫から全小説作品が完訳されておりますが、
2002年より金庸本人による作品への改定が行われており、
それを反映した新訳も発売されないかなぁ・・・と思うとともに
日本のライトノベル読者にももっと読まれるといいのになぁ、と思っていたりいたします。