「人類の幸福を追求する」組織、SHOCKERから
緑川ルリ子によって救出されたバッタオーグ・本郷猛。
心優しき青年であった彼は、己の力に戸惑いながらも
ルリ子を守りながら「仮面ライダー」としてSHOCKERのオーグたちと戦いを繰り広げていく。
その中で現れるもう一人のバッタオーグ・一文字隼人。
SHOCKERの進める計画をはたして阻止することはできるのか?
「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン」「シン・ウルトラマン」に続く
庵野秀明によって再構築された「シン」シリーズ4作目、の今作。
ウルトラマンと並んで思い入れの強い初代仮面ライダーの再構築、ということで
テレビ版だけでなく石ノ森萬画版などの要素も拾った作品となっています。
「改造人間の悲哀」「孤独なヒーロー」という初代ライダーに強い要素に
「現代的な秘密結社の描かれ方や目的」、
SHOCKERサイドの過去を描くスピンオフ漫画(ヤングジャンプに連載中)との絡め方など
現代的な仕掛けも利かせた今作。
個人的な感想としては
「50年前にリアルタイムでテレビで見ていた庵野少年がその後色々なものを吸収しながら
それを活かして味付けした映画として妄想しつづけていた仮面ライダー」を出力されたような印象。
シン・ウルトラマンと同じように怪人(オーグ)ごとに話数で区切られているような感覚もあり
そこは30分1エピソード感(中には前後編になってる感じもありますが)が
身体感覚として沁みついているのかなぁ、と思ったり。
ただ、一部で言われるほど「庵野が好き放題やった」感は感じず、
軸になるストーリーもちゃんとしているし、
過去作の知識やスピンオフとの関係も知らなくても普通に楽しめる
(知っていればにやりとできる部分、は確かにありますが)
とてもちゃんとした日本のヒーロー映画、という印象もあります。
比較対象が(本編撮影と並行して過密スケジュールの中撮られる)
現役のニチアサライダー映画になってる部分はありますけど、それでも。
そして(これを書いてる途中に伏せられてたキャストも解禁されたわけですが)
最近の特撮映画としてもあまりに豪華すぎるキャストが、しっかりその持ち味を発揮
(長澤まさみにあんなキャラやれるとは思ってなかったよ…)しているというのも
あらためて凄いことだな、と思いましたよ。