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DC:ニューフロンティア 下

2015-03-10 | 漫画
「DC:ニューフロンティア 上」感想をお先にどうぞ

ハル・ジョーダンを迎え、動き始めた火星への極秘有人飛行プロジェクト
「プロジェクト・クラウド」。その裏に隠された真の目的とは・・・
一方で政府は、フラッシュやジョン・ジョンズたちを捕獲しようと動き始める。

翼竜飛来事件や、謎のパニックに見舞われる人々。
彼らが恐れる「中心」とはいったい何なのか?

・・・アメリカ、そして人類を、地球を襲う未曽有の危機に、
ついに新時代のヒーローたちが結集する!


上巻では「50年代アメリカの抱えた病巣と、その中でもがくヒーローたち」という側面が
強く出ていた感もあり、「DCキャラを使った『ウォッチメン』的な性格の話かな?」と
思って読んでいたのですが、下巻では物語は一気に熱量を増し、
フラッシュ、マンハンター・フロム・マーズ、チャレンジャー・オブ・ジ・アンノウン、
そしてついに登場するグリーンランタンにアダム・ストレンジ、グリーンアロー、
ブラックホーク、アクアマンといった超人・常人入り乱れたヒーローたちの結集に、
己のアイデンティティを取り戻したスーパーマン、ワンダーウーマン、バットマンのBIG3も
それぞれのやり方で、世界を襲う危機へと対処していきます。


解説にもあるように、未知や限界、そして現実という壁へと挑んで
理想の未来にむけて突破していく物語、という物語の根底にある精神や、
はたまた細部にいたるまでも、映画「ライトスタッフ」の影響が大きい作品であり
特に下巻ではヒーロー達が一列に並んで歩いて行く見開きシーンに
その影響を色濃く感じます。

現実のアメリカも、もちろんコミックの「シルバーエイジ」の世界も、
この先の世界はベトナム戦争という大きな傷を負うことになりますし
この作品でも触れられた数々の問題には、いまだ尾を引くものもあります。
しかし、それでも。
理想を追いつづけ、問題解決を目指していく限り、いつか理想は実現する。
その理想こそが我々の目指すべき「ニュー・フロンティア」である、という
ケネディ大統領の演説で締めくくられる物語は、
コミックを、ヒーローを、そしてアメリカの持つ理想を「それでも」信じ、愛し続けるという
作者であるダーウィン・クックの宣言でもあるのかな、とも思えました。


DC:ニューフロンティア 上
DC:ニューフロンティア 下


コメント
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