「こ・・・子猫がいる！ 何で？」

　「こ・・・子猫がいる！　何で？」

　まだ子どもが小学生のころです。
　妻がベランダに出たところ
　かわいい小さな鳴き声が
　「ミャーミャーと聞こえる」と。
　落ち葉を集めたビニール大袋数個の方から声が。
　よ～く見ると、
　「こ・・・子猫がいる！　何で？」
　「しかも３匹！」
　生まれたばかりの猫の赤ちゃんが３匹！！
　ビニール袋の上でミャーミャー鳴いています。

　　

　どうやら落ち葉でふかふかしていたビニール袋の上で
　親猫が出産したようなのです。
　手のひらにのるような小さな子猫ちゃんです。
　驚きました。
　団地では猫の飼育は禁じられていますし、
　かといって生まれたばかりの子猫を
　親猫の許可も無くいじるのもどうかと。
　家族で話した結果、
　段ボール箱にタオル敷いてベランダの下に
　移動してもらいました。
　親猫がなめたりしながら一生懸命面倒見ています。
　子猫は３匹とも近所に猫好きな方がいて
　もらわれていきました。

　　

　しかし親猫は子猫がいなくなってしまい、
　毎日あたりを探し回っているのです。
　その様子を見ているとちょっと胸が締め付けられました。
　親猫があたりを探し回っていることを知った
　子猫を連れていった方が、
　やはり親猫も一緒にと子猫を抱いてきました。
　子猫を見つけた親猫は走って子猫のところへ。
　普段は軽快して人には近づかない親猫も
　このときばかりは一直線で抱いている人の所へ。
　親の愛情の深さを感じました。
　子猫と親猫そろって、猫好きな方にもらわれていきました。
　親子で一緒に生活できるようなので、安心しました。

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