マウントクック空港は国立公園内にある。空港内には2つの遊覧飛行の会社があり、利用したのはINFLITEというほう。もう一つ会社の値段体系はわからないが、たぶん似たような価格だと思う。
遊覧飛行はヘリコプターかセスナ機かを選べるのだが、天候や人数によって変更になる。私はセスナ機でのタスマン氷河~マウントクック山を含めたコースを予約したのだが、当日の天候と風速と人数の関係があってマウントクック山のコースはナシとなり、機体もヘリコプターになった。もちろんその分の値段は割り引かれる。
空港とTWIZELの町の距離は約60㎞だが、この国では郊外の一般道では制限速度が100㎞であり、加えて信号機や交通量も皆無に近いので40分もあればTWIZELから空港まで行けるのである。
ヘリは操縦者も含めて6人。ヘリの助手席という一番いい席をとる確率を上げたければ、滑走路に出るときの列の先頭であることが望ましい。実は私は先頭に並んでいたのだが、滑走路への扉をでるときに通行をほかの客に譲ってしまったので助手席を逃した。とはいえ、右や左に旋回してくれるサービスをしてくれるので、そんなに変わりはないが。
写真はタスマン湖。タスマン氷河が解けてできた氷河湖である。写真右上にみえる青黒い塊が氷河であり、水面から30mほど浮いている。実は水面下には150メートルほどの氷河が沈んでいるので実際の氷河の厚さは200mほどあることになるのだが、それは後に書くのでここでは割愛する。手前にみえる山はモレーン。よく見ると山の左右両方が氷河によって削られたことがわかる。氷河湖には大小無数の氷山が浮いている。
タスマン氷河に着陸。タスマン氷河から流れる水は、ニュージーランドの水力発電の30%を占めるという。
肉眼でみたときの視野はおおよそこんな感じ。
クレバスだらけ。
氷河が青く見えるのは、空が青く夕日が赤く見えるのと同じように透過と反射によって説明できる。我々が物の色を見る場合、殆どは反射した光を見ている。雪が白くみえるのは、すべての光のスペクトル(虹色の光の全て)を反射しているためである。逆にすべての色の反射を吸収してしまうと色はみえなくなり、これを黒という。
氷河は非常に圧縮された氷で、氷の中の気泡は圧力によって潰されてしまうが、表層に近くなれば圧力は緩くなり内部の気泡が目立つようになり、これが光を多く反射させて白く見えるわけである。しかし下層の圧力のかかった氷河では、赤い光は波長が長いため氷河を透過してしまうが、青い色は波長が短いため、氷河の中で光がぶつかり散乱してしまう。この散乱した光を人は見ているため青くみえる。
・・・・ということになっているが、実際のところは良くわからない。
実際は氷の中に含まれるチリや埃または削った石灰岩の欠片や粉なども光は当たり散乱しているわけだし、その他の科学現象もあるのかもしれない。
ニュージーランド来る時期は暖かいほうがいいか?寒いときがいいか?という悩みはある。山に雪がたくさんかぶっている風景を見たいなら寒いときだろうが、その場合、山肌の氷河は新雪に覆われてしまうため、おそらく青い氷河がみられる場所は限られたところになるだろう。しかしながら、後の記事でも書くが星空に関しては、ニュージーランドでは寒い時期のほうが天の川が綺麗にみえるので、寒い時期のほうが満天の星空を楽しめるだろう。
2回行けばよい?それは贅沢ができる人だ(笑)
山肌からの氷河の崩落と落石。
氷河が山体を削っているというのがよくわかる写真。
次回はタスマン氷河のボートツアーをあげていきます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます