炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

古代ローマの農業. プリニウス 『博物誌』 から

2004-12-16 | Weblog
古代ローマ時代の紀元79年、Vesuviusu火山大噴火の前には、完成していた、プリニウスの遺作 『博物誌』第18巻は、さながら農業ガイドブックの観があります。
今日は、古代ローマの蕪の栽培方法を見ながら、その農業の技術水準を考えます。

プリニウスは、やせた土壌でも育ち、他の作物が作れない、寒い時期にも育ち、冬の貯蔵食、非常食としても優れ、根、茎、葉ともに、全部食べられ、また、家畜の飼料にもなる、カブの栽培をたいへん重視し、柔らかい土壌には、大麦→キビ→蕪の輪作を推奨し、土地を肥やす豆類や緑肥の栽培も奨めています。

この『博物誌』第18巻では、農業と天文学の関係をも述べています。
当時すでに、水星、金星、火星、木星、土星を識別、観測する驚異的水準にあった、ローマ天文学ですが、その由来は、農業の暦から発達したと述べ、四季の星座に沿った、農業暦を書いています。

「春の星座と農作業」、「夏の星座と農作業」、「秋の星座と農作業」といった調子で、作種子の蒔き時と、星座の位置をしるしています。
当時の静かな農村の夜、ロマンチックに想像するのも楽しいものです。
地中海式気候地域の書とは言え、農家の冬の読書に、お勧めの一冊です。


-参考-
ガイウス プリニウス セクンドゥス 『博物誌』 中野定雄訳 雄山閣 1986年 (英文からの翻訳) 

尚、プリニウスは、執筆当時、現在のヴェスヴィオ火山近くに、住んでいたのですが、
「40ポンド(=329g×40=13.16kg)の蕪が、栽培されているのを見た。」と書いていますから、現在の桜島大根のような大きな蕪も、あったのでしょう。
(現在、お店で売られている南瓜の重さが、せいぜい2キログラムですから、カボチャ6~7個分の大きさとなりましょうか。)

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9 コメント

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食物を作る (Jean)
2005-01-27 21:48:36
農業について自然に近いようでいちばん遠い

モノではないかと思うことがあります



宇宙のなかの地球住民であることを

感じながら生きてゆきたいですね☆



月の動きをもとにした

バイオダイナミック農法は

宇宙を感じて農業をする方法ではないでしょうか?



プリニウス「博物誌」 ぜひ読んでみたいです

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☆ ダイナミック! ☆  ★ (U-1☆(^^)。)
2005-01-27 23:56:02
☆Jeanさん、コメントありがとうございます

(^^)。。

現代の農業は、たしかに自然からかけ離れたものに、なってしまっています。見た目の優れたものを作るのに、どうしても薬にたよりがちです。



☆ただ、本当の適期に種を蒔けば、害虫はかなり、避けられます。(化学肥料を使わない、場合ですが)バイオ ダイナミックは、こうした長年の知恵を使っているのでしょうね。



☆天体の運行とともに、農業をするなんて、本当にロマンチックですね(^^)☆。ダイナミックで雄大な気分になります。「カレンダー」について、記事お願い致しますね。



☆それから、プリニウスの『 博物誌 』は、小説などどは違い、百科辞典のようなものですから、拾い読みできますよ。大きな図書館にあります。
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プリニウスは博物学の祖 (アロタン)
2005-01-28 05:08:48
おはようございます。U-1様、アロタンです。さて、プリニウスのお話、興味深く読ませて頂きました。実は、私のアロマテラピーの授業「アロマテラピーの歴史」でプリニウスは必ず教えています。というか、アロマテラピー検定の教科書に出てきて、試験にもよく出る。アロマテラピーを勉強した人は必ず知っています。



「プリニウスはローマ時代の将軍兼博物誌家。博物学の祖。ありとあらゆる自然現象に興味を持ち、百科事典風の「博物誌全37巻」を著した。ポンペイの噴火の時に、現地災害対策本部長として被災地に赴き、そこで災害に巻き込まれて亡くなった。小プリニウスは大プリニウスを伯父に持ち、ポンペイの噴火の時に生き延び、後生にその災害の恐ろしさを伝えた。」



と私は、説明しています。図書館で借りた本に、災害時に顔を覆い避難するプリニウスのイラストが載っていたので、そのコピーをみんなに見てもらっていました。



また上のJeanさんのコメントにあった

月の動きをもとにした

バイオダイナミック農法で作った製品を

DEMETERとして独の精油メーカーさん(独Primaveralife社や独Lebenbaum社などのハーブティメーカーさんは区別して販売しています。



ハーブティのカモミールはDEMETERのグレードのものは、すごくおいしく、透明感があり、大好きでよく飲んでいます。



またDEMETERの精油は、一般の有機栽培精油よりさらに、WILD BUT FORMALな香りを楽しむことができます。



偶然、何かなじみのある言葉が並んでいたのでうれしくなってコメントさせて頂きました。

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デメテル (U-1)
2005-01-28 21:44:04
アロタンさん、アロマセラピストとしてのご解説、ありがとうございました。



プリニウスの『 博物誌 』農業書として、本当にいろいろなことが書いてあって、面白いですね。



ニュージーランドのハーブ農家のHPを読んでいて、時々、バイオダイナミックという言葉が出てきて、何かと思っていました。

なるほど、プレミアムハイグレードの製品が出来るわけですね。



それにしても、星の運行とともに、農業をするなんて、とてもゆったりとした気分になりますね。カモミールは、私も一年草のを植えていますが、乾燥、調整が、むずかしいです。
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プリニウス つながる? (Jean)
2005-01-30 22:52:54
バイオダイナミック農法のこと 少しずつ書きはじめました



アロタンさんのコメントでプリニウスは私が気になっていた人ではないかと・・・まだ不明ですが

『欧州の医学者は必ず学ぶ人物であると』記憶しているのですが

あっ、プリニウスまだ読んでないのです・・(T_T)



Demeterの商品が手軽(種類豊富で近くで)に帰ると嬉しいのですが まだ難しそうですね

それと Demeter(デメテルorデメター)どちらだろう?と思うのですが・・・ご存知ですか?



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農業の女神 (U-1)
2005-01-31 00:46:25
プリニウスは、医学のことにもかなり詳しく書いてはいますが、現代に応用可能かどうかは疑問です。。薬草にはとても詳しいみたいです。

農業分野も、かなりの水準で、たいへん素晴らしいと思います。こちらは、現代でも充分応用できます。大学の図書館などにありますから、探してみてくださいね。三冊で、とっても、重いでんです!

アロタンのおっしゃる「DEMETERのグレード」

ですが、ハーブテイーのランクを言っているみたいです。ギリシア神話の農業神ですが、

ドイツのハーブ茶のランクですから、テルの方でしょう。



Jeanさんは、有機農業に、興味おありなんでしょうか?

プリニウスは、インドとの交易が盛んになったためイタリアでも、米が栽培されるようになったと書いています。現在、イタリアは、ヨーロッパ最大の米生産国ですが、この頃に、入ってきた様子が分かります。



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食と人 (Jean)
2005-02-02 22:09:25


人が生きていく上で外せない『食』として

効率的な栄養物として

人と自然のあり方を考える『食』として

有機農法に興味があるのかもしれません



人に興味があるが源でしょうか・・

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健康の源 (U-1)
2005-02-03 09:40:34
有機農業ですが、第一次大戦前までは、世界中で、普通でした。大戦後、化学肥料が、売りに出されてからは、人間も変化したのか、

文学の上でも、子どもを題材にした、明るい児童文学が、廃れてしまいました。

それ以前は『 ハイジ』『トム』『 アン 』 、それに『おしん』など、たくましく生きる快活なテーマが有ったんですが....
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こころの栄養 (Jean)
2005-02-05 17:59:06
そうですね。物語を描く人にも何か違いがあるのかも知れませんね

『ハイジ』大好きです『トム』の子どもらしい姿も・・『アン』は少し物悲しい部分が苦手ですが想像力の豊かさはすてきです

『おしん』も辛いところが苦手ですが嫌いではありませんし良い話だと思います

どんな物語も 悲しい場面が苦手です



良い物語は心の栄養だと思います



プリニウスの博物誌やっと借りてきました

重かったです

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