利休の茶室日記

侘び寂びを求めて、何を思う

認知症の定義

2005-07-29 | 高齢社会



ぼけ予防協会トピックスより
「痴呆」から「認知症」へ

(以下、抜粋)
厚労省、一般普及へ努力

 厚生労働省の「『痴呆』に替わる用語に関する検討会」は、「痴呆」を「認知症」に替えることで合意した。それを受けて同省は、介護保険法など関係法令や行政文書などの表記を「認知症」に変更するとともに一般への普及に努める。

 昨年4月に東京、大府(愛知)、仙台にある高齢者痴呆介護研究・研修3センター長から厚生労働大臣に「『痴呆』という言葉には、蔑視的意味があり、見直してほしい」との要望書が提出され6月、有識者7人による同検討会が設置された。

 関係団体の代表者などから意見聴取をするとともに、同省のホームページなどで「認知障害」▽「認知症」▽「もの忘れ症」▽「記憶症」▽「記憶障害」▽「アルツハイマー(症)」を「痴呆」の代替用語6候補として提示、国民から意見を集め、6333件の応募があった。最多は「認知障害」(1118件)だったが、すでに精神医学の分野で別の概念で使われているとの指摘もあり、2番目に多かった「認知症」(913件)を代替用語にすることで合意した、という。

 意見募集の際に「認知症」に対し示された「考え方・理由」には、【痴呆の本質を端的に表現すると、「認知障害により、社会生活や職業上の機能に支障をきたす状態・症状ということになる」。(注)「認知」とは、記憶や認識、理解、思考、判断、言語といった人の持つ知的能力を幅広く指す学術用語。こうした痴呆の本質に着目した案であり、症状や生活障害の多様性を含意している。「症」の字を用いることにより、痴呆が単なる加齢現象ではなく病気の一種であることも表現できる】と説明されている。

 また、意見募集では「痴呆」という言葉について(1)一般的な用語や行政用語として使用される場合(2)病院等で診断名や疾病名として使用される場合、についてそれぞれ「不快感や軽蔑した感じを伴う」、「特に感じない」について聞いたが(1)については、「伴う」が56.2%、「特に感じない」が36.8%、(2)については、「伴う」が43.9%、「特に感じない」が43.5%だった。

 検討会メンバー=高久史麿・自治医科大学長、日本医学会長(座長)▽伊部俊子・聖路加看護大学長▽高島俊男・エッセイスト▽辰濃和男・日本エッセイスト・クラブ専務理事▽野中博・日本医師会常任理事▽長谷川和夫・高齢者痴呆介護研究・研修東京センター長、聖マリアンナ医科大学理事長▽堀田力・さわやか福祉財団理事長

毎日新聞 「PLATA」2005.2.13より

「痴呆の本質は、『認知障害により、社会生活や職業上の機能に支障をきたす状態・症状』。

『認知』とは、覚える、見る、聞く、話す、考えるなどの知的機能を総称する概念。
痴呆に関しては、記憶機能の低下のほか、失語(言語障害)、失効(運動機能が正常にも関わらず、運動活動を遂行することができない)、失認(感覚機能が正常にもかかわらず、物体を認知同定することができない)実行機能障害(計画をたてて、それを実行することができない)などの症状が見られる。
こうした『痴呆』の本質に着目し、『認知』を用い、語尾を病気の状態を示す『症』とするのは、『痴呆』のなかには、一部治癒もしくは症状が安定するものがある一方、他の多くの場合は進行性であり状態が固定していないため」と定義された。
(以上、抜粋)


私は、1年前のある日、ある人から、「危ないから、痴呆老人を外に出さないようにしてほしい」と言われたことを思い出しています。呼び名が「痴呆」から「認知症」に変わって、そうおっしゃった人の理解が変わってくれることを期待しています。
周囲の方々の理解が変われば、認知症高齢者の生活が変わるきっかけがつくれそうな気がします。そして認知症高齢者の生活を支援する者として、さらに専門性を持たねばならないと、気持ちを新たにしています。

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