電気自動車分野の協業の進捗について記者会見する日産自動車の内田社長(左)とホンダの三部社長
(1日、東京都中央区)
ホンダと日産自動車は1日、電気自動車(EV)に使う車載ソフトウエアや部品の共通化を目指すと発表した。2社の協業には三菱自動車も参画する。
3社は世界のEV市場で出遅れていた。車載ソフトや駆動装置といった基幹部品の開発費や調達コストを引き下げ、中国勢や米テスラに対する競争力を高める。
車載ソフト分野では、ホンダと日産の間で基礎技術の共同研究を進める契約を結んだ。
車に搭載するコンピューターを制御する基本ソフト(OS)のシステム設計の開発などを想定する。1年をめどに研究を終え、2030年より前に量産車向けの開発を目指す。
EVの重要部品である駆動装置も将来的な仕様の共通化を目指す。まず駆動装置の駆動源にあたる「モーター」などを2社で共用することで合意した。
ホンダと韓国LG系が共同で北米で生産する車載電池を、28年以降に日産に供給することも検討すると発表した。
三菱自がホンダ・日産の協業に参画する覚書を結んだことも同日発表した。ホンダと日産は3月に包括的な協業を検討すると発表していたが、日産が34.01%保有する三菱自の動向は未定だった。3社による具体的な協業範囲は今後詰める。
ホンダの2024年3月期の世界販売は407万台、日産は344万台とそれぞれ日本勢2位、3位の規模がある。三菱自の81万台が上乗せされると、約833万台を抱えるグループになる。
EV市場では米テスラと、比亜迪(BYD)などの中国勢が主導権を握る。テスラや中国勢はEVに巨額投資を続けており、日本勢が単独で対抗するには限界があった。
今回の3社連合により、国内の自動車メーカーはトヨタ自動車連合と2陣営に分かれることになる。トヨタ陣営にはスズキやマツダ、ダイハツ工業、SUBARU(スバル)が属している。
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