ディスコはシリコンウエハーを切る「ダイサー」などの半導体製造装置を手掛ける
半導体製造装置のディスコが9月にもインドに営業や技術支援のサービスを手掛ける現地法人を設立する。
インドは政府主導で半導体産業の誘致を進めており、インドに進出する半導体メーカーの工場の立ち上げを支援する。
南部カルナタカ州ベンガルールに現地法人を設立する。複数の半導体工場の新設計画が進められる西部グジャラート州アーメダバードにも営業・サービス拠点を設ける。
インド現地法人は当初は10人規模とし、顧客の動向を踏まえて規模を拡大していく。
これまで同社はシンガポール拠点がインド地域への営業活動を担ってきた。インド進出に向けて、シンガポール拠点でインド系の営業人員を育成してきたという。
インドには米マイクロン・テクノロジーや日本のルネサスエレクトロニクスが半導体チップを最終製品に組み立てる「後工程」の工場を建設する計画を進めている。
政府の補助金支給を受け、インド国内の財閥系企業も半導体工場の建設計画を相次ぎ表明している。
インドは電力や水のインフラ供給が課題とされ、投資規模の比較的小さい後工程工場が先行して集積するとみられている。
ディスコはシリコンウエハーから半導体チップを切り出す「ダイサー」や、ウエハーを薄く削る「グラインダ」と呼ぶ後工程の製造装置の世界大手で、需要拡大を見込んで進出する。
半導体製造装置大手では、東京エレクトロンもインドにマーケティング拠点を設置。アドバンテストは13年に買収したインドのソフトウエア開発企業の拠点を持つ。
米ラムリサーチは簡易な開発機能を持つ「エンジニアリングセンター」を22年に開設。米アプライドマテリアルズは開発センターを整備する方針を示している。
半導体業界の世界的な団体SEMIによると、2023年のインドの半導体投資額は世界全体の1%未満にとどまる。
インド政府は米アップルのiPhoneの生産拠点を誘致するなどハイテク産業の集積を進めており、中長期的には半導体産業が立ち上がってくるとみられている。