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寺内陸相の『泰平組合』という「死の商人組織」

2024-01-23 22:12:35 | 日本政治・外交

日本で最初の民間兵器工場 室蘭の『日本製鋼所』そしてジーメンス・ヴィッカース事件https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/36c003cef7e69b41c9f52fa000462461

からの続き

 

1908年(明治41年)には、寺内陸相のきもいりで『泰平組合』という名の組合がつくられましたが、この『泰平組合』は陸軍の「不要」な兵器を安く払い下げ、こうレを外国(主に中国)に高く売りつけるのを事業とする『死の商人』です。

この組合に共同で出資したのは、三井、大倉、高田などの名のうての『死の商人』たちです。やがて第一次世界大戦が始まり、世界の兵器市場は空前のブームとなります。

 

連合諸国からは日本に対する注文が殺到。 陸軍はこの注文を受けて陸軍工廠で生産を行いそれらの軍需品を『泰平組合』と通して輸出しました。

戦時中、こうして『泰平組合』が輸出した兵器弾薬h年額6000万円の巨額に達したといいます。

大戦真っ最中の1916年(大正5年)、第37議会で、野党の『政友会』は、この『泰平組合』をめぐるスキャンダルを追究しています。

しかし、政府、与党、軍部は『軍事の機密』を盾にして論議を封殺し、事件をうやむやに片づけてしまいます。

 

吉野作造博士の『現代政治講和』には、某老人政治家の話として、この『泰平組合』の巨額の利益は、山縣、桂寺内などの歴代『軍閥政治家』、軍閥内閣の政治資金の源泉になっていた内幕話が収録されています。

吉野博士は書いています。 

「このような取引は道徳から言えば明らかな不正であるが、法律上からは少しも不正がないようになっているようです。 例えば、支那に武器を売る。 官が直接売っても良いのだけれども、いったんこれを『泰平組合』に払い下げる。 安い値段であることはもちろんである。

これを高値で支那に売る。 政府がその間いろいろと便宜を図ることは言うまでもない。 『泰平組合』は大儲けする。 そして、その利益が政府のある種の運動費に寄付されるのである 」。


まったく、驚いた話である。しかも『泰平』を名にするとは、人を食うにも程があるとというものだ。

 

 

 

 

(関連情報)


・明治維新 「死の商人」大倉財閥の始祖 大倉喜八郎https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/de59f5b27fef6bcc03d68fc93e1340a2

・明治維新 日本の「死の商人」三菱財閥の祖 岩崎弥太郎https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/98a159e6c384d72d1b605ede523acd4d

・日本で最初の民間兵器工場 室蘭の『日本製鋼所』そしてジーメンス・ヴィッカース事件https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/36c003cef7e69b41c9f52fa000462461

 

 



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