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明治維新 「死の商人」大倉財閥の始祖 大倉喜八郎

2024-01-20 21:33:20 | 日本政治・外交


大倉喜八郎(1837~1928)

 

明治維新は、大英帝国による日本の植民地化に乗じて、日本国内で起こした下剋上革命です。そのどさくさに紛れて、貧乏だった人物たちが財を成して財閥となりました。

 

大倉喜八郎の鉄砲商売

アメリカでっはJPモルガンが、インチキなカ-ビン銃を種にボロ儲けをした数年後、日本でも鉄砲商売で大儲けした人物がいました。 

その名を大倉喜八郎といい、後の大倉財閥の始祖であります。江戸で鉄砲店を開業、戊辰戦争で新政府軍に武器を売り巨利を得ました。

『帝国ホテル』や、日本初の私立美術館『大倉集古館』を虎ノ門に創設。長男は『ホテル・オークラ』を創設したことで有名な大富豪です。

時にアメリカの南北戦争でモルガンが、日本の明治維新のどさくさで大倉は「死の商人」として巨万の財を成したのです。

 

風と共に去りぬ(映画)と「死の商人」https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2a19d81e462bc6efd2808d9312146efd

 

喜八郎は1835年、今の新潟県の新発田藩に生まれました。 伝記によると17歳の時に母を、翌年には父を失い、姉から選別を貰って江戸に出ました。

18歳の喜八郎は麻布板倉の鰹節屋に奉公、3年後には主人から養子に見込まれましたが、これを断り、21歳のとき上野で塩物展を開いて独立しました。

 

今で言うところのベンチャーです。 当時は勤皇、佐幕両派の対立で世間は物情騒然でした。 この時勢を炯眼(けいがん)にも見て取った喜八郎は『鉄砲商売』こそ大きなビジネスチャンスと考えました。

そこで神田に開店したのが『大倉銃砲店』です。そして明治維新の動乱の時期に銃砲店を開いたことが、「死の商人」としての喜八郎の成功のきっかけとなりました。

1868年5月、官軍(維新軍)は怒涛のように江戸に迫っていました。 上野の山にこもった彰義隊は、その官軍にたいして最後の抵抗を試みようとしていました。

 

『死の商人』喜八郎がその「死の商人」としての面目を発揮したエピソードがこれです。 5月14日のこと、神田和泉町の大倉銃砲店に突如、15~16名の彰義隊士が訪れ、主人の喜八郎を有無を言わさず上野の山に連れて行きました。

何しろ、その前日、谷中の芋坂で、同じ鉄砲屋の島屋新兵衛,東屋七兵衛の二人が彰義隊の機嫌を損ねて、バッサリ斬られた直後のことで、喜八郎も死を覚悟したことでしょう。

行ってみると、案のじょう、幹部の前に引き据えられ、彰義隊に納める約束の鉄砲をなぜ官軍に売ったのかと厳しく問い詰められました。

 

この時の喜八郎の返答はあっぱれ『死の商人』というものでした。 

「さよう、たしかに鉄砲をお売りする約束をいたしました。 しかし、私は商人でございます。金を儲けなければ妻子も養えず、暮らしも立ちませぬ。 ですから現金さえお支払いくださるならば、どちら様にでもお売りします。 何も、ことさら官軍ばかりにご奉公しているわけではございません。 商法に従って取引申し上げたまででございます

これには、彰義隊の幹部連中も度肝を抜かれましたが、何しろ鉄砲不足に悩むおりでした。

 

「それでは、お前の店にミュンヘル銃はあるか」

「はい、ただ今、あいにく手元にはありませんが、横浜まで参りますれば二百挺はおろか、三百挺、五百挺もございます」

「そうか、手に入ると申すか。では明日中に三百挺、届けてくれ」

「代金さへ頂ければ、きっと納めます」

 

こうして喜八郎は死を脱したのみか、大口の商取引をむすんで帰宅しました。 

 

「明治初年の一階の鉄砲屋が大倉組となり、さらに大倉財閥にまで発展するに至った理由はは、それは戦争です。 大倉財閥は『戦争成金』といわれますが、その通りです」。 

たとえば、「倒幕時代には鉄砲を幕府だろうが官軍だろうと代金の入るところには、どんどん輸入して納め、巨利を得て、その礎を築きました」

 

「明治維新にさいしては、官軍に兵器、食料を供給した功により、その後、維新・新政府」の軍部御用商人としての特権を独占しました」。

 

「西南戦争、台湾征討では軍需品輸送で巨利を得ました」、「日清戦争では『石ころ罐詰』を納入して暴利を収め」、「日露戦争でも軍需品の輸入,輸送で大儲けしました」(勝田貞次『大倉コンツエルン読本』)。

 

 

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