ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

卵のお話

2017-10-11 | アメリカ事情

http://exhibits.library.northwestern.edu/spec/hogarth/images/1.13.jpg

10月9日は、今年のコロンバスデイ。本来は10月12日だが、毎年10月の第二週月曜日である。コロンバスがキリスト教国からの白人として初の新世界(アメリカ大陸)を発見した日とされる。昨今はアメリカ原住民を大虐殺した張本人とされたり、疫病を持ち込んだ文字通りの疫病神扱いで、ニューヨーク州では盛んなパレードも、別の名前でしたり、休日として認めない州もある。カリフォルニア州ではサンフランシスコでコロンバスデイパレードがあるが、州政府は無給休暇として扱っており、私は職場へ。夫は公務員ではないので、有給休日朝寝坊。

 http://www.9news.com/img/resize/content.9news.com/photo/2017/10/09/Gett

政治的なことはここに書きたくないし、書こうとも思わないが、ふと日本の建国記念日が皇国史観の名残り、などといろいろ因縁がつくことを思わされる。誰にも好かれるということはなんと難しいことだろうか。

話はさておき、私がいつも思うのは、あの15世紀の全長70フィート(18m)という小さな船サンタマリア号に、よくコロンバスは、自分を含めて総勢40名も乗せたものだ、ということである。もちろん船団には、もうニ隻、二ーニャ号とピンタ号もあったが、90~120人がその三隻に乗っていたと言う。狭い!小さい!

https://s3.amazonaws.com/s3.timetoast.com/public/uploads/photos/6577970/christopher-columbus-ships.jpg?1477496624

以前子供達が、G.A.T.E.(Gifted and Talented Education)クラスにいて、丁度長女のクラスがワシントンD.C.周辺の旅行を催すことになり、母親の私は、シャパロン(Chaperone)として同行した。その時ヴァージニア州のJamestownジェームスタウンも寄った。

このジェームス川沿いの土地に1607年英国が初めて105名の北アメリカ植民地開拓団を送り込んだ。そこに停泊していた三隻の船(レプリカ)を見たが、17世紀の技術を持ってしても、ロンドンからここへ航海するのに、4ヵ月半もかかっている。そして、船も小さいし、狭い。

こうした航海は、命がけで、食糧事情もたいへんだったことだろう。航海中に脚気になったり、病気になったり、命を失った者もいたことだろう。迂闊に金や銀を、そしてスパイスを見つけにいきます、なんて言葉に吊られてしまって。もっとも、新天地を求める希望も強かったのだろう。そういう先人の苦労があり、努力があり、犠牲があって、多くの人々はこのアメリカを現在住まいにしている。ありがたいと言えばありがたいが、疫病をもたらしたり、大虐殺の過去は悲しいものだ。

アメリカへの航海成功を祝う席で、誰にでもできることじゃないかと、揶揄されたコロンバスが、それじゃあ卵を立ててみてご覧と反逆して、誰もできずにいると、卵の底をテーブルにすこし強く置いて立たせたということは、世界中の人が知っている。発想の転換は、時として壮大なことが起こるきっかけになる、というお話。

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